シンフォニー・レイ

シャオえる

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89. 明日は、いつもの日々であることを

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「シキ、お帰りなさい。大丈夫だった?」
 ツミキから離れたあともずっと走っていたシキ。息を切らして、キッチンに居たシンクに荷物を渡しながら、返事をする
「……ただいまです。どうにか無事に帰ってきました」
 荷物を受け取り、片付けをするシンクの側で、そわそわと何だか落ち着かないシキ。そんなシキの様子に気づいても、シンクは何も言わず片付けを続けていく

「あの、シンクお姉さま。お二人の様子は?」
「大丈夫よ。熱も落ち着いてきているわ。明日には会えるわよ」
「雨に濡れて風邪なんてお父様らしくないわね」
 ふふっと笑い話すシンクに、目を背けるシキ。片付けの手伝いもせず動かないまま、シンクの片付けが終わってしまった
「シキ、どうしたの?風邪が移った?」
 シンクの問いかけに首を横に振って否定すると、ゆっくりと話し始める
「帰る途中に、ツミキ達に会ってしまって……どうにか逃げられましたが、もしかしたら、この場所が見つかってしまうも……」
「……そう」
 深刻そうな表情に話すシキに、シンクも一瞬、深刻そうな表情になる。そのシンクの顔を見て更に目を背けたシキを抱きしめると、再びふふっと笑う
「でも、もう知られてもいいかもしれないわね……」



「明日、朝からツミキが走っていった方角を中心に、居場所を探すそうだ」
 少し早めに眠ろうと、三人並んでベットに横になっていると、なかなか寝れずにいたミオリが突然、話し始める
「私達もですか?明日は学校休みですよね」
 同じく眠れずにいたカエデご返事をする
「いや、ここで連絡を待つそうだ。早々に見つければ、私達を呼んですぐ潜入調査をする。遅くなるか見つからなければまた後日。だそうだ」
 一通り話を終えると、隣にいるツミキの方を見る。視線に気づいたツミキもミオリを見る
「だから、ツミキ。今度は勝手に行動しないように」
「……はい」
 二人の間で話を黙って聞いていたツミキ。ミオリの問いかけにか細い声で返事をすると、気まずい雰囲気が三人に流れてく。しばらく三人無言でいると、はぁ。とため息ついたミオリが少し体を起こして、部屋の電気を消そうとする
「二人とも眠ろう。明日は忙しくなるかもしれないから……おやすみ」
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