2 / 65
2. それぞれの思いが溢れる帰り道
しおりを挟む
「アリア!ちょっと大丈夫?」
突然、体をユラユラと揺らされて、慌てて周りを見渡すアリア。すると、居なかったはずのミオや周りには人達が大勢居て驚きつつもバルコニーの方を見るとアクアがアリアから背を向け、大勢の人達に手を振っていた
「ごめん、大丈夫……」
ミオにエヘヘと笑って答えると、またアクアのいるバルコニーを見る。少しずつ歓声が静かになりはじめ、ほんの少しアクアやクリアの声がアクアにも聞こえてきた
「お二人とも、そろそろ……」
アリアの様子を見ていた一人の女性がクリアとアクアにコソッと話しかけると、二人とも集まってきた人達に微笑みお城の中へと戻っていった。二人の姿が見えなり、騒がしさも更に落ち着き、人々が帰りはじめた。アリアとミオの近くにいた人達も帰りはじめ、二人も手を繋ぎ帰りはじめた。ミオと楽しそうに話すアリアの姿をお城の小窓からクリアが見ている
「アリアの様子は?」
「変わりないと報告は受けております」
「じゃあ、アクアの魔力は?」
「こちらも変わりないみたいですが、ただ……」
「そうね、あの子の魔力はどれ程なのかは誰にも分からないものね」
ため息混じりにクリアが言うと、周りいたお供の家政婦達が困った様子で顔を見合わせた
「ごめんなさい。少し休んでもいいかしら」
「ですが、今から食事会が……」
家政婦達が止める声も聞かず、クリアは寝室がある方へと一人歩きはじめた
「ねえ、アリアってば!聞いてるの?」
その頃お城から帰る途中のアリアは、ミオに体を揺すられていた。何度も声をかけても返事をしないアリア。ユラユラと揺らされて、やっとアリアがミオの方を向いた
「えっ?どうしたの?」
「ずーっとボーッとしているよ。私の話、聞いている?」
「うん、今日の夕御飯の話でしょ?」
「全然違うよ!アクア王女の杖の話!」
「あれ、そうだっけ?」
少し怒り気味に言うミオに対し、アリアが首をかしげ返事をすると、ミオが少し呆れたように、はぁ。とため息ついた。それを見てアリアがまた不思議そうに首をかしげた
「話してたのは杖の話し。素敵だったね。私も欲しいなぁ……」
「持ってどうするの?」
「そりゃあもちろん、もっと魔術が使えるように訓練するの」
目を輝かせながらそう言うと隣でフフッと微笑むアリアに気づいて気まずそうに顔を背けた
「あっ、ごめん……」
「ううん、気にしないで」
「……そろそろ帰ろう。夕御飯作るから、アリアの家で一緒に食べよう」
「本当?ミオの作るご飯は美味しいから嬉しいな」
フフッと微笑むアリアを見て、ミオも微笑みまた手を繋いで、二人一緒にアリアの家へと少し早歩きで向かっていった
「うーん、いまいちと言えばそうだね。魔力がないって聞いていたから覚悟はしていたけどさ」
その頃、アリア達が帰った後のお城の一室では、アクアが一人呟いていた。隣で浮かぶ杖にそっと触れると、浮かんでいた杖が消え、部屋の小窓を見て、不適に微笑みまた一人呟いた
「アリアお姉ちゃんには頑張ってもらわないといけないからなぁ。お母様には、もう少し黙っていよう」
突然、体をユラユラと揺らされて、慌てて周りを見渡すアリア。すると、居なかったはずのミオや周りには人達が大勢居て驚きつつもバルコニーの方を見るとアクアがアリアから背を向け、大勢の人達に手を振っていた
「ごめん、大丈夫……」
ミオにエヘヘと笑って答えると、またアクアのいるバルコニーを見る。少しずつ歓声が静かになりはじめ、ほんの少しアクアやクリアの声がアクアにも聞こえてきた
「お二人とも、そろそろ……」
アリアの様子を見ていた一人の女性がクリアとアクアにコソッと話しかけると、二人とも集まってきた人達に微笑みお城の中へと戻っていった。二人の姿が見えなり、騒がしさも更に落ち着き、人々が帰りはじめた。アリアとミオの近くにいた人達も帰りはじめ、二人も手を繋ぎ帰りはじめた。ミオと楽しそうに話すアリアの姿をお城の小窓からクリアが見ている
「アリアの様子は?」
「変わりないと報告は受けております」
「じゃあ、アクアの魔力は?」
「こちらも変わりないみたいですが、ただ……」
「そうね、あの子の魔力はどれ程なのかは誰にも分からないものね」
ため息混じりにクリアが言うと、周りいたお供の家政婦達が困った様子で顔を見合わせた
「ごめんなさい。少し休んでもいいかしら」
「ですが、今から食事会が……」
家政婦達が止める声も聞かず、クリアは寝室がある方へと一人歩きはじめた
「ねえ、アリアってば!聞いてるの?」
その頃お城から帰る途中のアリアは、ミオに体を揺すられていた。何度も声をかけても返事をしないアリア。ユラユラと揺らされて、やっとアリアがミオの方を向いた
「えっ?どうしたの?」
「ずーっとボーッとしているよ。私の話、聞いている?」
「うん、今日の夕御飯の話でしょ?」
「全然違うよ!アクア王女の杖の話!」
「あれ、そうだっけ?」
少し怒り気味に言うミオに対し、アリアが首をかしげ返事をすると、ミオが少し呆れたように、はぁ。とため息ついた。それを見てアリアがまた不思議そうに首をかしげた
「話してたのは杖の話し。素敵だったね。私も欲しいなぁ……」
「持ってどうするの?」
「そりゃあもちろん、もっと魔術が使えるように訓練するの」
目を輝かせながらそう言うと隣でフフッと微笑むアリアに気づいて気まずそうに顔を背けた
「あっ、ごめん……」
「ううん、気にしないで」
「……そろそろ帰ろう。夕御飯作るから、アリアの家で一緒に食べよう」
「本当?ミオの作るご飯は美味しいから嬉しいな」
フフッと微笑むアリアを見て、ミオも微笑みまた手を繋いで、二人一緒にアリアの家へと少し早歩きで向かっていった
「うーん、いまいちと言えばそうだね。魔力がないって聞いていたから覚悟はしていたけどさ」
その頃、アリア達が帰った後のお城の一室では、アクアが一人呟いていた。隣で浮かぶ杖にそっと触れると、浮かんでいた杖が消え、部屋の小窓を見て、不適に微笑みまた一人呟いた
「アリアお姉ちゃんには頑張ってもらわないといけないからなぁ。お母様には、もう少し黙っていよう」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる