アリアノート

シャオえる

文字の大きさ
12 / 65

12. 食後のデザートを共に

しおりを挟む
「あった。あの家がアリアお姉ちゃんの家か」
 クリアが出掛けてから数分後、アクアがお城の屋根に登り風に当たりながらアリアの家を見つめていた
「こんな近くに住ませるなんて、せっかく離れて暮すなら、もっともーっと遠くにすればいいのに、お母様ったら変なの」
 呆れたように、はぁ。とため息ついてボーッとアリアの家を見ていると、お城の回りでざわざわと騒がしい声が聞こえてきた
「アクア様!どこに行ったんですか?」
 家政婦達が姿が見えなくなったアクアを探して慌てている。その様子を少し見た後、ふわりと屋根から降りた

「みなさん、私はここです」
 家政婦達がいる玄関から少し離れた場所に降りてアクアが声をかけると、その場にいた全員が驚いた顔でアクアに近づいた
「見つかって良かった。心配しましたよ」
「ごめんなさい。少しお散歩をしたくなって……」
 しょんぼりとうつ向いて謝るアクアに家政婦達が顔を見合わせ、安堵からふぅ。と深呼吸をしているとアクアがお腹を擦りエヘヘと笑った
「それより、おやつはありますか?お腹が空きました」
「ええ、あります。すぐ用意させますので皆で食堂に行きましょう」
「じゃあ、私が一番最初に食堂に行きますね!」
 家政婦の言葉を聞いてすぐそう返事をすると、突然走り出し家政婦達を残してお城の中に入っていった



「アリアはよく食べるね」
「うん、夜ご飯食べてないから」
 ミオが持ってきてくれた昨晩の夜ご飯と今日の分の朝ご飯を食べるアリア。パクパクとたくさん食べるアリアの姿に圧倒されながらミオも一緒にご飯を食べる
「まあ、冷えてても食べてくれるなら作った方は嬉しいけどね」
「ミオの魔法では温められないの?」
「私は出来ないよ。多分術を使ったらご飯が全部燃えちゃうかも」
「そっか、ミオの魔術もまだまだだね」
「ちょっとひどいよ!」
「ごめんね」
 クスクスと笑って謝るアリアに、ミオが少しムッとした顔でご飯を一口食べると、アリアが紅茶のおかわりを淹れながら、ミオに話しかけた
「今日はミオはどうするの?また術の修行?」
「ううん、今日は休む。アリアは?」
「もう体調も良いから、お出かけしようかなぁって思っているよ、一緒に行こう」
「いいね。授業に必要なもの買いたいし」
 デザートに手を伸ばしながらアリアに返事をすると、二人分の紅茶のおかわりを淹れ終えたアリアもデザートを食べながら、うんと頷き返事をした
「じゃあ、決まりだね。早く食べて、ちょっと調合し終えたら行こっか」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...