アリアノート

シャオえる

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46. 願いを届けに

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「ミオ、やっぱりダメだよ。嘘までついてなんて」
 食後、ミオの家に行くと言って外に出たアリアとミオ。アリアの家からすぐにあるミオの家には向かわず、アクアがいるお城の方へと歩くミオに引っ張られているアリアが見つからないか不安そうに家の方をちらちらと振り向く
「一緒じゃなきゃダメだから。アリアはこのまま急に離れ離れでもいいの?」
「それは嫌だけど……」
「じゃあ、不安になるより先に動かなきゃ」
 そう言うと、さっきよりも強めにアリアの腕を グイグイと引っ張り歩きだした


「すみません!ちょっといいですか?」
 お城の門前にいた警備の二人にミオが大声で声をかけた。ミオの背中に隠れるようにいるアリアの姿を確認すると、二人が一瞬顔を見合わせ、すぐにミオにニコリと微笑み声をかけた
「はい、なんですか?」
「クリア様いますか?ちょっとお話があるんですけれど」
「えーっと、居ることは居ますが……」
 ミオの話に困った顔でまた顔を見合わせていると、家政婦達とお喋りをしながら庭にある花に水をかけていたクリアが微かにミオの声が聞こえて、門を開けて出てきた
「あら?どうしたの?」
 門を開けすぐに見たミオに優しく声をかけたクリア。開ける瞬間にミオの服をつかみ背中に隠れたアリアの顔は見れていないのか少しミオに近づくと、ミオも一歩近づいて、アリアの体が少し引っ張られた
「あのクリア様、お話があります!」
「はい、なんですか?」
「アリア、今日引っ越すと言われたのですが、私の家に住むのはダメですか?私、アリアと離れたくないんです」
 クリアにそう言いながら後ろに隠れるアリアを見る。その視線の先にクリアも見ると、全員の視線を感じてか、アリアがちょっと困った顔をしているのを見てクリアだけでなく後から来た家政婦達も驚いた表情をしている



「なんだか騒がしいなぁ……」
 ミオがクリアに話しているその時、クリアを探していたアクアが庭に来ていた。門の方から聞こえてくる声に誘われるように行くと、少し開いた門からちらりと、顔を出し様子を見ようと体を左右に動かしていると、一番後ろにいた家政婦がアクアに気づいて前にいた家政婦肩を軽く叩き、ミオとアリア以外の門の前にいた人達が次々にアクアがいることに気づきはじめ、最後にクリアが振り向きアクアの姿を見て驚く表情を見せず、すぐにミオとアリアの方に振り向き直した
「私の権限では今すぐに引っ越すことを変えることは出来ないわ。ごめんなさいね」
「でも、今すぐ決めてくれないと……」
 クリアの返事を聞いてグイッとアリアの腕をつかみミオの前に立たせた。アクアに様子を見られないように慌てて門を閉じていた家政婦達が更に焦りだし、あたふたとする中、クリアは冷静な表情を崩さないようにしながら、アリアとミオにフフッと微笑んだ
「ごめんなさいね、また後でお話を聞きに行くから、今は家に戻っていてね」
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