アリアノート

シャオえる

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47. 歩きを止めないように

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「話あまり聞いてもらえなかったね」
「うん……。アリアのことなのにね……」
 お城からの帰り道、いつもより遅い速度でトボトボとのんびりと歩くミオとアリア。話の途中ではぁ。と一つため息をついたミオの背中を触れて、アリアがニコリと微笑む
「早く帰ろう。片付けお願いしたままだから、大変かも」
「うん……」
「お手伝いしてくれるでしょ?」
「うん、嫌だけどね」
「ありがと」
 ミオの手を取りアリアがお礼を言うと、少し悲しげな顔をしているミオに気づいて、お城に向かう時とは客に今度はアリアがミオの手を引っ張って帰り道を歩いた






「アリアお姉ちゃん、引っ越すんだ。つまんないの」
 その頃、寝室に戻ったアクアが一人窓から外を見てため息混じりに呟いていた。いつの間にか戻ってきていたフクロウを見つめると、視線が合い見つめ合っていると、コンコンと部屋の扉が叩かれクリアが入ってきた
「アクア。ちょっといいかしら?」
「うん。お母様、どうしたの?」
 窓にいたアクアに近づき顔をじっと見つめたクリア。何も言わずただ見つめられアクアが不思議そうに首をかしげると、突然クリアがアクアを少し強くぎゅっと抱きしめた
「お母様、ちょっと痛い……」
「あら、ごめんね」
 ちょっと顔を歪めるアクアを見てクスクスと笑って手を離すと、アクアがはぁ。とため息をつき、ふと窓から外を見ると、フクロウがまだこちらを見ていた
「ねえ、お母様。お父様にあのフクロウはもう帰してあげてって伝えて」
「気づいていたの?」
「気づくよ。私が稽古場を壊さないように見張っているんでしょ?」
 クリアと一緒にフクロウを見ながら頬を膨らませ不満そうに言うとクリアがまたクスクスと笑う
「それより、さっき家の門の前ににいた人は帰ったの?」
「えっええ、そうね」
「……そうなんだ」
 少し慌てた様子で返事をするクリアの言葉に、アクアも呟くように返事をすると、またコンコンと部屋の扉が叩かれ、家政婦達が部屋の中に入り、二人を見てペコリと頭を下げた
「お昼の用意が出来ましたが、いかがなさいますか?」
「アクア、先に行って食べてて」
「う、うん……」
 食べるかどうか悩む前に、クリアにポンッと背中を押され、仕方なく家政婦達と部屋を出たアクア。少し開いたままの扉から会話が聞こえている。段々と部屋から離れ、話し声が聞こえなくなると、クリアが窓から外を見ると、アクアと見たフクロウが居なくなっていた
「ユーノさんはどこに?」
「魔術室にいます。アクア様のフクロウからアリア様の様子を皆で見ていました」
「そう、なら話は早いかもね」
 と、家政婦からの返事を聞いてアクアの部屋にある本棚から一冊の本を取り出した。魔術書に書かれたアクアの文字を見て、そっとその字に触れた
「やっぱりアリアと離れることを止めさせましょ。これ以上離れるのはアクアのためにもならないわ」
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