アリアノート

シャオえる

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58. 全てが壊れないように

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「二人とも暴れすぎだな。特にアクアは戻ってきたら少し怒らないといけないくらいだ」
 術で写し見ていたアリアとアクアを見れなくなったユーノ達。木々や家が次々に壊されていく村の様子を術で写し見ながら、ユーノが困ったように呟き、はぁ。とため息つく。隣にいたクリアは不安で落ち着かないのかソワソワと術を見ている
「アリアは大丈夫かしら。あの子は術が使えないのに……」
「もし、アリアが使えていたらもっと被害が大きかったかもしれないな」
 そう話していると二人がいる魔術室の扉がコンコンと少し強めに叩かれ、村の被害を一通り見てきた魔術師達が報告にやって来た
「現在、村の崩壊がミオさんの家で止まっています。なので、術者達が集まり、ミオさんの家の周辺に結界を張っています。付近に住む魔術が使えないもの達には術者と共に避難を促しています。ですが、アクア様の魔術強いので、すぐに結界を壊されるかと……」
「それなら私とクリアが結界を補おう。出る用意をしてくれ」
「了解しました」
 ユーノの返事を聞いて、また少し強めに扉を開いて魔術室から出ていくと、家政婦達に促されクリアも先に部屋を出た。一人残ったユーノは開いたままだった本をパタンと閉じ、ゆっくりと消えていく本を見つめた



「いい加減、そろそろ大人しくやられろ!」
 その頃、ミオを背負い逃げ続けているアリアをアクアがまだ追いかけていた。少し疲れてきたのか、狙いが定まらず、あちらこちらに水が雨のように降り注ぎ、風が吹き荒れ木々が揺れている
「やっと着いた……!」
 アリアが息を切らし辿り着いたのは、ユーノ達がいるお城。閉じていた門を無理やり開けると、鍵が開いていた玄関を開き、すぅ。と一つ息を吸い込んだ
「すみません!誰かいませんか?」
 アリアが大声で叫ぶと、声に驚いたミオが少し顔をしかめた
「……あれ?誰もいないの?」
 しばらく玄関先で待ってみても、クリアだけでなく家政婦達の姿も見えず、アクアの水の魔術がアリアとミオの体にバシャッと当たった
「とりあえず、私が休んでいた部屋に……」
 体がびしょ濡れになり慌てて玄関の扉を閉め、ミオの体を大きく揺らしバタバタと走って、寝ていたはずの部屋へと向かう。バンッと勢いよく部屋の扉を開け、ベッドにミオを寝かせるとクローゼットを開け、服を適当に探し濡れたミオの服と着替えさせると、バンッと玄関の扉が勢いよく開く音と共にバタバタと騒がしいアクアの足音が聞こえてくきた。それを聞いて、アリアがふぅ。と一つ深呼吸をして、着替えず服が濡れたまま部屋の扉のドアノブに手をかけた
「ちょっと待っててね。私があの子を倒して、ミオのための薬を持ってくるから」
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