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51. その人影に向かって
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「えーっと、どこにいるかな。学園か、それとも……」
一人ミコトの家から出た後、街を空から見下ろしてキョロキョロと辺りを見渡して、適当に動き回っていると、少し離れた場所からドンッと大きな物音が響いて聞こえてきた
「あっちか」
そう呟くと、その物音のする場所へと少し急いで飛んでいくと、学園の生徒が数名、疲れた顔をして空に浮かんでいた
「ノエルさん!」
一人の生徒がノエルが近づいてくるのに気づいて、立ち上がり大声で手を振る
「助けてくれるんですか?」
他の生徒達もノエルに気づいて立ち上がり声をかけると、その生徒達の側に止まりクスッと笑って返事をする
「うん、って言いたいところだけど、今日は無理かも。みんなで頑張って」
「えー、せっかくなので……」
「私とのんびりお話ししてる場合じゃないよ、ほらほら」
そう言いながら横を指差すノエル。生徒達がその指差す先を見ると、さっきまで対戦していた他校の生徒達が、こちらに向かって飛んできていた。慌てて術を読み始める生徒達。その隙にノエルは生徒達から離れてまた街中を空から見渡していく。すると、だいぶ離れた場所に人影が見えて、その人影に向かって少し速度を上げ、ふわりと飛んでいく
「いたいた。クリス先生」
と、声をかけながら近づいていくノエル。呼ばれた声に気づいたクリスが、ノエルを見てニコッと微笑み振り向くと、少し離れた場所でノエルが立ち止まり話しかけた
「ここにいたんですね、良かった」
「おや、生徒会長になって早々ながら対戦ですか?」
「いえ、クリス先生にちょっと聞きたくて」
と、ニコニコと微笑み話すクリスに対し、少し険しい顔をして返事をした
「本って、どこにいったか分かりますか?」
「本ですか?」
クリスがノエルの質問に、ニコッと微笑んだまま返事をすると、ノエルがふぅ。とため息ついて、本をそっと手に持ちクリスに見せた
「生徒会長しか持てないこの本です」
「君が持ってるじゃないですか。どこにいったかなんて……」
「教えてくれないと、ちょっと困るんです」
そう言うとノエルの髪が少し揺れて持っていた本も手から離れて浮かぶ。その様子に微笑んでいたクリスの表情が段々と険しくなっていく
「ミコト達も待ってるし、ご飯ももうすぐ出来るんです。だから早く……」
「ノエルさん!危ない!」
突然、ノエルの言葉を遮る声が聞こえてきて、声のする方に振り向くと、クリスに会う前に話をしていた生徒の一人がノエルに背をむけ、こちらに向かって飛んできた
「大丈夫?」
ノエルにぶつかる寸前に受け止めた女の子に声をかけるが、目を閉じ動かない女の子。慌てて声をかけていた生徒もノエルに駆け寄り、動かない女の子をノエルから受けとり、ぎゅっと抱きしめると、クリスが動かない女の子の様子を見て、困った顔でノエルに話しかけた
「話はまた今度にしましょうか。その時は、ミコト君も一緒に」
一人ミコトの家から出た後、街を空から見下ろしてキョロキョロと辺りを見渡して、適当に動き回っていると、少し離れた場所からドンッと大きな物音が響いて聞こえてきた
「あっちか」
そう呟くと、その物音のする場所へと少し急いで飛んでいくと、学園の生徒が数名、疲れた顔をして空に浮かんでいた
「ノエルさん!」
一人の生徒がノエルが近づいてくるのに気づいて、立ち上がり大声で手を振る
「助けてくれるんですか?」
他の生徒達もノエルに気づいて立ち上がり声をかけると、その生徒達の側に止まりクスッと笑って返事をする
「うん、って言いたいところだけど、今日は無理かも。みんなで頑張って」
「えー、せっかくなので……」
「私とのんびりお話ししてる場合じゃないよ、ほらほら」
そう言いながら横を指差すノエル。生徒達がその指差す先を見ると、さっきまで対戦していた他校の生徒達が、こちらに向かって飛んできていた。慌てて術を読み始める生徒達。その隙にノエルは生徒達から離れてまた街中を空から見渡していく。すると、だいぶ離れた場所に人影が見えて、その人影に向かって少し速度を上げ、ふわりと飛んでいく
「いたいた。クリス先生」
と、声をかけながら近づいていくノエル。呼ばれた声に気づいたクリスが、ノエルを見てニコッと微笑み振り向くと、少し離れた場所でノエルが立ち止まり話しかけた
「ここにいたんですね、良かった」
「おや、生徒会長になって早々ながら対戦ですか?」
「いえ、クリス先生にちょっと聞きたくて」
と、ニコニコと微笑み話すクリスに対し、少し険しい顔をして返事をした
「本って、どこにいったか分かりますか?」
「本ですか?」
クリスがノエルの質問に、ニコッと微笑んだまま返事をすると、ノエルがふぅ。とため息ついて、本をそっと手に持ちクリスに見せた
「生徒会長しか持てないこの本です」
「君が持ってるじゃないですか。どこにいったかなんて……」
「教えてくれないと、ちょっと困るんです」
そう言うとノエルの髪が少し揺れて持っていた本も手から離れて浮かぶ。その様子に微笑んでいたクリスの表情が段々と険しくなっていく
「ミコト達も待ってるし、ご飯ももうすぐ出来るんです。だから早く……」
「ノエルさん!危ない!」
突然、ノエルの言葉を遮る声が聞こえてきて、声のする方に振り向くと、クリスに会う前に話をしていた生徒の一人がノエルに背をむけ、こちらに向かって飛んできた
「大丈夫?」
ノエルにぶつかる寸前に受け止めた女の子に声をかけるが、目を閉じ動かない女の子。慌てて声をかけていた生徒もノエルに駆け寄り、動かない女の子をノエルから受けとり、ぎゅっと抱きしめると、クリスが動かない女の子の様子を見て、困った顔でノエルに話しかけた
「話はまた今度にしましょうか。その時は、ミコト君も一緒に」
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