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122. 私の魔力がある限り
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「何しているの?」
バタンと本を閉じた後、またふわり浮かぶ本に触れ、新たな本が現れては本を確認すると、また本に振れるを繰り返すノエルにミコトが問いかける
「本を作ってる」
「なんで?」
「だって、一冊じゃあ収まらないから」
そう言うと本をパッと手放す。すると、二人の周りにある光の粒と共に、ふわふわと浮かぶ
「でも、こんなに……」
「今までの学園の術を本に書いているからね。この何倍、何十倍の本がいるよ」
「ノエル一人の魔力じゃあ足りないでしょ」
「本に書いている術の魔力を、かき集めればなんとかなるよ」
「それでも……」
ノエルの言葉を聞いて余計に不安になるミコトの側に、本が一冊横を通りその本を取ろうと手を伸ばしたその時、ドンッと大きな物音が聞こえ、驚いて伸ばした手を引っ込め、ノエルの服をつかんでいた手も少し緩んだ
「離れちゃダメだよ」
「ごめん……」
注意されて、慌てて服をつかみ直している間にも、物々しい音が何処からともなく聞こえてくる
「本の外で何か起きているのかもね。ノア達が本を守ってくれてるといいけど」
「……もし、守れなかったら?」
「一生この本の中かな」
クスッと笑って答えるノエル。ミコトはそれを聞いて少しうつ向く。それに気づいたノエルがまた微笑んで顔をミコトの方に向けた
「私はミコトとこのまま暮らすのは素敵と思うよ」
「私も素敵と思うけど、この本の中じゃなくても……」
と、ミコトが少し困った顔で答えていると、またドンッと物音が聞こえ、ぎゅっとノエルの服をつかむ
「また……」
恐る恐る辺りを見渡すミコト。すると、今度はブワッと足元から強い風が吹いたと思ったらすぐ横から強い風が吹いた。バサバサとノエルの服が大きく揺れ、つかんでいた手が離れそうになり、両手で掴もうジタバタと動く。だが、一瞬一段と強く吹いた風のせいで、服をつかんでいた手が離れた
「えっ……」
ミコトの声と、服をつかまれていた感覚が消え、ノエルが慌てて振り向くと、手を伸ばしたミコトが少しずつノエルの側から離れていた
「ミコト!」
慌てて追いかけ手を伸ばすが、それよりも早くミコトの姿が段々と小さく遠くなっていく。手が届かずノエルが呆然としていると、本や光の粒が二人を後を追いかけてきたのか、ノエルの周りをふわりと浮かんでいる
「お願い!ミコトを助けて!」
ノエルの叫び声に、本達がバサバサと音をたて、ノエルの横を通りすぎ、あちらこちらへと飛んでいった。その様子を見届けた後、残った光の粒がノエルの周りに集まってきた。ふと、一番近くにある光の中を見ると、空を見上げ不思議そうな顔をして首をかしげる女子生徒の姿が見えた。それを見て、フフッと笑うとまだ残っていた本に近づき、本を作ろうと手を伸ばすが、突然ふらっとめまいが起きて、ペタンと座り込んでしまった
「さすがに魔力が足りないか……」
困ったように笑うとゆっくりと体を起こしてまた本に手を伸ばすと、すぐに本が現れて、ノエルの頭の上まで浮かぶと、ふわりと飛んでどこかへ行ってしまった。それを見て、ふぅ。と一つ深呼吸をすると、また本に手を伸ばし、グッと歯を食い縛り呟いた
「ミコトは本を増やせば助けられるはず。その前に、魔力が持てばいいけど……」
バタンと本を閉じた後、またふわり浮かぶ本に触れ、新たな本が現れては本を確認すると、また本に振れるを繰り返すノエルにミコトが問いかける
「本を作ってる」
「なんで?」
「だって、一冊じゃあ収まらないから」
そう言うと本をパッと手放す。すると、二人の周りにある光の粒と共に、ふわふわと浮かぶ
「でも、こんなに……」
「今までの学園の術を本に書いているからね。この何倍、何十倍の本がいるよ」
「ノエル一人の魔力じゃあ足りないでしょ」
「本に書いている術の魔力を、かき集めればなんとかなるよ」
「それでも……」
ノエルの言葉を聞いて余計に不安になるミコトの側に、本が一冊横を通りその本を取ろうと手を伸ばしたその時、ドンッと大きな物音が聞こえ、驚いて伸ばした手を引っ込め、ノエルの服をつかんでいた手も少し緩んだ
「離れちゃダメだよ」
「ごめん……」
注意されて、慌てて服をつかみ直している間にも、物々しい音が何処からともなく聞こえてくる
「本の外で何か起きているのかもね。ノア達が本を守ってくれてるといいけど」
「……もし、守れなかったら?」
「一生この本の中かな」
クスッと笑って答えるノエル。ミコトはそれを聞いて少しうつ向く。それに気づいたノエルがまた微笑んで顔をミコトの方に向けた
「私はミコトとこのまま暮らすのは素敵と思うよ」
「私も素敵と思うけど、この本の中じゃなくても……」
と、ミコトが少し困った顔で答えていると、またドンッと物音が聞こえ、ぎゅっとノエルの服をつかむ
「また……」
恐る恐る辺りを見渡すミコト。すると、今度はブワッと足元から強い風が吹いたと思ったらすぐ横から強い風が吹いた。バサバサとノエルの服が大きく揺れ、つかんでいた手が離れそうになり、両手で掴もうジタバタと動く。だが、一瞬一段と強く吹いた風のせいで、服をつかんでいた手が離れた
「えっ……」
ミコトの声と、服をつかまれていた感覚が消え、ノエルが慌てて振り向くと、手を伸ばしたミコトが少しずつノエルの側から離れていた
「ミコト!」
慌てて追いかけ手を伸ばすが、それよりも早くミコトの姿が段々と小さく遠くなっていく。手が届かずノエルが呆然としていると、本や光の粒が二人を後を追いかけてきたのか、ノエルの周りをふわりと浮かんでいる
「お願い!ミコトを助けて!」
ノエルの叫び声に、本達がバサバサと音をたて、ノエルの横を通りすぎ、あちらこちらへと飛んでいった。その様子を見届けた後、残った光の粒がノエルの周りに集まってきた。ふと、一番近くにある光の中を見ると、空を見上げ不思議そうな顔をして首をかしげる女子生徒の姿が見えた。それを見て、フフッと笑うとまだ残っていた本に近づき、本を作ろうと手を伸ばすが、突然ふらっとめまいが起きて、ペタンと座り込んでしまった
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「ミコトは本を増やせば助けられるはず。その前に、魔力が持てばいいけど……」
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