123 / 136
123. 光と本の中に
しおりを挟む
「これ、どうなっているのかな……」
ノエルの手から離れた後、真っ暗な中を一人いるミコト。背中を下に落ちているのか、止まっているのか分からないままでいた
「落ちてるかもしれないけど、まあいっか」
と、そーっと体を起こす、地面に足がついているか確認するが、その感触はなくちょっと戸惑う。そして、足や手を触り体に変化がなさそうなことに、ふぅ。と一つため息をついて、変わらず暗い辺りを見渡す
「ノエルー。近くにいるの?」
大声でノエルを呼ぶが返事はなく、今度ははぁ。とため息をつくと、また辺りを見渡した
「どうしよう……。術は使えないし……」
しばらくその場から動かずノエルを待つが、物音一つせず、段々と不安が増えていく
「ノエルー、どこにいるの?」
と、また大声で呼ぶが、相変わらず返事は帰ってこない
「あの本の側にいるとは思うんだけど……。困ったなぁ」
そう独り言を呟くと、ノエルを探そうと、そーっとゆっくりながら歩き始めたが、少し進んで辺りに変化がなく暗いままで、すぐ歩くのを止め、ふと上を見上げた
「あれ?あの光は…」
見上げた場所からふわりふわりと小さな光が落ちてきて、ミコトの側に止まった小さな光。手のひらに乗せて、その光を見ると、ノエルと見た光の中と同じ光景が見えた
「ねえ、後ろからドンってしたら、術が止まるんじゃない?」
その頃、大きな本を囲む大人達を見てナギがノアにこそっと話しかけていた
「そんなことしたら、中にいるノエルとミコトに何か起きるでしょ」
呆れたように返事をするノア。二人の会話を聞いていたモカとモナカも苦笑いをする
「……全てはこの本の中に」
ナギの妨害が聞こえていないのか、本の周りでは、どんどんと魔力が集まり、壁の隅にいた生徒会長達がその力に怯えていた
「我々の魔力も後少し、というところかな」
「そうだな」
「こうなると名残惜しいものだ」
「すぐに戻るさ。本がきちんと本として成り立つのなら」
本を見ながら険しい顔をしたり微笑む姿にナギが怯えた顔でノアの服をつかんだ
「……何を話しているのかな」
「んー、何をといえば難しいですね」
クスッと笑うような声でナギに答えたクリス。いつの間にか近くにいたクリスに驚いたナギが足を躓かせ、ノアと一緒に転びそうになった
「みなさんの魔力はありそうですね。さすがに各学園の生徒会長や成績優秀者が集まっているだけあります」
慌ててナギをノアを支えるモカとモナカを見ながらクリスがそう言うと、不安そうな顔をしている生徒会長達を見て微笑みながら近づいていく
「さて、みなさんには少々危険を伴いますが、 二人を助ける手伝いをしてもらいましょうか」
ノエルの手から離れた後、真っ暗な中を一人いるミコト。背中を下に落ちているのか、止まっているのか分からないままでいた
「落ちてるかもしれないけど、まあいっか」
と、そーっと体を起こす、地面に足がついているか確認するが、その感触はなくちょっと戸惑う。そして、足や手を触り体に変化がなさそうなことに、ふぅ。と一つため息をついて、変わらず暗い辺りを見渡す
「ノエルー。近くにいるの?」
大声でノエルを呼ぶが返事はなく、今度ははぁ。とため息をつくと、また辺りを見渡した
「どうしよう……。術は使えないし……」
しばらくその場から動かずノエルを待つが、物音一つせず、段々と不安が増えていく
「ノエルー、どこにいるの?」
と、また大声で呼ぶが、相変わらず返事は帰ってこない
「あの本の側にいるとは思うんだけど……。困ったなぁ」
そう独り言を呟くと、ノエルを探そうと、そーっとゆっくりながら歩き始めたが、少し進んで辺りに変化がなく暗いままで、すぐ歩くのを止め、ふと上を見上げた
「あれ?あの光は…」
見上げた場所からふわりふわりと小さな光が落ちてきて、ミコトの側に止まった小さな光。手のひらに乗せて、その光を見ると、ノエルと見た光の中と同じ光景が見えた
「ねえ、後ろからドンってしたら、術が止まるんじゃない?」
その頃、大きな本を囲む大人達を見てナギがノアにこそっと話しかけていた
「そんなことしたら、中にいるノエルとミコトに何か起きるでしょ」
呆れたように返事をするノア。二人の会話を聞いていたモカとモナカも苦笑いをする
「……全てはこの本の中に」
ナギの妨害が聞こえていないのか、本の周りでは、どんどんと魔力が集まり、壁の隅にいた生徒会長達がその力に怯えていた
「我々の魔力も後少し、というところかな」
「そうだな」
「こうなると名残惜しいものだ」
「すぐに戻るさ。本がきちんと本として成り立つのなら」
本を見ながら険しい顔をしたり微笑む姿にナギが怯えた顔でノアの服をつかんだ
「……何を話しているのかな」
「んー、何をといえば難しいですね」
クスッと笑うような声でナギに答えたクリス。いつの間にか近くにいたクリスに驚いたナギが足を躓かせ、ノアと一緒に転びそうになった
「みなさんの魔力はありそうですね。さすがに各学園の生徒会長や成績優秀者が集まっているだけあります」
慌ててナギをノアを支えるモカとモナカを見ながらクリスがそう言うと、不安そうな顔をしている生徒会長達を見て微笑みながら近づいていく
「さて、みなさんには少々危険を伴いますが、 二人を助ける手伝いをしてもらいましょうか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる