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50. 目覚まし代わりの声に誘われて
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「あれ?この本は魔術が書かれてないじゃない。なんでわざわざ、この本を盗んだの?」
ミナモが奪ったレアスの本を読むリンの側で、クロウに寄り添うように座るミナモ。疲れてうつ向いていた顔をゆっくりと上げ、リンを見ながら呟くように答えた
「僕の意思じゃない。本棚が欲しいと言ったからだ」
「……そう」
返事を聞いて、再び本を読みはじめたリン。すると、休んでいたミナモが体を起こてリンに手を伸ばした
「分かったら、さっさと返して」
「それは困るかな。ちょっと僕も読みたいし」
「それなら、最初からそう言え」
「だって、言っても渡さないでしょ」
クスッと笑って言い返すと、ムッとしたのかミナモが顔を背けていると、リンがパタンと本を閉じた。その音が聞こえたのか、リンの隣で臥せって休んでいたメルガが顔を見上げた。メルガの視線に気づいたリンが頭を撫でた
「ミナモ、僕はそろそろ帰るよ」
そう言うと、メルガの背中に乗りふわり浮かんだ
「ちょっと待てリン。その本を……」
呼び止めるミナモの声に、振り返りクスッと笑って答えるリン。追いかける前に見えなくなったリンの姿に、はぁ。とため息ついた
「クロウ、こっちも帰ろう。早く本の報告をしなきゃ……」
「よく寝た!レアス、おはよう!」
明朝、一番に起きたツムギが、ベッドから降りるなり、まだ眠るレアス達に向かって大声で叫んでいる
「ルトもララも起きて。朝ご飯作らないと!」
レアスの体を揺すりながら、まだ眠るルトとララに叫ぶツムギ。そのうるささに観念したレアスが、ゆっくりと体を起こした
「朝から元気ね……」
「うん、たくさん眠ったから……って、ああっ!」
突然頭を抱えて叫んだツムギ。その大声に、寝ぼけていたルトとララが驚いて目を覚ました
「……なに?」
「髪、乾かさないで寝ちゃったから髪の毛はねてる……。洗面所借りるね!」
レアスの返事を聞く前にバタバタと大慌てで洗面所に向かっていったツムギ。洗面所に入るまで聞こえた足音に、思わずため息が出た
「本当、朝から元気ね」
残されて少ししょんぼりするルトの頭を撫でながらそう呟いていると、それを見たララがルトに嫉妬して頬をつねり、喧嘩が始まった。そんなルトとララを横目に部屋を出ていったレアス。一階へと降りていく途中にも、ルトとララが、騒ぐ物音が聞こえている
「おはよう、お母様……」
本棚の部屋に着いて本棚に話しかけながら、部屋の中を歩くレアス。ふと、昨日と本棚が違うことに気づいて足を止めた
「本が戻ってきてる?」
近くにある本棚を見渡して置くにある本棚にも目を通していく。だが、本が戻ってきていると確証がなく、はぁ。とため息をついて、重い足取りで本棚の部屋へと戻っていった
「お待たせ!髪、直してきたよ!……ってあれ?」
その頃、洗面所から戻ってきたツムギが、バンッとレアスの部屋の扉を勢いよく開けながら、大声でレアスに話しかけていた。だが、部屋にはレアスは居らず、喧嘩し疲れてベッドで休むルトとララがいた
「本棚の部屋に行ったのかな?」
どこかに隠れてないかと、部屋の中を見渡していると、ふと机に置いたレアスの本に気づいた
「忘れてた。預かった本、持っておかなきゃ」
レアスの本を手に取った時、ガチャと扉の開く音が聞こえて振り向くと、レアスが部屋に戻ってきた
「おかえり!」
笑顔で出迎えたツムギに、少し驚いて部屋の入り口で固まるレアス。呆れながらもツムギに返事をした
「ここは私の部屋よ……」
レアスの言葉を聞いてすぐツムギが、本を手に持ったまま、レアスの手をぎゅっと強くつかんで、そのままリビングへと走り出した
「髪も直ったからお腹空いたから朝ご飯、みんなで食べよう。レアスも一緒にご飯作ってね!」
ミナモが奪ったレアスの本を読むリンの側で、クロウに寄り添うように座るミナモ。疲れてうつ向いていた顔をゆっくりと上げ、リンを見ながら呟くように答えた
「僕の意思じゃない。本棚が欲しいと言ったからだ」
「……そう」
返事を聞いて、再び本を読みはじめたリン。すると、休んでいたミナモが体を起こてリンに手を伸ばした
「分かったら、さっさと返して」
「それは困るかな。ちょっと僕も読みたいし」
「それなら、最初からそう言え」
「だって、言っても渡さないでしょ」
クスッと笑って言い返すと、ムッとしたのかミナモが顔を背けていると、リンがパタンと本を閉じた。その音が聞こえたのか、リンの隣で臥せって休んでいたメルガが顔を見上げた。メルガの視線に気づいたリンが頭を撫でた
「ミナモ、僕はそろそろ帰るよ」
そう言うと、メルガの背中に乗りふわり浮かんだ
「ちょっと待てリン。その本を……」
呼び止めるミナモの声に、振り返りクスッと笑って答えるリン。追いかける前に見えなくなったリンの姿に、はぁ。とため息ついた
「クロウ、こっちも帰ろう。早く本の報告をしなきゃ……」
「よく寝た!レアス、おはよう!」
明朝、一番に起きたツムギが、ベッドから降りるなり、まだ眠るレアス達に向かって大声で叫んでいる
「ルトもララも起きて。朝ご飯作らないと!」
レアスの体を揺すりながら、まだ眠るルトとララに叫ぶツムギ。そのうるささに観念したレアスが、ゆっくりと体を起こした
「朝から元気ね……」
「うん、たくさん眠ったから……って、ああっ!」
突然頭を抱えて叫んだツムギ。その大声に、寝ぼけていたルトとララが驚いて目を覚ました
「……なに?」
「髪、乾かさないで寝ちゃったから髪の毛はねてる……。洗面所借りるね!」
レアスの返事を聞く前にバタバタと大慌てで洗面所に向かっていったツムギ。洗面所に入るまで聞こえた足音に、思わずため息が出た
「本当、朝から元気ね」
残されて少ししょんぼりするルトの頭を撫でながらそう呟いていると、それを見たララがルトに嫉妬して頬をつねり、喧嘩が始まった。そんなルトとララを横目に部屋を出ていったレアス。一階へと降りていく途中にも、ルトとララが、騒ぐ物音が聞こえている
「おはよう、お母様……」
本棚の部屋に着いて本棚に話しかけながら、部屋の中を歩くレアス。ふと、昨日と本棚が違うことに気づいて足を止めた
「本が戻ってきてる?」
近くにある本棚を見渡して置くにある本棚にも目を通していく。だが、本が戻ってきていると確証がなく、はぁ。とため息をついて、重い足取りで本棚の部屋へと戻っていった
「お待たせ!髪、直してきたよ!……ってあれ?」
その頃、洗面所から戻ってきたツムギが、バンッとレアスの部屋の扉を勢いよく開けながら、大声でレアスに話しかけていた。だが、部屋にはレアスは居らず、喧嘩し疲れてベッドで休むルトとララがいた
「本棚の部屋に行ったのかな?」
どこかに隠れてないかと、部屋の中を見渡していると、ふと机に置いたレアスの本に気づいた
「忘れてた。預かった本、持っておかなきゃ」
レアスの本を手に取った時、ガチャと扉の開く音が聞こえて振り向くと、レアスが部屋に戻ってきた
「おかえり!」
笑顔で出迎えたツムギに、少し驚いて部屋の入り口で固まるレアス。呆れながらもツムギに返事をした
「ここは私の部屋よ……」
レアスの言葉を聞いてすぐツムギが、本を手に持ったまま、レアスの手をぎゅっと強くつかんで、そのままリビングへと走り出した
「髪も直ったからお腹空いたから朝ご飯、みんなで食べよう。レアスも一緒にご飯作ってね!」
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