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82. あまり好きじゃないから
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「さてと僕らはどうしようか」
無事本の中に入りツムギ達の姿が消えて、ホッと胸を撫で下ろしながら、リンがミナモに声をかけると、クロウがミナモの側にゆっくりと降りて、頭を優しく撫でてもらってもらっていた
「じきに雨が降る。本が濡れても困るからな。これ以上何も出来ないし、帰ってくるのを待つしかないな」
と、ツムギ達が居た場所に、一冊の本がふわりと浮かんでいるのを見たミナモ。同じくリンも本を見てふぅ。と深呼吸をした
「なら、紅茶でも……」
と、少し一息入れようとミナモに話しかけた時、バタバタとたくさんの足音が聞こえてきて、音のする方に振り向くとたくさんの人たちが次々と入ってきた
「リン、ミナモ。何をしている」
一番最後に入ってきた老人が、二人の姿を見て怪訝な顔をしている
「珍しいですね、こんな時間に皆さんで来るなんて……」
その表情を見て、リンがクスッと笑い、ミナモは嫌そうな顔をして老人や本棚を触る人達を見ている
「ミナモから話を聞いてな。雨が降る前に色々聞いて終わらそうかと思ってな」
「何を聞くんです?」
と、リンが不思議そうに問いかけていると、本棚を調べていた人達が慌てた様子で老人に向かって叫んだ
「ここの本棚もそうです!どうしますか?」
「今すぐ本棚を封印しろ。これ以上被害が出る前に、本と本棚を止めろ」
「封印?ノスカ、なんで急に?」
今度はミナモが怪訝な顔をして、ノスカという老人に問いかけると、近くにいた人が、代わりにと話をした
「あちらこちらで本が無くなっているんです。本棚も消えてて……」
「ミナモから話を聞いてすぐから、各地で報告があってな」
ノスカがそう言うと、とても大きな本が目の前に現れ、それを見て、リンが少し慌てだした
「待ってください。本の中にはメルガが……」
本を読もうとするノスカを止めようとリンが声をかけると、部屋の奥からドンッと大きな音と同時に、ポツポツと天井から雨粒が落ちてきた
「雨が……」
そう呟いている間にも、だんだんと雨粒が強くなり、濡れていく本棚と本に慌てだす人達。ミナモとリンも濡れていくメルガ達が入った本に慌てだす
「クロウ、メルガ達が入った本を守れ」
ミナモの言葉に、バサッと大きな翼を広げ、ツムギ達の入った本を翼に隠すように、ぎゅっと抱きしめると、ミナモの所に戻ってきた。ホッと胸を撫で下ろすリンとは違い、ミナモはあまり浮かない顔でクロウを撫でながら、リンにポツリと呟くように話しかけた
「クロウは、あまり雨は好きじゃないから、長時間は本を守れない。本が濡れて読めなくなれば、メルガだけでなく、全員帰って来れなくなる。早々にどうにかしないと……」
無事本の中に入りツムギ達の姿が消えて、ホッと胸を撫で下ろしながら、リンがミナモに声をかけると、クロウがミナモの側にゆっくりと降りて、頭を優しく撫でてもらってもらっていた
「じきに雨が降る。本が濡れても困るからな。これ以上何も出来ないし、帰ってくるのを待つしかないな」
と、ツムギ達が居た場所に、一冊の本がふわりと浮かんでいるのを見たミナモ。同じくリンも本を見てふぅ。と深呼吸をした
「なら、紅茶でも……」
と、少し一息入れようとミナモに話しかけた時、バタバタとたくさんの足音が聞こえてきて、音のする方に振り向くとたくさんの人たちが次々と入ってきた
「リン、ミナモ。何をしている」
一番最後に入ってきた老人が、二人の姿を見て怪訝な顔をしている
「珍しいですね、こんな時間に皆さんで来るなんて……」
その表情を見て、リンがクスッと笑い、ミナモは嫌そうな顔をして老人や本棚を触る人達を見ている
「ミナモから話を聞いてな。雨が降る前に色々聞いて終わらそうかと思ってな」
「何を聞くんです?」
と、リンが不思議そうに問いかけていると、本棚を調べていた人達が慌てた様子で老人に向かって叫んだ
「ここの本棚もそうです!どうしますか?」
「今すぐ本棚を封印しろ。これ以上被害が出る前に、本と本棚を止めろ」
「封印?ノスカ、なんで急に?」
今度はミナモが怪訝な顔をして、ノスカという老人に問いかけると、近くにいた人が、代わりにと話をした
「あちらこちらで本が無くなっているんです。本棚も消えてて……」
「ミナモから話を聞いてすぐから、各地で報告があってな」
ノスカがそう言うと、とても大きな本が目の前に現れ、それを見て、リンが少し慌てだした
「待ってください。本の中にはメルガが……」
本を読もうとするノスカを止めようとリンが声をかけると、部屋の奥からドンッと大きな音と同時に、ポツポツと天井から雨粒が落ちてきた
「雨が……」
そう呟いている間にも、だんだんと雨粒が強くなり、濡れていく本棚と本に慌てだす人達。ミナモとリンも濡れていくメルガ達が入った本に慌てだす
「クロウ、メルガ達が入った本を守れ」
ミナモの言葉に、バサッと大きな翼を広げ、ツムギ達の入った本を翼に隠すように、ぎゅっと抱きしめると、ミナモの所に戻ってきた。ホッと胸を撫で下ろすリンとは違い、ミナモはあまり浮かない顔でクロウを撫でながら、リンにポツリと呟くように話しかけた
「クロウは、あまり雨は好きじゃないから、長時間は本を守れない。本が濡れて読めなくなれば、メルガだけでなく、全員帰って来れなくなる。早々にどうにかしないと……」
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