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90. 本と雨が降り注いできたら
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「もうちょっと離れたら、休めるはず……」
レアスを引っ張り、ユラユラと落ち着きなく飛び続けるツムギ。視界はずっと白く行く宛も特に無いまま、飛び続けていると、突然頭にゴンッと何かが当たり、その衝撃と痛みにフラフラと地面に降りていった
「もー、また本が……。レアス、大丈夫?」
地面に降りてすぐ本を見つけて、痛そうに頭を擦りながらレアスに声をかけると、ツムギの頭に当たって落ちた本を見つめていた
「レアス……」
恐る恐る声をかけてみても、レアスは振り向くことなく本をまだ見つめている
「ねぇ、レアス。私、お母さんに会っていたのに忘れてたんだね、ごめんね」
ツムギの言葉にレアスが少し振り向くが、すぐに顔を背けて、落ちている本を広いページをめくりだした
「あれ?この本……」
ツムギがレアスの横から覗き込むように本を見て、不思議そうに顔をかしげていると、ポツンとまた頭に何かが当たった
「今度はなに?」
少し怒り気味に見上げると、ポツポツと雨が、降り注いできた
「えっ、雨?」
と、少し戸惑ってると、どんどん雨粒が強くなって、ツムギとレアスの服が少しずつ濡れはじめた
「ルトとララが濡れちゃう……どうしよう、どこか雨の当たらない場所……」
ルトを濡れないように抱きしめ、雨に当たらなそうな場所を探して、辺りをキョロキョロと見渡すが、周りに雨宿りの出来そうな場所はなく、はぁ。とため息ついていると、レアスが雨に顔を当てるように上を向いていた
「レアス、どうしたの?」
「……本が消える」
「本が?あるけど……」
と、落ちてきた本を拾いレアスに渡そうとすると、逆にレアスにララを手渡された
「ララを守ってて!」
そう言うと呆然としているツムギを置いて、飛んで来た場所を戻りだした
「レアス!」
慌てて大声で呼び止めても、振り向くことなく走り続けるレアスの姿が、ふと消えてしまった
「え、どうしよう……」
一人残され、戸惑うツムギ。レアスの後を追いかけようかとしたその時、ツムギの側にコツンと小さな物音が聞こえて、音のする方に振り向くとリンとミナモが側に立っていた
「ツムギ君、やっと見つけましたよ」
「リン先生……。なんで?」
「一人ですか?レアス君は……」
「えっと……」
どう言おうか悩んだその時、ツムギの頭に今度はバンッと強く何かが当たる感覚が来て、あまりの痛さにペタンと座りこんだ
「なんで私ばっかりに……」
頭を擦って、しょんぼりとしているとツムギの顔の横から心配そうに見つめるメルガがいた
「メルガ!どこ行ってたの?心配したよ!」
そう言いながら、メルガの姿を見るなり、ルトをメルガに挟むようにしてぎゅっと強く抱きしめた。メルガもツムギに会えて嬉しそうに、頭を頬に擦り寄せた
「もう回復したんですか?だいぶ早いような……」
そんなツムギとメルガの様子を、リンが不思議そうに見ていると、少し遅れて来たノスカがクロウと一緒にリン達の元にやって来るなり、リンの言葉が聞こえたのか、ため息まじりに話しかけた
「クロウとメルガの回復を集中的にするように言ったら、術者の二人とも一気にほとんど奪ってな。みんな水浸しのあの部屋で倒れている。そのせいで、収まりつつあった雨が更に強くなってしまった。早々に終わらせよう」
レアスを引っ張り、ユラユラと落ち着きなく飛び続けるツムギ。視界はずっと白く行く宛も特に無いまま、飛び続けていると、突然頭にゴンッと何かが当たり、その衝撃と痛みにフラフラと地面に降りていった
「もー、また本が……。レアス、大丈夫?」
地面に降りてすぐ本を見つけて、痛そうに頭を擦りながらレアスに声をかけると、ツムギの頭に当たって落ちた本を見つめていた
「レアス……」
恐る恐る声をかけてみても、レアスは振り向くことなく本をまだ見つめている
「ねぇ、レアス。私、お母さんに会っていたのに忘れてたんだね、ごめんね」
ツムギの言葉にレアスが少し振り向くが、すぐに顔を背けて、落ちている本を広いページをめくりだした
「あれ?この本……」
ツムギがレアスの横から覗き込むように本を見て、不思議そうに顔をかしげていると、ポツンとまた頭に何かが当たった
「今度はなに?」
少し怒り気味に見上げると、ポツポツと雨が、降り注いできた
「えっ、雨?」
と、少し戸惑ってると、どんどん雨粒が強くなって、ツムギとレアスの服が少しずつ濡れはじめた
「ルトとララが濡れちゃう……どうしよう、どこか雨の当たらない場所……」
ルトを濡れないように抱きしめ、雨に当たらなそうな場所を探して、辺りをキョロキョロと見渡すが、周りに雨宿りの出来そうな場所はなく、はぁ。とため息ついていると、レアスが雨に顔を当てるように上を向いていた
「レアス、どうしたの?」
「……本が消える」
「本が?あるけど……」
と、落ちてきた本を拾いレアスに渡そうとすると、逆にレアスにララを手渡された
「ララを守ってて!」
そう言うと呆然としているツムギを置いて、飛んで来た場所を戻りだした
「レアス!」
慌てて大声で呼び止めても、振り向くことなく走り続けるレアスの姿が、ふと消えてしまった
「え、どうしよう……」
一人残され、戸惑うツムギ。レアスの後を追いかけようかとしたその時、ツムギの側にコツンと小さな物音が聞こえて、音のする方に振り向くとリンとミナモが側に立っていた
「ツムギ君、やっと見つけましたよ」
「リン先生……。なんで?」
「一人ですか?レアス君は……」
「えっと……」
どう言おうか悩んだその時、ツムギの頭に今度はバンッと強く何かが当たる感覚が来て、あまりの痛さにペタンと座りこんだ
「なんで私ばっかりに……」
頭を擦って、しょんぼりとしているとツムギの顔の横から心配そうに見つめるメルガがいた
「メルガ!どこ行ってたの?心配したよ!」
そう言いながら、メルガの姿を見るなり、ルトをメルガに挟むようにしてぎゅっと強く抱きしめた。メルガもツムギに会えて嬉しそうに、頭を頬に擦り寄せた
「もう回復したんですか?だいぶ早いような……」
そんなツムギとメルガの様子を、リンが不思議そうに見ていると、少し遅れて来たノスカがクロウと一緒にリン達の元にやって来るなり、リンの言葉が聞こえたのか、ため息まじりに話しかけた
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