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24. 去る後ろ姿を見届けて
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「うーん、困ったなぁ、どうしよう……」
ルカやミナモの本棚のある場所から出たノドカが、気持ちを落ち着かせるために飲んでいた飲み物を持ちながら、街中をウロウロと歩いていた。はぁ。とため息ついて、近くにあった椅子に座り飲み物を一口飲んでいると、ちょうど通りかかったミツキがノドカを見つけて声をかけた
「父さん、こんな所で何しているんだ?」
「ミツキ。ちょうどいい所に来たね。ちょっと助けてくれる?」
「……なに?」
困り顔だったのが、ミツキを見てニコニコと微笑みだすノドカに、今度はミツキが不安そうに困り顔で返事をすると、ノドカが座る椅子の隣をポンッと叩いて、座るように諭した
「ミナモ君とルカくんの本棚の捜索を、僕の本に頼んだんだけど、帰ってくる気配がないんだ。ちょっと探してもらえる?」
「探すのはいいけれど……」
「そうだよねぇ、だから困ってるんだ」
と、隣に座りながらそう返事をするミツキの言葉を聞いて、困ったように微笑み飲み物を飲むと、ミツキが来た道の方から何だか騒がしい声が聞こえてきた。その声のする方を見ると、アカリやヒカリ達が騒がしく会話をしていた。その様子にミツキが呆れた顔をして、ノドカはニコニコと微笑んでいると、二人に気づいたアカリが嬉しそうなに駆け寄ってきた
「お父さん、お兄ちゃんと何しているの?」
エヘヘと笑って話しかけるアカリの隣で、ヒカリ達が騒がしく話をしている
「休憩だよ。アカリもどうしたの?」
ヒカリ達の様子を見てクスッと笑いながらノドカが返事をすると、一番騒がしいヒカリを止めるように、アカリがぎゅっと抱きしめた
「ヒカリ達が、本棚を見に行くって言うから、また一緒に探しに行こうかなって思って。ルカもミナモくんも家にいないから、もしかしたら、二人ともいるかもしれないし」
「二人ともって、家にいないの?」
「うん、見てないよね?」
「そうだね、僕は見てないけど……」
アカリの問いかけに否定すると、隣のミツキの方に振り向くと、ノドカが飲んでいた飲み物を取り飲んでいたミツキが首を横に振った
「そっか……」
二人の返事を聞いて、アカリがしょんぼりとうつ向いていると、抱きしめられていたヒカリが無理やり腕から離れた
「アカリ、そろそろ行くわよ」
「うん、お父さん、お兄ちゃん、じゃあまた後でね」
そう言うと、手を振り去っていったアカリ。結局またヒカリ達の騒ぐ声が響く中、本棚の方へと走っていくその様子に、ミツキがはぁ。とため息をついて椅子から立ち上がった
「カグヤを探してくる。一緒に探せば迷うことはないはずだから」
「ありがとう。助かるよ」
去っていくミツキの後ろ姿を見ていると、人混みの中から、ノドカを見つけた女性がこちらに近づいてきた
「ノドカさん。頼んでいた本、見つけましたよ!」
と、本棚の受付の女性が、大量の本を持ちパタパタと靴の音をたてノドカに駆け寄ると、ミツキが座っていた場所にドサッと持ってきた本を置いて、ふぅ。とため息をついた
「スズさんも、ルカさんのお母さんの本棚で同じようなことをしてたんですね」
「まあ、イタズラでね。たっぷり怒られたみたいだけど」
「では、私はこれで」
クスクスと笑うノドカに、つられて女性もクスッと微笑むと、ペコリと頭を下げるとまた、パタパタと足音をたてて去っていく女性に手を振り見送ると、椅子から立ち上がり、置いていった本に手を置いた。すると、たくさんあった本が消えた
「さてと、ミツキが見つけてくれる間に、僕は昔話を聞きに行こうかな」
ルカやミナモの本棚のある場所から出たノドカが、気持ちを落ち着かせるために飲んでいた飲み物を持ちながら、街中をウロウロと歩いていた。はぁ。とため息ついて、近くにあった椅子に座り飲み物を一口飲んでいると、ちょうど通りかかったミツキがノドカを見つけて声をかけた
「父さん、こんな所で何しているんだ?」
「ミツキ。ちょうどいい所に来たね。ちょっと助けてくれる?」
「……なに?」
困り顔だったのが、ミツキを見てニコニコと微笑みだすノドカに、今度はミツキが不安そうに困り顔で返事をすると、ノドカが座る椅子の隣をポンッと叩いて、座るように諭した
「ミナモ君とルカくんの本棚の捜索を、僕の本に頼んだんだけど、帰ってくる気配がないんだ。ちょっと探してもらえる?」
「探すのはいいけれど……」
「そうだよねぇ、だから困ってるんだ」
と、隣に座りながらそう返事をするミツキの言葉を聞いて、困ったように微笑み飲み物を飲むと、ミツキが来た道の方から何だか騒がしい声が聞こえてきた。その声のする方を見ると、アカリやヒカリ達が騒がしく会話をしていた。その様子にミツキが呆れた顔をして、ノドカはニコニコと微笑んでいると、二人に気づいたアカリが嬉しそうなに駆け寄ってきた
「お父さん、お兄ちゃんと何しているの?」
エヘヘと笑って話しかけるアカリの隣で、ヒカリ達が騒がしく話をしている
「休憩だよ。アカリもどうしたの?」
ヒカリ達の様子を見てクスッと笑いながらノドカが返事をすると、一番騒がしいヒカリを止めるように、アカリがぎゅっと抱きしめた
「ヒカリ達が、本棚を見に行くって言うから、また一緒に探しに行こうかなって思って。ルカもミナモくんも家にいないから、もしかしたら、二人ともいるかもしれないし」
「二人ともって、家にいないの?」
「うん、見てないよね?」
「そうだね、僕は見てないけど……」
アカリの問いかけに否定すると、隣のミツキの方に振り向くと、ノドカが飲んでいた飲み物を取り飲んでいたミツキが首を横に振った
「そっか……」
二人の返事を聞いて、アカリがしょんぼりとうつ向いていると、抱きしめられていたヒカリが無理やり腕から離れた
「アカリ、そろそろ行くわよ」
「うん、お父さん、お兄ちゃん、じゃあまた後でね」
そう言うと、手を振り去っていったアカリ。結局またヒカリ達の騒ぐ声が響く中、本棚の方へと走っていくその様子に、ミツキがはぁ。とため息をついて椅子から立ち上がった
「カグヤを探してくる。一緒に探せば迷うことはないはずだから」
「ありがとう。助かるよ」
去っていくミツキの後ろ姿を見ていると、人混みの中から、ノドカを見つけた女性がこちらに近づいてきた
「ノドカさん。頼んでいた本、見つけましたよ!」
と、本棚の受付の女性が、大量の本を持ちパタパタと靴の音をたてノドカに駆け寄ると、ミツキが座っていた場所にドサッと持ってきた本を置いて、ふぅ。とため息をついた
「スズさんも、ルカさんのお母さんの本棚で同じようなことをしてたんですね」
「まあ、イタズラでね。たっぷり怒られたみたいだけど」
「では、私はこれで」
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