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第22話 4M変化点管理の徹底っていうけどさ
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現在冒険者ギルドの会議室にて、定例のミーティングが行われている。
どんな時に事故が起こりやすいのかということから、それを対策してクエストの成功率を上昇させようというのだ。
以前にも説明したように、冒険者のクエストの成功率が冒険者ギルドの収入に影響するので、冒険者ギルドとしてもなんとか成功率を上昇させたいのだ。
「品質管理の観点から言うならば、4M変化があった時こそ注意すべきですね」
俺は自分の分かる範囲で発言する。
「4M?」
会議室のあちこちでざわざわとし始める。
4Mという言葉を知らないのだろう。
「4Mとは、人(MAN)、物(MATERIAL)、機械(MACHINE)、方法(METHOD)のことです。パーティーメンバーが変われば、今までの連携ができるのか確認が必要ですし、武器が新しくなればその使い勝手を確認する必要があります。戦術が変わればそれもその効果の確認が必要でしょう」
品質管理の4Mを冒険者に置き換えて説明する。
まあ、大体あっているだろう。
工場の生産活動に限らず、ミスが出る時というのは4M変化がある事が殆どだ。
初めて買う品種の米を炊いた時に、水の量をいつもと同じにしたらベチャベチャになったり、右ハンドルの車から左ハンドルの車に乗り換えたら、ウインカーとワイパーのスイッチを間違ったり。
他にも例を上げればきりがない。
変化点管理はそれくらい重要なのだ。
しかし、冒険の4Mで物ってなんだろうな。
モンスターでいいのかな?
初見のモンスターに出会ったら危険度は高くなるとか、ゴブリンばっかり相手にしていたらスライムが襲ってきたとか。
そうするとMATERIALじゃなくてMONSTERのMだな。
「つまり、いつもと違う事があるなら、冒険に出る前に確認をしろということかい」
流石ギルド長だ、理解が早い。
「初心者であればそうでしょうね。ある程度の等級であれば、迷宮内の浅い階層で実戦での確認でも良いと思います」
「それをどうやってシステム化するかだね」
「はい」
そうなのだ、単に気をつけようだと、漠然としすぎていて効果が出ないのだ。
具体的なチェックシートなどがあって、初めてそれは効果を発揮する。
どこの会社でも4M変化点発生時には、どういった手順で確認するのか明確にルールが決めてあるのだ。
それでも不具合が撲滅できないのだが。
あれやこれやと事例を上げればきりがないが、具体的なことはコンプライアンスに引っかかるので言えないのが残念だ。
異世界に転生したのだから言ってもいいような気もするが、契約書には会社が無くなっても、退職してもその契約は継続するとあったから、今でも誰かに言うことは出来ないのだ。
リンゴとかエアバッグとか、穴を掘って王様の耳はロバの耳ごっこをしたい。
話が逸れましたね。
「そう言う事なら迷宮に潜るのが手っ取り早いわ。三現主義でしょ」
立ち上がったのはシルビアだ。
実に彼女らしい考え方だが、三現主義を覚えてくれたのは嬉しい。
「コルベットとカビーネを固定して、私とアルトとスターレットで前衛を入れ替えて見ればいいのよ。それで見えてくるものもあるでしょうね」
「賛成だ」
俺はシルビアに賛成の意を示した。
ギルド長も認めてくれたので、コルベット、カビーネ、スターレットと連絡を取り、明日その編成で迷宮に潜る事になった。
剣もショートソード、ロングソード、レイピアと用意する。
そして翌日。
「今日はよろしくお願いします」
「よろしくね」
挨拶をして迷宮に潜る。
隊列は斥候のコルベットが先頭、次に前衛役の誰か、それにカビーネが続き、前衛役でない二人が最後尾だ。
今はシルビアが前衛役を務めている。
普段の状態を確認したいので、シルビアに最初に前衛役となってもらったのだ。
これなら地下10階層まで問題なく進めるだろう。
今回はスターレットにも前衛をしてもらうので、そこまで深く潜るつもりはないが。
地下5階層まで到達したところで、前衛をスターレットに変わってもらった。
コルベット、カビーネがスターレットとパーティーを組むのは初めてで、ここからが変化点となる。
「この先に迷宮飛蝗が一匹いるわね」
コルベットが知らせてくれる。
迷宮飛蝗はスターレットには荷が重いモンスターだが、コルベットとカビーネがいれば倒せないことはないだろう。
そう思っていたが、いざ戦闘になるとかなり苦戦していた。
「スターレット、魔法の射線に入らないで!巻き込んじゃうわ」
「スターレット、そこはダメでーす。援護の矢が貴女にあたりまーす」
「うぅぅ、すいませーん」
カビーネとコルベットから立ち位置のダメ出しをくらい、迷宮飛蝗の前でうろちょろするスターレット。
このままだと危険だと判断したシルビアが、スターレットの前に出て迷宮飛蝗を倒した。
「これがアルトの謂う変化点ね。何気なく出来ていた連携だけど、前衛がいきなり変わるとこうも出来なくなるものなのね」
「実際やってみるとよくわかるだろ」
「ええ。スターレットの技量だとこれ以上は危ないわね。戻りましょうか」
「3階層辺りで、今度は武器を変えた時の状況を試してみたいんだ」
「わかったわ」
俺とシルビアなら、もう少し強いモンスターでも戦えるが、スターレットの技量を考慮して、前衛の変更時の確認はここまでとした。
今度はもっと弱いモンスターで、スターレットにショートソードから、別の武器に持ち変えた時の状況を検証してもらう。
シルビアだと、今日持ってきた全ての武器を扱えるので参考にならない。
俺もショートソード以外の剣の作業標準書がないので、まともに扱うことが出来ないから除外だ。
3階層まで戻ってきたので、全員に今度の検証内容を説明する。
「じゃあ、迷宮蟻ならスターレット一人でも戦えるだろうから、ショートソード、ロングソード、レイピアと持ち変えて戦ってほしい。その間、コルベットとカビーネは援護しないように」
「はい」
コルベットに索敵してもらい、迷宮蟻を一匹ずつ引っ張ってきてもらう。
単独で徘徊している迷宮蟻に小石をぶつけて、こちらに敵意を向けさせて、スターレットが待っている場所まで引っ張るというわけだ。
まずはショートソードで戦ってもらう。
「どうでした?」
迷宮蟻を倒したスターレットに感想を聞く。
「普段から使用している武器なので、何も問題ないですね」
「じゃあ、次はロングソードでお願いします」
「はい」
ロングソードで同じ様に迷宮蟻と戦ってもらった。
ロングソードの方が威力は有りそうなもんだが、スターレットが迷宮蟻を倒すのにかかった時間は、ショートソードの時よりも長かった。
「使い慣れていない武器だと手こずりますね」
そうだろうな。
これがいつもと違うと謂う奴だ。
最後にレイピアを使ってもらったが、扱い方が悪くて戦っている最中に折れてしまった。
シルビアがすかさずフォローしてくれたので、大事には至らなかったが、これが通常の冒険であれば危なかっただろうな。
「さて、ここまで出来たら十分かな。街に戻ろうか」
まとめは冒険者ギルドに戻ってから行うことにした。
街に戻ってくると、冒険者ギルドがなにやら騒がしい。
何かあったのだろうか?
「シルビア、アルト、大変よ」
受付嬢のレオーネが俺達を見つけて走ってくる。
「どうしたのよ」
「この街にもう一つ冒険者ギルドが出来るの」
「なんだってー!!」
レオーネの話を聞いて、俺とシルビアが叫んだ。
どんな時に事故が起こりやすいのかということから、それを対策してクエストの成功率を上昇させようというのだ。
以前にも説明したように、冒険者のクエストの成功率が冒険者ギルドの収入に影響するので、冒険者ギルドとしてもなんとか成功率を上昇させたいのだ。
「品質管理の観点から言うならば、4M変化があった時こそ注意すべきですね」
俺は自分の分かる範囲で発言する。
「4M?」
会議室のあちこちでざわざわとし始める。
4Mという言葉を知らないのだろう。
「4Mとは、人(MAN)、物(MATERIAL)、機械(MACHINE)、方法(METHOD)のことです。パーティーメンバーが変われば、今までの連携ができるのか確認が必要ですし、武器が新しくなればその使い勝手を確認する必要があります。戦術が変わればそれもその効果の確認が必要でしょう」
品質管理の4Mを冒険者に置き換えて説明する。
まあ、大体あっているだろう。
工場の生産活動に限らず、ミスが出る時というのは4M変化がある事が殆どだ。
初めて買う品種の米を炊いた時に、水の量をいつもと同じにしたらベチャベチャになったり、右ハンドルの車から左ハンドルの車に乗り換えたら、ウインカーとワイパーのスイッチを間違ったり。
他にも例を上げればきりがない。
変化点管理はそれくらい重要なのだ。
しかし、冒険の4Mで物ってなんだろうな。
モンスターでいいのかな?
初見のモンスターに出会ったら危険度は高くなるとか、ゴブリンばっかり相手にしていたらスライムが襲ってきたとか。
そうするとMATERIALじゃなくてMONSTERのMだな。
「つまり、いつもと違う事があるなら、冒険に出る前に確認をしろということかい」
流石ギルド長だ、理解が早い。
「初心者であればそうでしょうね。ある程度の等級であれば、迷宮内の浅い階層で実戦での確認でも良いと思います」
「それをどうやってシステム化するかだね」
「はい」
そうなのだ、単に気をつけようだと、漠然としすぎていて効果が出ないのだ。
具体的なチェックシートなどがあって、初めてそれは効果を発揮する。
どこの会社でも4M変化点発生時には、どういった手順で確認するのか明確にルールが決めてあるのだ。
それでも不具合が撲滅できないのだが。
あれやこれやと事例を上げればきりがないが、具体的なことはコンプライアンスに引っかかるので言えないのが残念だ。
異世界に転生したのだから言ってもいいような気もするが、契約書には会社が無くなっても、退職してもその契約は継続するとあったから、今でも誰かに言うことは出来ないのだ。
リンゴとかエアバッグとか、穴を掘って王様の耳はロバの耳ごっこをしたい。
話が逸れましたね。
「そう言う事なら迷宮に潜るのが手っ取り早いわ。三現主義でしょ」
立ち上がったのはシルビアだ。
実に彼女らしい考え方だが、三現主義を覚えてくれたのは嬉しい。
「コルベットとカビーネを固定して、私とアルトとスターレットで前衛を入れ替えて見ればいいのよ。それで見えてくるものもあるでしょうね」
「賛成だ」
俺はシルビアに賛成の意を示した。
ギルド長も認めてくれたので、コルベット、カビーネ、スターレットと連絡を取り、明日その編成で迷宮に潜る事になった。
剣もショートソード、ロングソード、レイピアと用意する。
そして翌日。
「今日はよろしくお願いします」
「よろしくね」
挨拶をして迷宮に潜る。
隊列は斥候のコルベットが先頭、次に前衛役の誰か、それにカビーネが続き、前衛役でない二人が最後尾だ。
今はシルビアが前衛役を務めている。
普段の状態を確認したいので、シルビアに最初に前衛役となってもらったのだ。
これなら地下10階層まで問題なく進めるだろう。
今回はスターレットにも前衛をしてもらうので、そこまで深く潜るつもりはないが。
地下5階層まで到達したところで、前衛をスターレットに変わってもらった。
コルベット、カビーネがスターレットとパーティーを組むのは初めてで、ここからが変化点となる。
「この先に迷宮飛蝗が一匹いるわね」
コルベットが知らせてくれる。
迷宮飛蝗はスターレットには荷が重いモンスターだが、コルベットとカビーネがいれば倒せないことはないだろう。
そう思っていたが、いざ戦闘になるとかなり苦戦していた。
「スターレット、魔法の射線に入らないで!巻き込んじゃうわ」
「スターレット、そこはダメでーす。援護の矢が貴女にあたりまーす」
「うぅぅ、すいませーん」
カビーネとコルベットから立ち位置のダメ出しをくらい、迷宮飛蝗の前でうろちょろするスターレット。
このままだと危険だと判断したシルビアが、スターレットの前に出て迷宮飛蝗を倒した。
「これがアルトの謂う変化点ね。何気なく出来ていた連携だけど、前衛がいきなり変わるとこうも出来なくなるものなのね」
「実際やってみるとよくわかるだろ」
「ええ。スターレットの技量だとこれ以上は危ないわね。戻りましょうか」
「3階層辺りで、今度は武器を変えた時の状況を試してみたいんだ」
「わかったわ」
俺とシルビアなら、もう少し強いモンスターでも戦えるが、スターレットの技量を考慮して、前衛の変更時の確認はここまでとした。
今度はもっと弱いモンスターで、スターレットにショートソードから、別の武器に持ち変えた時の状況を検証してもらう。
シルビアだと、今日持ってきた全ての武器を扱えるので参考にならない。
俺もショートソード以外の剣の作業標準書がないので、まともに扱うことが出来ないから除外だ。
3階層まで戻ってきたので、全員に今度の検証内容を説明する。
「じゃあ、迷宮蟻ならスターレット一人でも戦えるだろうから、ショートソード、ロングソード、レイピアと持ち変えて戦ってほしい。その間、コルベットとカビーネは援護しないように」
「はい」
コルベットに索敵してもらい、迷宮蟻を一匹ずつ引っ張ってきてもらう。
単独で徘徊している迷宮蟻に小石をぶつけて、こちらに敵意を向けさせて、スターレットが待っている場所まで引っ張るというわけだ。
まずはショートソードで戦ってもらう。
「どうでした?」
迷宮蟻を倒したスターレットに感想を聞く。
「普段から使用している武器なので、何も問題ないですね」
「じゃあ、次はロングソードでお願いします」
「はい」
ロングソードで同じ様に迷宮蟻と戦ってもらった。
ロングソードの方が威力は有りそうなもんだが、スターレットが迷宮蟻を倒すのにかかった時間は、ショートソードの時よりも長かった。
「使い慣れていない武器だと手こずりますね」
そうだろうな。
これがいつもと違うと謂う奴だ。
最後にレイピアを使ってもらったが、扱い方が悪くて戦っている最中に折れてしまった。
シルビアがすかさずフォローしてくれたので、大事には至らなかったが、これが通常の冒険であれば危なかっただろうな。
「さて、ここまで出来たら十分かな。街に戻ろうか」
まとめは冒険者ギルドに戻ってから行うことにした。
街に戻ってくると、冒険者ギルドがなにやら騒がしい。
何かあったのだろうか?
「シルビア、アルト、大変よ」
受付嬢のレオーネが俺達を見つけて走ってくる。
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