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第21話 識別表示で工程飛び防止
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「馬鹿野郎!!」
午後の人が少ない冒険者ギルドの中に怒声が響く。
何事かと声のする方を見れば、ポーション製造の親方が子供を怒鳴っている。
子供は赤毛を後ろでまとめた女の子だ。
そういえば最近ここで見かけるようになったな。
「それはまだ売店に持っていっていい奴じゃねぇ」
どうやら生産現場で出来上がったポーションを、出荷検査前に売店に持ってきてしまったようだ。
そう、最近ポーションは出荷検査を実施しているのだ。
高級ポーションを薄めて、中級と低級を製造するのだが、その薄め具合は職人の加減に左右される。
それなので、今まではかなりのばらつきがあったのだ。
親方からそのばらつきを低減させたいと相談があり、俺の提案で出荷検査を行うことになった。
ポーションのグレードは色で見分けるので、それぞれのグレードの色見本を作成し、見本の範囲に収まっていることを、第三者の目で確認することにしたのだ。
第三者でというのは、製造した本人だとどうしても判断が緩くなるからだ。
出荷検査を実施してからは、ポーションの品質のばらつきが減ったと言われ、冒険者からのクレームが減ったのである。
やはり検査で弾かれる物があるので、以前はそれが流出していたのだ。
とはいえ、これは流出対策でしかなく、製造工程で品質のばらつきを抑え込むことを考えないといけないとは思っている。
未だにその方法が思いつかないけどね。
ここはFTAのスキルを取得するべきだろうか。
いや、今は親方と少女の事だな。
今回少女が怒られているのは、その出荷検査をする前のポーションを出荷してしまったからである。
「あんたの出番じゃないの」
いつの間にか俺の横に立っていたシルビアに腕を引かれて、親方と少女のところに連れていかれる。
確かに工程飛びなら俺の出番だな。
前世の記憶から、なんとなく対策は浮かんでいるが、やはりここは間違った原因を確認しておかないとな。
「親方、事情は聞こえてきました。彼女も涙目ですし、怒るのはそれくらいにして、俺が原因を調査しますよ」
「アルトか。でかい声をだしちまってすまなかったな。俺だと呶鳴る事しかできねぇから頼むよ」
「いいんですよ。親方の声が小さかったら、病気にでもなったかとみんなが心配しますから」
まずは親方から話を聞くと、少女は最近雇ったばかりで、まだ難しい作業が出来ないから、完成品の運搬をさせていたのだという。
年齢はまだ8歳で、ジョブが判明する前だというのだ。
だから、何をさせてよいかわからず、運搬ならと任せたそうだ。
少女を雇う前は、出荷検査員が出荷検査後に自分で売店に運搬していたのだ。
だから、出荷検査工程前のものを納品することは無かったのだという。
出荷検査前、出荷検査後という表示などは無かったが、検査から納品までの工程を一人で行っている為、出荷検査工程を飛ばす可能性は限りなく低かったのだろう。
「奴も母親と二人暮らしなんだが、その母親が病気になっちまって、小さいけど働くしかないって訳だ。なんとか働き続けられるように、間違えない方法を考えてやってくれ」
「わかりました」
親方は話し方からは伝わらないが、人情味がある男なのである。
呶鳴るのを止めれば、もっと慕ってくれる人が増えると思うんだけどね。
さて、次は少女の方だ。
「俺の名前はアルト。君は?」
「ミゼット」
ミゼットというのか。
ミゼットは親方に呶鳴られた後なので、涙目になって震えている。
「ミゼット、どうして出荷検査前のポーションを運んだのか教えてくれるかい」
「私馘になるの?」
駄目だ、すっかり怯えている。
工場の品質管理でもそうだったが、流出不良が発生した時に、作業者に聞き取りをすると、派遣社員などは解雇を心配してしまうのだ。
心配して、嘘の原因を言われた事も一度や二度ではない。
俺に解雇する権限などないのだが、どうもみんな勘違いをするのだ。
不良を出してへらへらしているよりはよっぽどマシだけどね。
少し話題を変えようか。
「ミゼットはどうしてここで働いているんだい」
「お母さんのお薬を買うお金が欲しいの。お母さん病気で寝ているから」
「泣かせる話じゃない」
シルビアが涙ぐんでいる。
その優しさの半分でも俺に振り分けて欲しい。
せめて暴力はやめような?
「じゃあ、今日はお母さんの様子を見に行こうか」
「何で?」
「治せるかもしれないからだよ」
俺には癒し手から教えてもらった作業標準書がある。
怪我人を治せるのだから、病人も治せるかもしれない。
それでも駄目なら医者に話を聞いて作業標準書を作ればいいのだ。
まずはミゼットが平常心で仕事をできる環境を整えないとな。
ミゼットの家はステラの端にあった。
母子二人で暮らしているというので慎ましい生活、というか貧困だな。
病気になっても薬が買えるとは思えない。
実際に買えないから、ミゼットが働く事になったのだろうけど。
広さは1ルームアパートくらい。
その真ん中に寝ている女性がいる。
ミゼットを20歳くらい成長させた感じなので、母親で間違いないだろう。
彼女は俺達を見ると警戒した。
「うちの子が盗みでも働きましたか?」
辛そうに上半身を起こして、こちらを見る。
冒険者ギルドで働いているはずの子供が、大人二人に連れられて、まだ明るいうちに帰宅したのだ。
そう思っても不思議ではないか。
「いえ、今日伺ったのは別です」
ミゼットから病気だと聞いて、治せるかどうか診察に来たことを伝えた。
「お金をお支払いすることはできませんので」
と、固辞するので、無償ですよと伝えた。
まあ、普通に考えたら怪しいんだけど、そこはシルビアが説得した。
説得でいいんだよな。
相手は病人なので、いつもよりは優しかったと思う。
母親は納得してくれたので、そのまま横になってもらう。
俺は癒し手から教えてもらい作成した状態異常解消の作業標準書を取り出す。
取り出すといっても、魔法で目の前に浮かび上がらせるのだが。
病気だって状態異常だろうし、これでいいと思うんだよな。
作業標準書に従って、母親の体内にある異常個所を治癒していく。
「どうですか、何か変わったことはありますか?」
残念ながら、俺は診察が出来ないので、後は彼女自身に体の具合を確認してもらうしかない。
「体がとても楽になりました」
「そうですか。では、いきなり激しく動くのは止めてくださいね。ここにポーションを置いていきますので、今日明日は念のため飲んでください」
親方からもらったはねだしポーションを母親に渡す。
売り物にならないが、効果はある代物だ。
病気が治っても、体力は落ちているかもしれないからと、親方がくれたものだ。
いい人なんだけど、話し方で損しているよな。
「よし、お母さんも治ったみたいだし、ギルドに戻ろうか」
「うん」
ミゼットを連れて冒険者ギルドに戻る。
今度こそ不具合の原因を確認しよう。
「どうして間違えたんだい?」
「検査が終わっていると思いました」
「どうして?」
「検査員のエルガミオが居なかったので、仕事が終わって休憩していると思いました」
「検査済みの表示はあった?」
「なかったと思う。あっても字が読めないけど」
ここまでで、原因がつかめた。
これは工場でもあり得ることだ。
部品を組み付ける工程なら、部品がなければ加工前だとわかるが、検査工程などでは見たか見ないかは作業した人間にしか判らない。
なので、今回のような工程飛びは常に起こる可能性があるのだ。
原因がわかったので、後は対策だな。
こういうのは識別表示が必要だ。
今回で謂えば「検査前」「検査後」の表示さえあれば防げたはずだ。
後はミゼットでもわかる工夫が必要だけどな。
識別用の看板を色で分けるなら赤はNGなので使えない。
検査前を黄色にして、検査後を緑色の表示にするか。
ルールがローカルルールにならないように、壁に識別看板の意味を書いておく。
文字が読める作業者がこのルールを、新人が入ってきた時に教えてやればいい。
今いる作業者が全部入れ替わっても、これならルールがわからなくなることもない。
「緑の看板が付いているやつを売店に持っていくんだよ」
「うん」
ミゼットはルールを理解したようだ。
検査員もルールを理解しているので、今後は問題が起きないはずだ。
「でもさー」
折角ここまで対策をしたのに、シルビアは一寸不満そうだ。
一体何が不満だというのだろうか。
「お母さんの病気が治ったのなら、ここで働かなくてもいいじゃない」
「そうか」
未成年が労働するなんて、国際機関が黙っちゃいないぜ。
ここには無いけど。
「ここで働きたい」
ミゼットが必死に訴える。
母親一人の稼ぎでは辛いのだろうか。
まあ地球の常識は、こちらの非常識ってことで、親方がいいなら雇用継続でもいいんじゃないかな。
「私、もっと仕事して、もっとお金を稼ぎたい」
「なあに人間そんなに稼ぐことたあねえ。ちょうどいいってものがあらあ。いいかいミゼット、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが人間金持ち過ぎもしない、貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」
「トンカツ?」
この世界にはトンカツも、トンカツ大王も無かったな。
「残念だったな栗田くん」
「は?私はシルビアだけど」
「そうですね」
――品質管理の経験値+2,050
――品質管理のレベルが15に上がりました
――ゲージ作成系のスキルが開放されました
ん、ゲージ作成系スキルだと?
派生スキルを確認すると、シックネスゲージ、ピンゲージ、ブロックゲージ、シリンダーゲージ、ボアゲージ、デプスゲージなどを作成するスキルが取得できるようになっていた。
そんなもん、この文明レベルだとオーパーツにしかならないが、面白そうなので取得してみようか。
その後、ミゼットの母親の経過は良好で、再発の心配もなさそうだ。
今でもミゼットは元気に冒険者ギルドで働いている。
今日も彼女がポーションを運ぶ姿を見ながら、俺は誰も来ない相談窓口でコーヒーを飲んでいた。
アルトのステータス
品質管理レベル15
スキル
作業標準書
作業標準書(改)
ノギス測定
三次元測定
マクロ試験
振動試験
電子顕微鏡
塩水噴霧試験
引張試験
硬度測定
蛍光X線分析
シックネスゲージ作成
ブロックゲージ作成
ピンゲージ作成
※北大路魯山人の弟子とか出てくる予定はありません、念の為
午後の人が少ない冒険者ギルドの中に怒声が響く。
何事かと声のする方を見れば、ポーション製造の親方が子供を怒鳴っている。
子供は赤毛を後ろでまとめた女の子だ。
そういえば最近ここで見かけるようになったな。
「それはまだ売店に持っていっていい奴じゃねぇ」
どうやら生産現場で出来上がったポーションを、出荷検査前に売店に持ってきてしまったようだ。
そう、最近ポーションは出荷検査を実施しているのだ。
高級ポーションを薄めて、中級と低級を製造するのだが、その薄め具合は職人の加減に左右される。
それなので、今まではかなりのばらつきがあったのだ。
親方からそのばらつきを低減させたいと相談があり、俺の提案で出荷検査を行うことになった。
ポーションのグレードは色で見分けるので、それぞれのグレードの色見本を作成し、見本の範囲に収まっていることを、第三者の目で確認することにしたのだ。
第三者でというのは、製造した本人だとどうしても判断が緩くなるからだ。
出荷検査を実施してからは、ポーションの品質のばらつきが減ったと言われ、冒険者からのクレームが減ったのである。
やはり検査で弾かれる物があるので、以前はそれが流出していたのだ。
とはいえ、これは流出対策でしかなく、製造工程で品質のばらつきを抑え込むことを考えないといけないとは思っている。
未だにその方法が思いつかないけどね。
ここはFTAのスキルを取得するべきだろうか。
いや、今は親方と少女の事だな。
今回少女が怒られているのは、その出荷検査をする前のポーションを出荷してしまったからである。
「あんたの出番じゃないの」
いつの間にか俺の横に立っていたシルビアに腕を引かれて、親方と少女のところに連れていかれる。
確かに工程飛びなら俺の出番だな。
前世の記憶から、なんとなく対策は浮かんでいるが、やはりここは間違った原因を確認しておかないとな。
「親方、事情は聞こえてきました。彼女も涙目ですし、怒るのはそれくらいにして、俺が原因を調査しますよ」
「アルトか。でかい声をだしちまってすまなかったな。俺だと呶鳴る事しかできねぇから頼むよ」
「いいんですよ。親方の声が小さかったら、病気にでもなったかとみんなが心配しますから」
まずは親方から話を聞くと、少女は最近雇ったばかりで、まだ難しい作業が出来ないから、完成品の運搬をさせていたのだという。
年齢はまだ8歳で、ジョブが判明する前だというのだ。
だから、何をさせてよいかわからず、運搬ならと任せたそうだ。
少女を雇う前は、出荷検査員が出荷検査後に自分で売店に運搬していたのだ。
だから、出荷検査工程前のものを納品することは無かったのだという。
出荷検査前、出荷検査後という表示などは無かったが、検査から納品までの工程を一人で行っている為、出荷検査工程を飛ばす可能性は限りなく低かったのだろう。
「奴も母親と二人暮らしなんだが、その母親が病気になっちまって、小さいけど働くしかないって訳だ。なんとか働き続けられるように、間違えない方法を考えてやってくれ」
「わかりました」
親方は話し方からは伝わらないが、人情味がある男なのである。
呶鳴るのを止めれば、もっと慕ってくれる人が増えると思うんだけどね。
さて、次は少女の方だ。
「俺の名前はアルト。君は?」
「ミゼット」
ミゼットというのか。
ミゼットは親方に呶鳴られた後なので、涙目になって震えている。
「ミゼット、どうして出荷検査前のポーションを運んだのか教えてくれるかい」
「私馘になるの?」
駄目だ、すっかり怯えている。
工場の品質管理でもそうだったが、流出不良が発生した時に、作業者に聞き取りをすると、派遣社員などは解雇を心配してしまうのだ。
心配して、嘘の原因を言われた事も一度や二度ではない。
俺に解雇する権限などないのだが、どうもみんな勘違いをするのだ。
不良を出してへらへらしているよりはよっぽどマシだけどね。
少し話題を変えようか。
「ミゼットはどうしてここで働いているんだい」
「お母さんのお薬を買うお金が欲しいの。お母さん病気で寝ているから」
「泣かせる話じゃない」
シルビアが涙ぐんでいる。
その優しさの半分でも俺に振り分けて欲しい。
せめて暴力はやめような?
「じゃあ、今日はお母さんの様子を見に行こうか」
「何で?」
「治せるかもしれないからだよ」
俺には癒し手から教えてもらった作業標準書がある。
怪我人を治せるのだから、病人も治せるかもしれない。
それでも駄目なら医者に話を聞いて作業標準書を作ればいいのだ。
まずはミゼットが平常心で仕事をできる環境を整えないとな。
ミゼットの家はステラの端にあった。
母子二人で暮らしているというので慎ましい生活、というか貧困だな。
病気になっても薬が買えるとは思えない。
実際に買えないから、ミゼットが働く事になったのだろうけど。
広さは1ルームアパートくらい。
その真ん中に寝ている女性がいる。
ミゼットを20歳くらい成長させた感じなので、母親で間違いないだろう。
彼女は俺達を見ると警戒した。
「うちの子が盗みでも働きましたか?」
辛そうに上半身を起こして、こちらを見る。
冒険者ギルドで働いているはずの子供が、大人二人に連れられて、まだ明るいうちに帰宅したのだ。
そう思っても不思議ではないか。
「いえ、今日伺ったのは別です」
ミゼットから病気だと聞いて、治せるかどうか診察に来たことを伝えた。
「お金をお支払いすることはできませんので」
と、固辞するので、無償ですよと伝えた。
まあ、普通に考えたら怪しいんだけど、そこはシルビアが説得した。
説得でいいんだよな。
相手は病人なので、いつもよりは優しかったと思う。
母親は納得してくれたので、そのまま横になってもらう。
俺は癒し手から教えてもらい作成した状態異常解消の作業標準書を取り出す。
取り出すといっても、魔法で目の前に浮かび上がらせるのだが。
病気だって状態異常だろうし、これでいいと思うんだよな。
作業標準書に従って、母親の体内にある異常個所を治癒していく。
「どうですか、何か変わったことはありますか?」
残念ながら、俺は診察が出来ないので、後は彼女自身に体の具合を確認してもらうしかない。
「体がとても楽になりました」
「そうですか。では、いきなり激しく動くのは止めてくださいね。ここにポーションを置いていきますので、今日明日は念のため飲んでください」
親方からもらったはねだしポーションを母親に渡す。
売り物にならないが、効果はある代物だ。
病気が治っても、体力は落ちているかもしれないからと、親方がくれたものだ。
いい人なんだけど、話し方で損しているよな。
「よし、お母さんも治ったみたいだし、ギルドに戻ろうか」
「うん」
ミゼットを連れて冒険者ギルドに戻る。
今度こそ不具合の原因を確認しよう。
「どうして間違えたんだい?」
「検査が終わっていると思いました」
「どうして?」
「検査員のエルガミオが居なかったので、仕事が終わって休憩していると思いました」
「検査済みの表示はあった?」
「なかったと思う。あっても字が読めないけど」
ここまでで、原因がつかめた。
これは工場でもあり得ることだ。
部品を組み付ける工程なら、部品がなければ加工前だとわかるが、検査工程などでは見たか見ないかは作業した人間にしか判らない。
なので、今回のような工程飛びは常に起こる可能性があるのだ。
原因がわかったので、後は対策だな。
こういうのは識別表示が必要だ。
今回で謂えば「検査前」「検査後」の表示さえあれば防げたはずだ。
後はミゼットでもわかる工夫が必要だけどな。
識別用の看板を色で分けるなら赤はNGなので使えない。
検査前を黄色にして、検査後を緑色の表示にするか。
ルールがローカルルールにならないように、壁に識別看板の意味を書いておく。
文字が読める作業者がこのルールを、新人が入ってきた時に教えてやればいい。
今いる作業者が全部入れ替わっても、これならルールがわからなくなることもない。
「緑の看板が付いているやつを売店に持っていくんだよ」
「うん」
ミゼットはルールを理解したようだ。
検査員もルールを理解しているので、今後は問題が起きないはずだ。
「でもさー」
折角ここまで対策をしたのに、シルビアは一寸不満そうだ。
一体何が不満だというのだろうか。
「お母さんの病気が治ったのなら、ここで働かなくてもいいじゃない」
「そうか」
未成年が労働するなんて、国際機関が黙っちゃいないぜ。
ここには無いけど。
「ここで働きたい」
ミゼットが必死に訴える。
母親一人の稼ぎでは辛いのだろうか。
まあ地球の常識は、こちらの非常識ってことで、親方がいいなら雇用継続でもいいんじゃないかな。
「私、もっと仕事して、もっとお金を稼ぎたい」
「なあに人間そんなに稼ぐことたあねえ。ちょうどいいってものがあらあ。いいかいミゼット、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが人間金持ち過ぎもしない、貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」
「トンカツ?」
この世界にはトンカツも、トンカツ大王も無かったな。
「残念だったな栗田くん」
「は?私はシルビアだけど」
「そうですね」
――品質管理の経験値+2,050
――品質管理のレベルが15に上がりました
――ゲージ作成系のスキルが開放されました
ん、ゲージ作成系スキルだと?
派生スキルを確認すると、シックネスゲージ、ピンゲージ、ブロックゲージ、シリンダーゲージ、ボアゲージ、デプスゲージなどを作成するスキルが取得できるようになっていた。
そんなもん、この文明レベルだとオーパーツにしかならないが、面白そうなので取得してみようか。
その後、ミゼットの母親の経過は良好で、再発の心配もなさそうだ。
今でもミゼットは元気に冒険者ギルドで働いている。
今日も彼女がポーションを運ぶ姿を見ながら、俺は誰も来ない相談窓口でコーヒーを飲んでいた。
アルトのステータス
品質管理レベル15
スキル
作業標準書
作業標準書(改)
ノギス測定
三次元測定
マクロ試験
振動試験
電子顕微鏡
塩水噴霧試験
引張試験
硬度測定
蛍光X線分析
シックネスゲージ作成
ブロックゲージ作成
ピンゲージ作成
※北大路魯山人の弟子とか出てくる予定はありません、念の為
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