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第416話 ダイヤの刺青 5
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オプティをシャレードに任せた後、俺とシルビアはオプティの家に盗みに入ろうとしているスート・ダイヤの残党捕縛に加わった。
奴らは夜中にオプティの家にやってきた。
そして、敷地に入ったところでこちらも動く。
敷地に入る前だと言い逃れされるからだ。
結果、無事に全員を捕まえる事が出来た。
本来は衛兵の仕事なのだろうけど、今回は冒険者の起こした不始末ということで、冒険者ギルドが主体になって動いだのだ。
勿論、衛兵に話は通してあり、立ち合いの者が数名いる。
捕まえた後で牢に入れるためだ。
今回捕まったメンバーはレグナム以外は全員拷問にたえられず、自白しようとしたところで呪いが発動して死んだとギルド長から聞かされた。
レグナムは全てを部下の責任として逃げ切ろうとしたが、そんな言い訳が通用するわけもなく、結局死罪となった。
あいつの刺青だけは普通の刺青だったらしい。
最後は余罪も喋ったそうだ。
で、その余罪がまた問題となった。
冒険者ギルドも未達成の依頼を達成として、成功報酬を支払っていたからだ。
そして、オプティと違って依頼人たちは殺されていた。
ステラの冒険者ギルドの案件ではなかったが、世間からみれば冒険者ギルドというくくりになるので、うちは悪くないというわけにもいかない。
その対策会議をすることになって、冒険者ギルドの主だったメンバーが集まっていた。
「冒険者が依頼の達成を誤魔化した場合どうすればいいだろうか。我々はそれを完璧に見抜く手段を講じていかなければならないわけだけど」
ギルド長はそう言うと深いため息をついた。
基本的には性善説というか、そこを偽造されていると仮定すると、対応にはかなりの工数を割くことになる。
「完了報告を持ってきた冒険者に真偽判定をしたらどう?」
シルビアがそう言うが、俺はそれは無理だと思う。
「シルビア、例えばだけど依頼を受けた時に参加していないパーティーメンバーに、偽造した報告書を持たせて来たら、嘘をついていないことになるんだよ」
俺の説明にシルビアは納得できないと顔で示した。
なので説明を追加する。
「今回のオプティを例にすると、スート・ダイヤのメンバーで護衛に参加していなかった奴がいたとして、そいつにレグナムが『完了のサインを貰ったから冒険者ギルドに提出してこい』って言ったら、そのメンバーは嘘だと認識してないだろ。つまり、真偽判定しても噓だと見抜けないんだよ。冒険者ギルドが対策をすれば、必ずのその抜け道を見つけてくる奴が出てくるからね」
今度は納得してくれた。
どんなポカヨケを設置しようとも、奴らはそれを乗り越えて不良を流出させてくる。
断言しよう、流出不良は無くならない。
いくら教育しても、そんなもんはお構いなしな倫理観を持った稀有な作業者、いや、稀有ではないか。
そんなのがいるから完璧な対策は無いと言っていい。
あれ、作業者じゃなくて冒険者か。
ついでに言うと、どこかの有名企業のように組織ぐるみで偽造捏造をしてこられると、受け入れる側は不正を見つけるのは困難だ。
でなければ、長年品質偽装が見つからないなんて事にはならないだろう。
受入検査する身にもなってもらいたい。
最低限の寸法とかは測定するが、機械的特性や成分分析までやるとなると、そんなもん相手に検査成績書を提出させずに全部こちらでやって、その分値引きさせた方がいいだろう。
というか、こちらも組織ぐるみで誤魔化したい。
そう俺は神(国土交〇省)をもあざむく男(ジャッカル風)。
嘘です。
まあ、ここだけの話金型の設計を失敗して、立ち上げ時から寸法不良なんだけど、受け入れ側もそれに気づいてなくて量産が始まってしまい、その後工程変更申請をしようにも、不良個所がばれたらどうしようということから、工程変更を申請せずにだまって変更をしているなんていうのがあったりするという噂を聞きました。
噂です。
ついでに言うならこの物語はフィクションです。
真に受けないでください。
「じゃあどうすればいいのよ?依頼者も冒険者ギルドに来てもらうの?」
「それだと辺境の村からの依頼は、依頼をした方も大変になるよ。帰り道護衛つけてもまたその完了報告に来てもらうことになるからね。だから、冒険者になる時に契約の魔法で、完了のサインは依頼達成後にもらうって契約させようか。それが可能ならば。魔法のスクロールを賢者の学院に作ってもらえれば、どこの冒険者ギルドでも出来るようになるんじゃないかな」
俺の提案にギルド長が難色を示す。
「いっぺんに用意出来る訳じゃないから、契約の魔法を使った冒険者と使っていない冒険者の区別がつかなくなるよ」
言われた事は尤もだ。
ならば見た目でわかるようにすればいい。
マーキングをつけるって奴だな。
製品ならばマジックでどこかに印をつけることになるが、冒険者であれば冒険者登録証にマーキングすればいいだろう。
ただし、単なるインクや打刻だと偽造も簡単なので、その方法もまた考えなければならないのか。
まあ、考えた事を伝えてみんなで知恵を出し合おう。
そのための会議だし。
「冒険者登録証に契約の魔法を使ったという印をつけましょう。ただし、偽造を防ぐためにも特殊な加工をしなければならないでしょうけど」
「どうやってするのよ?」
シルビアに訊かれるが、俺もはっきりとした考えはまだ無い。
すると、ギルド長が案を出してくれた。
「印をつける魔法装置を本部に作ってもらおう。それが出来てから契約の魔法を使えばいいよね。スクロールが出来なくても、契約の魔法を使える魔法使いがいる冒険者ギルドから順次やっていけばいいかな」
水平展開の速度にばらつきがあるが、会社の予算の都合で一度に水平展開出来ない事もあったななどと、前世を思い出してしまった。
まあ、現実的なところで妥協しないとね。
しかし、報告書で嘘をつく冒険者のせいで余計な仕事が増えたな。
こんな文字数の話……
じゃなかった、オプティの足跡を追ってフォックスに接触して、そこから尋問とオーリスとの死闘。
そしてレグナムを捕まえて、更には残党捕縛となった訳だ。
最初から護衛を失敗したと言ってくれたら、こんなに動き回らなくても済んだんだぞ。
検査成績書だって嘘をつくから、こちらで再測定をすることになって、さらに測定結果が違っていた原因の調査と報告をさせることになるし、その報告の中身を精査するこっちの身にもなってくれ。
それなら最初から特採申請を出せ。
あ、これは自分の首を絞める発言かな。
この話を考えている時、隣の席でデータを誤魔化した製品が、相手物に組付かないという連絡を受けた同僚が、必死の言い訳をしているので。
っていう夢を見ました。
夢なら覚めないで。
※作者の独り言
どこまでが本当かわからない白昼夢
尚、品質偽装がわからない人向けにふぐ料理で例えると、
・免許が無いけど料理は出来る人に料理させたのが日産
・毒は入っているけど致死量じゃないから提供したのが三菱電機
・毒が入っているかどうか確認しなかったのがタカタ
・致死量だけど提供したのが三菱自動車
そんな感じ
奴らは夜中にオプティの家にやってきた。
そして、敷地に入ったところでこちらも動く。
敷地に入る前だと言い逃れされるからだ。
結果、無事に全員を捕まえる事が出来た。
本来は衛兵の仕事なのだろうけど、今回は冒険者の起こした不始末ということで、冒険者ギルドが主体になって動いだのだ。
勿論、衛兵に話は通してあり、立ち合いの者が数名いる。
捕まえた後で牢に入れるためだ。
今回捕まったメンバーはレグナム以外は全員拷問にたえられず、自白しようとしたところで呪いが発動して死んだとギルド長から聞かされた。
レグナムは全てを部下の責任として逃げ切ろうとしたが、そんな言い訳が通用するわけもなく、結局死罪となった。
あいつの刺青だけは普通の刺青だったらしい。
最後は余罪も喋ったそうだ。
で、その余罪がまた問題となった。
冒険者ギルドも未達成の依頼を達成として、成功報酬を支払っていたからだ。
そして、オプティと違って依頼人たちは殺されていた。
ステラの冒険者ギルドの案件ではなかったが、世間からみれば冒険者ギルドというくくりになるので、うちは悪くないというわけにもいかない。
その対策会議をすることになって、冒険者ギルドの主だったメンバーが集まっていた。
「冒険者が依頼の達成を誤魔化した場合どうすればいいだろうか。我々はそれを完璧に見抜く手段を講じていかなければならないわけだけど」
ギルド長はそう言うと深いため息をついた。
基本的には性善説というか、そこを偽造されていると仮定すると、対応にはかなりの工数を割くことになる。
「完了報告を持ってきた冒険者に真偽判定をしたらどう?」
シルビアがそう言うが、俺はそれは無理だと思う。
「シルビア、例えばだけど依頼を受けた時に参加していないパーティーメンバーに、偽造した報告書を持たせて来たら、嘘をついていないことになるんだよ」
俺の説明にシルビアは納得できないと顔で示した。
なので説明を追加する。
「今回のオプティを例にすると、スート・ダイヤのメンバーで護衛に参加していなかった奴がいたとして、そいつにレグナムが『完了のサインを貰ったから冒険者ギルドに提出してこい』って言ったら、そのメンバーは嘘だと認識してないだろ。つまり、真偽判定しても噓だと見抜けないんだよ。冒険者ギルドが対策をすれば、必ずのその抜け道を見つけてくる奴が出てくるからね」
今度は納得してくれた。
どんなポカヨケを設置しようとも、奴らはそれを乗り越えて不良を流出させてくる。
断言しよう、流出不良は無くならない。
いくら教育しても、そんなもんはお構いなしな倫理観を持った稀有な作業者、いや、稀有ではないか。
そんなのがいるから完璧な対策は無いと言っていい。
あれ、作業者じゃなくて冒険者か。
ついでに言うと、どこかの有名企業のように組織ぐるみで偽造捏造をしてこられると、受け入れる側は不正を見つけるのは困難だ。
でなければ、長年品質偽装が見つからないなんて事にはならないだろう。
受入検査する身にもなってもらいたい。
最低限の寸法とかは測定するが、機械的特性や成分分析までやるとなると、そんなもん相手に検査成績書を提出させずに全部こちらでやって、その分値引きさせた方がいいだろう。
というか、こちらも組織ぐるみで誤魔化したい。
そう俺は神(国土交〇省)をもあざむく男(ジャッカル風)。
嘘です。
まあ、ここだけの話金型の設計を失敗して、立ち上げ時から寸法不良なんだけど、受け入れ側もそれに気づいてなくて量産が始まってしまい、その後工程変更申請をしようにも、不良個所がばれたらどうしようということから、工程変更を申請せずにだまって変更をしているなんていうのがあったりするという噂を聞きました。
噂です。
ついでに言うならこの物語はフィクションです。
真に受けないでください。
「じゃあどうすればいいのよ?依頼者も冒険者ギルドに来てもらうの?」
「それだと辺境の村からの依頼は、依頼をした方も大変になるよ。帰り道護衛つけてもまたその完了報告に来てもらうことになるからね。だから、冒険者になる時に契約の魔法で、完了のサインは依頼達成後にもらうって契約させようか。それが可能ならば。魔法のスクロールを賢者の学院に作ってもらえれば、どこの冒険者ギルドでも出来るようになるんじゃないかな」
俺の提案にギルド長が難色を示す。
「いっぺんに用意出来る訳じゃないから、契約の魔法を使った冒険者と使っていない冒険者の区別がつかなくなるよ」
言われた事は尤もだ。
ならば見た目でわかるようにすればいい。
マーキングをつけるって奴だな。
製品ならばマジックでどこかに印をつけることになるが、冒険者であれば冒険者登録証にマーキングすればいいだろう。
ただし、単なるインクや打刻だと偽造も簡単なので、その方法もまた考えなければならないのか。
まあ、考えた事を伝えてみんなで知恵を出し合おう。
そのための会議だし。
「冒険者登録証に契約の魔法を使ったという印をつけましょう。ただし、偽造を防ぐためにも特殊な加工をしなければならないでしょうけど」
「どうやってするのよ?」
シルビアに訊かれるが、俺もはっきりとした考えはまだ無い。
すると、ギルド長が案を出してくれた。
「印をつける魔法装置を本部に作ってもらおう。それが出来てから契約の魔法を使えばいいよね。スクロールが出来なくても、契約の魔法を使える魔法使いがいる冒険者ギルドから順次やっていけばいいかな」
水平展開の速度にばらつきがあるが、会社の予算の都合で一度に水平展開出来ない事もあったななどと、前世を思い出してしまった。
まあ、現実的なところで妥協しないとね。
しかし、報告書で嘘をつく冒険者のせいで余計な仕事が増えたな。
こんな文字数の話……
じゃなかった、オプティの足跡を追ってフォックスに接触して、そこから尋問とオーリスとの死闘。
そしてレグナムを捕まえて、更には残党捕縛となった訳だ。
最初から護衛を失敗したと言ってくれたら、こんなに動き回らなくても済んだんだぞ。
検査成績書だって嘘をつくから、こちらで再測定をすることになって、さらに測定結果が違っていた原因の調査と報告をさせることになるし、その報告の中身を精査するこっちの身にもなってくれ。
それなら最初から特採申請を出せ。
あ、これは自分の首を絞める発言かな。
この話を考えている時、隣の席でデータを誤魔化した製品が、相手物に組付かないという連絡を受けた同僚が、必死の言い訳をしているので。
っていう夢を見ました。
夢なら覚めないで。
※作者の独り言
どこまでが本当かわからない白昼夢
尚、品質偽装がわからない人向けにふぐ料理で例えると、
・免許が無いけど料理は出来る人に料理させたのが日産
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