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87話 わくらば 6
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デイズルークスの教育は冒険者ギルドで行っている。
相談の依頼がくればそちらを優先するということで、ギルド長の許可は取っている。
この辺の規則が緩いのはありがたい。
まあ、俺が暇だからっていうのもあるんだけど。
そして、終業時間になるとデイズルークスの教育は終わって、俺はデボネアの所へと向かう。
こちらは金型の手配をするためだ。
デボネアの店はまた開いており、カウンターにはデボネアがいた。
工房の方でないならちょうどいい。
「デボネア、相談があるんだけど」
俺がそう言うと嫌な顔をした。
「彫刻機ならもう作らんぞ。カミさんに叱られるからな」
「いや、それは仕事をやらずにのめり込みからでしょ。それに今日は彫刻機のことできたんじゃないんだ」
「じゃあボール盤か?」
「工作機械からは離れようか。お願いしたいのは金型の作成なんだ」
「金型?わしは武器がメインの鍛冶じゃぞ」
デボネアはちょっと嫌そうな顔になった。
ベテラン職人の逆鱗の隣を触ってしまった感触だな。
さて、どうやって言葉を運ぼうか。
「デボネアの知り合いを紹介してもらうんでもいいんだ。世界で初めての物を作るのに確かな腕が必要なんだよ。左右に開いた金型を合わせた時に寸分のずれもない出来が必要なんだ」
「世界初じゃと。それにその精度が必要か。そうなるとわしくらいの腕が無ければどうにもならんじゃろ」
これは成功した感触。
ここからは間違えないように気をつけないと、折角やる気を出したデボネアがまた不機嫌になってしまう。
「作りたい金型は二人の若者の未来を形作るためのものだから、確実なものにしたいんだ」
「金属じゃなくて人生の形を作る金型とは、吟遊詩人でも目ざすつもりか?」
「大袈裟じゃないんだよ。病気の少女のために孤児院から出た少年がいて、彼が生活費を稼げるようにするためなんだから。これが失敗したら彼らは路頭に迷うんだよ。っていうか、いままでスラムで路上生活していたのを保護したところなんだ」
「事情はわかったが、なんで金型が必要なんじゃ?鋳造職人になるにしても修業期間が必要じゃぞ」
「いや、金型に流し込むのは溶かした金属じゃなくて小麦粉だよ」
「はあ???」
俺の小麦粉というのが意外だったらしく、デボネアは頭の中の処理が追い付かなくなった。
今川焼の登場が江戸時代くらいらしいので、中世だと水で溶いた小麦粉を金型に流し込んで焼くという料理法なんてなかったんだろうな。
日本でそんな状況のだが、ステラにもそういった料理法はないようだ。
ティーノに聞いても知らなかったので、デボネアが知らないのも当然である。
「魚の形に彫り込んだ金型に小麦粉を流し込んで焼けば、彫り込んだ形のお菓子になるでしょ。焼いた生地の上に甘い材料を乗せて挟み込めば、中に甘いものが詰まったお菓子の出来上がりだよ」
俺は両手の平を拍手するように併せて金型の動きを再現させる。
「なるほどのう。左右均等ではないと仕上がりが美しくないというわけじゃな」
「そう。味もよくて見た目も楽しめるっていうものが無いから、それを売りにすれば商売になるでしょ」
「ふうむ。理屈はわかったが、金型に彫り込む意匠はどうするんじゃ?」
「そうだねえ……」
たい焼きと言いたいところではあるが、海から離れたステラに鯛を知っている人がどれくらいいるだろうか。
そもそも鯛がいるのかどうかもわからないし。
それに、代わりの魚といっても川魚で愛くるしいのがいない。
「なんじゃ、そこまでは考えておらんかったのかい」
「愛くるしい動物がいいなとは思うんだ」
猫なんかいいと思うんだけど、デボネアがそれをかわいらしくデフォルメできるのかっていう問題があるな。
デフォルメなら俺がやればいいのか。
でも、ステラの猫って野良猫ばっかりで、住民からは嫌われているんだよなあ。
糞尿をまき散らすっていうのが理由なんだけど。
「愛くるしい動物か。そんなもん売れんじゃろ」
「そうかなあ」
「そうじゃ。わしならドラゴンみたいな強いモンスターのものを作ってみたいわい」
「ドラゴンか……」
暫く考えるが、いがいとありなのかもしれないなと思った。
それに、デボネアの機嫌を損ねてしまうと金型製作が怪しくなってくる。
ここはデボネアの提案にのることにした。
「わかったよ。ドラゴンでいきましょう。あとは火が通りやすいようにあんまり分厚い金型には出来ないからね」
「ああ、そういう制約があるんじゃったのう。なら、小麦粉を水で溶いた生地を用意してくれんか。実際に火の通りを確認せんことには、金型の厚みも決められんからのう」
「わかりました。準備が出来たら持ってきますよ」
そう約束してデボネアの店を出た。
生地についてはティーノにやはりお願いしてある。
小麦粉を水で溶いたと説明してはいるが、それだけだと物足りない。
牛乳や卵、それに砂糖なんてものを使って生地を作るので、一度本職にサンプルの作成をお願いしたのだ。
それさえ出来てしまえば、作業標準書をつくって俺がやれるようになる。
既に空は夜の帳がおりて、月明かりと家々から漏れる明かりをたよりにティーノの店へと向かう。
治安は悪くはないほうの地区だが、油断すればすぐに善からぬやからがやってきそうな気持ちになるのは、周囲に明かりが足りないからだろうか。
それはすなわち無明と同じだ。
不安、苦しみは無明を原因とし、智慧によって苦しみは無くなる。
俺はこの道の真理を知らないので、ただ暗いというだけで不安を感じているに過ぎず、海印三昧の境地に至ることが出来れば危険の所在がわかり不安は無くなる。
「そういえば、無明は苦の根源で因縁へと結びつき輪廻転生の始まりとなるだったか」
前世で仕事で悩んで精神的に追い詰められた時に、近所の寺でやっている座禅に参加したときに聞いた話程度の知識だが、ふと今それを思い出した。
「転生したけど今回も大悟にいたらなければ、来世もどこかに転生かな。いや、まずは目の前のデイズルークスとサクラのことを解決してからだな」
そう考えて夜道を急いだ。
相談の依頼がくればそちらを優先するということで、ギルド長の許可は取っている。
この辺の規則が緩いのはありがたい。
まあ、俺が暇だからっていうのもあるんだけど。
そして、終業時間になるとデイズルークスの教育は終わって、俺はデボネアの所へと向かう。
こちらは金型の手配をするためだ。
デボネアの店はまた開いており、カウンターにはデボネアがいた。
工房の方でないならちょうどいい。
「デボネア、相談があるんだけど」
俺がそう言うと嫌な顔をした。
「彫刻機ならもう作らんぞ。カミさんに叱られるからな」
「いや、それは仕事をやらずにのめり込みからでしょ。それに今日は彫刻機のことできたんじゃないんだ」
「じゃあボール盤か?」
「工作機械からは離れようか。お願いしたいのは金型の作成なんだ」
「金型?わしは武器がメインの鍛冶じゃぞ」
デボネアはちょっと嫌そうな顔になった。
ベテラン職人の逆鱗の隣を触ってしまった感触だな。
さて、どうやって言葉を運ぼうか。
「デボネアの知り合いを紹介してもらうんでもいいんだ。世界で初めての物を作るのに確かな腕が必要なんだよ。左右に開いた金型を合わせた時に寸分のずれもない出来が必要なんだ」
「世界初じゃと。それにその精度が必要か。そうなるとわしくらいの腕が無ければどうにもならんじゃろ」
これは成功した感触。
ここからは間違えないように気をつけないと、折角やる気を出したデボネアがまた不機嫌になってしまう。
「作りたい金型は二人の若者の未来を形作るためのものだから、確実なものにしたいんだ」
「金属じゃなくて人生の形を作る金型とは、吟遊詩人でも目ざすつもりか?」
「大袈裟じゃないんだよ。病気の少女のために孤児院から出た少年がいて、彼が生活費を稼げるようにするためなんだから。これが失敗したら彼らは路頭に迷うんだよ。っていうか、いままでスラムで路上生活していたのを保護したところなんだ」
「事情はわかったが、なんで金型が必要なんじゃ?鋳造職人になるにしても修業期間が必要じゃぞ」
「いや、金型に流し込むのは溶かした金属じゃなくて小麦粉だよ」
「はあ???」
俺の小麦粉というのが意外だったらしく、デボネアは頭の中の処理が追い付かなくなった。
今川焼の登場が江戸時代くらいらしいので、中世だと水で溶いた小麦粉を金型に流し込んで焼くという料理法なんてなかったんだろうな。
日本でそんな状況のだが、ステラにもそういった料理法はないようだ。
ティーノに聞いても知らなかったので、デボネアが知らないのも当然である。
「魚の形に彫り込んだ金型に小麦粉を流し込んで焼けば、彫り込んだ形のお菓子になるでしょ。焼いた生地の上に甘い材料を乗せて挟み込めば、中に甘いものが詰まったお菓子の出来上がりだよ」
俺は両手の平を拍手するように併せて金型の動きを再現させる。
「なるほどのう。左右均等ではないと仕上がりが美しくないというわけじゃな」
「そう。味もよくて見た目も楽しめるっていうものが無いから、それを売りにすれば商売になるでしょ」
「ふうむ。理屈はわかったが、金型に彫り込む意匠はどうするんじゃ?」
「そうだねえ……」
たい焼きと言いたいところではあるが、海から離れたステラに鯛を知っている人がどれくらいいるだろうか。
そもそも鯛がいるのかどうかもわからないし。
それに、代わりの魚といっても川魚で愛くるしいのがいない。
「なんじゃ、そこまでは考えておらんかったのかい」
「愛くるしい動物がいいなとは思うんだ」
猫なんかいいと思うんだけど、デボネアがそれをかわいらしくデフォルメできるのかっていう問題があるな。
デフォルメなら俺がやればいいのか。
でも、ステラの猫って野良猫ばっかりで、住民からは嫌われているんだよなあ。
糞尿をまき散らすっていうのが理由なんだけど。
「愛くるしい動物か。そんなもん売れんじゃろ」
「そうかなあ」
「そうじゃ。わしならドラゴンみたいな強いモンスターのものを作ってみたいわい」
「ドラゴンか……」
暫く考えるが、いがいとありなのかもしれないなと思った。
それに、デボネアの機嫌を損ねてしまうと金型製作が怪しくなってくる。
ここはデボネアの提案にのることにした。
「わかったよ。ドラゴンでいきましょう。あとは火が通りやすいようにあんまり分厚い金型には出来ないからね」
「ああ、そういう制約があるんじゃったのう。なら、小麦粉を水で溶いた生地を用意してくれんか。実際に火の通りを確認せんことには、金型の厚みも決められんからのう」
「わかりました。準備が出来たら持ってきますよ」
そう約束してデボネアの店を出た。
生地についてはティーノにやはりお願いしてある。
小麦粉を水で溶いたと説明してはいるが、それだけだと物足りない。
牛乳や卵、それに砂糖なんてものを使って生地を作るので、一度本職にサンプルの作成をお願いしたのだ。
それさえ出来てしまえば、作業標準書をつくって俺がやれるようになる。
既に空は夜の帳がおりて、月明かりと家々から漏れる明かりをたよりにティーノの店へと向かう。
治安は悪くはないほうの地区だが、油断すればすぐに善からぬやからがやってきそうな気持ちになるのは、周囲に明かりが足りないからだろうか。
それはすなわち無明と同じだ。
不安、苦しみは無明を原因とし、智慧によって苦しみは無くなる。
俺はこの道の真理を知らないので、ただ暗いというだけで不安を感じているに過ぎず、海印三昧の境地に至ることが出来れば危険の所在がわかり不安は無くなる。
「そういえば、無明は苦の根源で因縁へと結びつき輪廻転生の始まりとなるだったか」
前世で仕事で悩んで精神的に追い詰められた時に、近所の寺でやっている座禅に参加したときに聞いた話程度の知識だが、ふと今それを思い出した。
「転生したけど今回も大悟にいたらなければ、来世もどこかに転生かな。いや、まずは目の前のデイズルークスとサクラのことを解決してからだな」
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