入れ替わりのプリンセス

夜宮

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辺境のお姫様

04. 学園入学 1

 今日は学園に入学する日。

 私はこれから3年間で社交界に出る準備をし、何れ公爵夫人としてルーカス様をお支えすることができる淑女を目指すことになる。

「お嬢さま、用意できてますからこちらにどうぞ」
「ありがとう、ノア」

 ただし、この学園入学について当初の予定と変わったことがある。

 この話を聞いたのは、辺境の家を出る直前のことだったので今でも信じられないような気がするのだが、幼いころからずっと私の護衛を務めてくれているノアが突然私と一緒に学園に通うことになったと言うのだ。

 もちろんノアは私と一緒に王都に来てくれることにはなっていた。でも、学園に入学するなんて話はなかったのに。

「え? でもノアって普通ならもう学園を卒業する年じゃない? ルーカス様よりも年上だったわよね?」

 驚く私にノアは肩を竦めた。

「まあ年は上でも貴族になって一年目というか一か月も経ってないのでお嬢様と同じ学年で始めることになりました」

 ノアは一代限りの騎士爵をもつダンの息子でお父様の信頼する騎士の息子だからということで私の護衛をしてくれている。

「というか、いつからあなた貴族になったの???」

「先日、養子に迎えていただく許可がおりましたので今日で二日、いや三日目ですかね」

「ずいぶん急な事だったのね……ノア、あなたもしかして誰か貴族の令嬢て結婚するの?」

 私が知らなかっただけでどこかの貴族令嬢と結婚するために貴族の身分が必要だったのだろうか?

「なんでそうなるんですか、違いますからね」

 でも唐突に貴族の養子に入るなんておかしくない?

「まあそんなことどうでもいいじゃないですか。俺を養子にと望んでくださった奇特な方がいらしたってことで。

 とにかくお嬢様、学園でお嬢様がきちんと令嬢として振舞っているかどうかこの目でみたことはすべてマリーさんに報告することになってるんで気を抜かないでくださいね。

 俺、マリーさんに嘘とかつけませんのでありのままを報告させてもらいますよ」

 ノアは私の疑問に答える気などないみたいだった。こうなると何を言っても無駄だとわかっていたし、ノアは私の気を逸らすのが上手い。

「え、そんな、でも私たち学園で四六時中一緒にいるわけじゃないでしょう?」

「何言ってるんですか、俺はお嬢様の護衛ですから四六時中一緒にいるにきまってるじゃないですか」

「えーそうなのー」

「そうですよ。そして貴族としては赤子のような俺に、これがノースフィールド家の令嬢だってとこをみせてくださいね。期待してますよ」

「…………」

 まあでも、もちろんお友達は作りたいし社交的な付き合いも熟せるようにならなければならないとわかってはいるものの、王都にはルーカス様以外に知り合いの一人もいない身の私にはノアの存在は実はとても有難かった。

 ルーカス様は上級生だから四六時中一緒にいられるわけじゃないし。

 特に初日にポツンと一人でいるのは辛いって思ってたから。

「じゃあ、ノア、これからは学園の同級生としてもよろしくね。でもずっと私とだけ一緒にいるなんて言わないで、貴方も友人を作ったり、ここでしかできないことをやっていいのよ」

「まあ、考えときますよ」

 こうして、私はひとりぼっちは嫌だなと言う気持がなくなったので、意気揚々と学園へと向かったのだ。

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