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辺境のお姫様
16. お邪魔虫?
サラ様への嫌がらせをの話はなんだかんだでだんだんと下火になっていった。
第一王子派についてはルーカス様が、第二王子派ではライアン王子自らが嫌がらせをやめるように派閥の貴族にむけて諫めたのだという。
サラ様にはちらほらと友人もでき始めているようで、少し遅れてしまったが学園に入学してからやっと落ち着いた生活をおくることができるようになったみたい。
第二王子殿下とも友人関係を続けているようで、一緒にいるのを見かけることもある。
それより、私にとっては少し悩ましい問題もあるのだけれど。
「あ、ノア君!」
新しくできた友人と一緒にいたと見えるサラ様が私と歩いていたノアを呼び止め、パタパタと私たちのほうへと近寄ってくる。
「こんにちは、クロエ様。えっと、少しノア君と話したいんですけどいいですか?」
私は良いとも悪いとも言わずにこちらを見つめるサラ様に向けて微笑んだ。
「あー今はちょっと忙しいんだ。またにしてもらってもいいかな?」
「そうなの……じゃあ、放課後に少し時間もらってもいい?」
「ああーー。何? なんか急ぐのかな?」
「あのね、実は聞いてほしいことがあって。駄目かな?」
そう言って、サラ様はノアを見上げた後で私のほうを見た。
私は意地になって微笑みを浮かべ続けたが口は開かなかった。
「悪いけど、無理だな」
「そう……わかった。じゃあまたにするね。じゃあね、ノア君。すみませんでした、クロエ様」
うーん、これだ。
これだとまるで、私がサラ様と行きたいノアを無理やり引き留めているみたいになってるよね?!
私たちはサラ様がとぼとぼと友人の元へ戻るのに背を向けているが、どこか批難めいた視線を感じずにはいられない。”ノア君”がじゃなく私がですけど。
「別によかったのに、ノア君、彼女の話とやらを今から聞いて差し上げても」
私の言葉にノアはニヤリと笑った。
「その間、お嬢様はどうするんです? まさか話が終わるまでぼーっとつったって待ってるんですか?」
「そんなことするわけないでしょう? 私は私で何かしてるわよ」
「俺の役目はお嬢様から目を離さずにいることなんだから、別行動とか基本的にはありえませんけどね」
「あら、私と一緒じゃないときに、ノア君とサラ様は個人的な話をする仲になったんじゃなかったかしら?」
私の言葉にノアは天を仰いだ。
「お嬢様がルーカス様といるときに、偶々、あの娘がなんか言われているところに通りかかっただけなんですって。
その令嬢たちを追っ払って終わりだったはずなのに、なんかそれからお互い突然貴族になった者同士だから仲良くしたいみたいなこと言われて、あしらってもあしらってもグイグイ来られてるんです。
正直、俺、あの娘苦手なんですよね。ノア君とか言う呼び方もやめてくれって言っても聞かないし」
サラ様はあの日言ったはずなのに私のこともノースフィールド様ではなくてクロエ様と呼ぶ。
私はサラ様のことを心の中ではサラ様と呼んでいるが、実際に呼ぶとなったらヴェルナー様と呼ぶだろう。
でも、それはそれで抵抗あるからできるだけ名前を呼ばないようにしてるわけだけど。
「王子殿下のことはライ様って呼んでいたみたいだから序列があるのかしら?」
「王子殿下だから様をつけてればいいというものじゃなさそうですけど、まあ、そうなんでしょうね」
なるほど? それにしても気になるのは、サラ様の私に対する態度だ。
「ふーん。なら、友人のノア君とお喋りするために、私に了解をとるっていうあの感じはなんなのかしら?」
あの、いかにも私がノアとサラ様が親しくするのを邪魔しているとでも言いたげな態度は?
「あー確か、ノア君もライ様と同じで自由に友達がつくれないでいるのね、とか言ってましたね」
そうか、そうくるか。
「あの方、異性の友人を作るのが趣味なのかしら?」
「かもしれませんね。とにかく、お嬢様はあの娘にはかかわらないように。もし、俺が捕まってたら、俺から見える場所で待機。いいですね?」
「嫌に決まってるでしょ」
「いやいや、そこはお願いしますって」
この時は、それでも呑気なものだった。ちょっと気にかかるけど、まあ、いいわという程度の。でも、それではすまなかった。
私の悪い噂がまた人の口にのぼるようになったからだ。
第一王子派についてはルーカス様が、第二王子派ではライアン王子自らが嫌がらせをやめるように派閥の貴族にむけて諫めたのだという。
サラ様にはちらほらと友人もでき始めているようで、少し遅れてしまったが学園に入学してからやっと落ち着いた生活をおくることができるようになったみたい。
第二王子殿下とも友人関係を続けているようで、一緒にいるのを見かけることもある。
それより、私にとっては少し悩ましい問題もあるのだけれど。
「あ、ノア君!」
新しくできた友人と一緒にいたと見えるサラ様が私と歩いていたノアを呼び止め、パタパタと私たちのほうへと近寄ってくる。
「こんにちは、クロエ様。えっと、少しノア君と話したいんですけどいいですか?」
私は良いとも悪いとも言わずにこちらを見つめるサラ様に向けて微笑んだ。
「あー今はちょっと忙しいんだ。またにしてもらってもいいかな?」
「そうなの……じゃあ、放課後に少し時間もらってもいい?」
「ああーー。何? なんか急ぐのかな?」
「あのね、実は聞いてほしいことがあって。駄目かな?」
そう言って、サラ様はノアを見上げた後で私のほうを見た。
私は意地になって微笑みを浮かべ続けたが口は開かなかった。
「悪いけど、無理だな」
「そう……わかった。じゃあまたにするね。じゃあね、ノア君。すみませんでした、クロエ様」
うーん、これだ。
これだとまるで、私がサラ様と行きたいノアを無理やり引き留めているみたいになってるよね?!
私たちはサラ様がとぼとぼと友人の元へ戻るのに背を向けているが、どこか批難めいた視線を感じずにはいられない。”ノア君”がじゃなく私がですけど。
「別によかったのに、ノア君、彼女の話とやらを今から聞いて差し上げても」
私の言葉にノアはニヤリと笑った。
「その間、お嬢様はどうするんです? まさか話が終わるまでぼーっとつったって待ってるんですか?」
「そんなことするわけないでしょう? 私は私で何かしてるわよ」
「俺の役目はお嬢様から目を離さずにいることなんだから、別行動とか基本的にはありえませんけどね」
「あら、私と一緒じゃないときに、ノア君とサラ様は個人的な話をする仲になったんじゃなかったかしら?」
私の言葉にノアは天を仰いだ。
「お嬢様がルーカス様といるときに、偶々、あの娘がなんか言われているところに通りかかっただけなんですって。
その令嬢たちを追っ払って終わりだったはずなのに、なんかそれからお互い突然貴族になった者同士だから仲良くしたいみたいなこと言われて、あしらってもあしらってもグイグイ来られてるんです。
正直、俺、あの娘苦手なんですよね。ノア君とか言う呼び方もやめてくれって言っても聞かないし」
サラ様はあの日言ったはずなのに私のこともノースフィールド様ではなくてクロエ様と呼ぶ。
私はサラ様のことを心の中ではサラ様と呼んでいるが、実際に呼ぶとなったらヴェルナー様と呼ぶだろう。
でも、それはそれで抵抗あるからできるだけ名前を呼ばないようにしてるわけだけど。
「王子殿下のことはライ様って呼んでいたみたいだから序列があるのかしら?」
「王子殿下だから様をつけてればいいというものじゃなさそうですけど、まあ、そうなんでしょうね」
なるほど? それにしても気になるのは、サラ様の私に対する態度だ。
「ふーん。なら、友人のノア君とお喋りするために、私に了解をとるっていうあの感じはなんなのかしら?」
あの、いかにも私がノアとサラ様が親しくするのを邪魔しているとでも言いたげな態度は?
「あー確か、ノア君もライ様と同じで自由に友達がつくれないでいるのね、とか言ってましたね」
そうか、そうくるか。
「あの方、異性の友人を作るのが趣味なのかしら?」
「かもしれませんね。とにかく、お嬢様はあの娘にはかかわらないように。もし、俺が捕まってたら、俺から見える場所で待機。いいですね?」
「嫌に決まってるでしょ」
「いやいや、そこはお願いしますって」
この時は、それでも呑気なものだった。ちょっと気にかかるけど、まあ、いいわという程度の。でも、それではすまなかった。
私の悪い噂がまた人の口にのぼるようになったからだ。
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