寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ

文字の大きさ
87 / 99

八十五

しおりを挟む
「嘘だ!! フォール国王陛下……あなた様にもう一度、お会いできるなんて思っておりませんでした」

「私もです。お久しぶりです、フォール陛下」

『おお、アサトとロカかお前達も立派に大きくなったな。ナサに着いてガレーン国にきてくれたんだな感謝する……おお、この者たちはナサの仲間か? 竜人のおチビども、エルフと鬼人かーー貴殿たちは力を隠してはいるがなかなかに強いな』

「いいえ、私は貴方様の足元にも及びません」
「ええ、敵いません」

「謙遜するな……まあ、貴殿たちが息子のナサ、アサト、ロカと一緒にいてくれるのなら安心だな。チビ達もだぞ、将来かならず心も体も強くなるな」

「ほんと? リヤ、ボクたち強くなるって嬉しいね、ありがとうございます!!」

「嬉しいです、ぼく、ナサのように強くなりたい」

「ガハハ、いまのまま、みんなと仲良く過ごしておれば、おのずと強くなるぞ!!」

 ハッと、アサトとロカは膝を突き、カヤとリヤ、リキとミカは頭を下げた。ここの誰とも違う圧倒的な力の差を感じた。
 
「シッシシ、やっぱり親父はスゲェなぁ。そして、お袋のこと好きだったもんな」

『ハッハハ、今も大好きだ、愛している。ワシにはアイツしかいない! が、早くワシのところに来てほしいとは思っておらんよ。息子たちの成長を見守り、心ゆくまで生きてからワシのところに来てほしい……好きな人ができないでいてほしいと、思うのはワシのエゴだな」

 ナサとお父様は親子で楽しそうに会話してる。
 ワシにはアイツしかいないと言ったお父様の言葉ーー獣人の愛の深さ、それが番なのだとすると、わたしはナサにそうとう愛されている。

(嬉しい。その愛にわたしは返せるかしら?)

『それで人間のお嬢さんはそこに隠れて何をしておる?』

 わたしがコッソリ眺めていたことが、ナサのお父様にバレていたらしくて、鋭い視線が突き刺さる。

 それにナサはすかさず。

「オレの嫁です」

 ナサの言葉に瞳を大きく開いたお父様。

『え、ええ、ナサはそこにいる人間のお嬢さんと結婚したのか? 人だぞ、あの子はワシらを怖がらないのか?』

「はい、まったく怖がりませんし、オレをーーオレだけを愛してくれます」

『ほおっ、そんな人間がおるのだな……近寄って、顔を見せてくれるかな?』

 お父様の瞳が細められて、こちらに来いと手招きされた。

「リーヤ、おいで」

 ナサに呼ばれて門から顔を出した。

「は、はい、いま行くね。………は、はじめまして、リーヤと言います」

 ドッシリみんなの中央に座るナサのお父様の前に移動して、スカートを掴んで挨拶した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

年に一度の旦那様

五十嵐
恋愛
愛人が二人もいるノアへ嫁いだレイチェルは、領地の外れにある小さな邸に追いやられるも幸せな毎日を過ごしていた。ところが、それがそろそろ夫であるノアの思惑で潰えようとして… しかし、ぞんざいな扱いをしてきたノアと夫婦になることを避けたいレイチェルは執事であるロイの力を借りてそれを回避しようと…

婚約者を想うのをやめました

かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。 「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」 最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。 *書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。

白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする

夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、 ……つもりだった。 夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。 「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」 そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。 「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」 女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。 ※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。 ヘンリック(王太子)が主役となります。 また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。

次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛

Rj
恋愛
王子様と出会い結婚したグレイス侯爵令嬢はおとぎ話のように「幸せにくらしましたとさ」という結末を迎えられなかった。愛し合っていると思っていたアーサー王太子から結婚式の二日前に愛していないといわれ、表向きは仲睦まじい王太子夫妻だったがアーサーにはグレイス以外に愛する人がいた。次代の希望とよばれた王太子妃の物語。 全十二話。(全十一話で投稿したものに一話加えました。2/6変更)

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。

藍川みいな
恋愛
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」 憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。 彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。 すごく幸せでした……あの日までは。 結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。 それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。 そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった…… もう耐える事は出来ません。 旦那様、私はあなたのせいで死にます。 だから、後悔しながら生きてください。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全15話で完結になります。 この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。 感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。 たくさんの感想ありがとうございます。 次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。 このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。 良かったら読んでください。

もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~

桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜 ★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました! 10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。 現在コミカライズも進行中です。 「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」 コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。 しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。 愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。 だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。 どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。 もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。 ※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!) 独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。 ※誤字脱字報告もありがとうございます! こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。

処理中です...