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十二
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今日はいつもとは違い、具合が悪いのかリュート様は、部屋から一歩も出てこない。
心配で扉越しに話しかけても、彼は大丈夫だとしか言わなかった。
そして一人で学園に行けば。
「リリア嬢! 貴様のせいで俺は留学させられ、ララーナ嬢は学園を退学させられてしまう」
テラスで昼食の後、友人と別れた瞬間にレオーン王子に捕まり、訳のわからない事を言われた。
「それはあなた達が招いた事で、私のせいではありませんわ」
「うるさい! 貴様のせいだ」
まったく、あなたは何を言っているの?
「話にならないですわ。ご機嫌よう」
これ以上話を聞いても、しても疲れるとレーオン王子に背を向けた。
何を言っても振り返らず屋敷に戻り、メイドのカーリーにリュート様の様子を聞いた。
「リュート様の様子はどう?」
やはり今朝から部屋から出て来ていないらしく、朝からなにも食べていない聞き、昼食を持ち彼の部屋を訪れた。
「リュート様、食事を持ってきたの」
「リリアさんか……入り口に置いて、おいてくれる?」
それ以外の会話はない。寂しい、いつもの様に側で話をしたい。
また後で食器を片付けるついでに、見にこようと、食事を置いて彼の部屋から離れた。
今日のお菓子は失敗してしまい、丸こげ寸前のバタークッキーが出来上がった。
「これではリュート様にあげれないわね」
夕飯を持って行くついでに、食器を下げに行くと昼食はされたみたいだった。ホッとして、食器を下げようと彼の部屋に近付いた。
「くっ、はぁ……」
リュート様の部屋から辛そうな声、思わず扉を叩いた。
「リュート様、大丈夫ですか? お医者をお呼びしますか?」
「いいや、平気です。リリア嬢、明日には治るから……今日はこのまま、そっとしておいて欲しい」
「……わかった、明日には治るのね」
ホッとして、部屋から離れようとしたとき。
甘く、体を痺れさすような香りを感じた。
その香りを嗅いだ途端に、ぞくりと体の中がじわり熱くなる。
急激に息が上がり、汗が噴き出して、おへその下あたりがうずく。
足に力が入らす、その場にぺたりと座ってしまった。
「あ、ああぁっ……な、なに?」
か細く鳴いた私の声に、リュート様がいち早く彼が気付いた。
「どうしたの、リリア嬢?」
「はぁ、はぁ……な、なんでもありません、、わ。気にしないでリュート様」
息の上がった、この姿を見られたくない。でも、リュート様の部屋から香る、この香りから逃れられない。
「はぁ、はぁ……ふっ……んんっ」
ガチャッと扉が開き、中からは濃く甘い顔を共にリュート様が現れた。
彼は扉の側で息が上がり、立てない私を見て驚いているようだ。
リュート様が近付けば、近づくほど甘い匂いに酔い痺れる。
「甘い……この香り、あっ、ひゃぁん」
「まさか、リリア嬢⁉︎ 君が僕のこの匂いで? 薬は飲んでる?」
く、す、り?
「薬とは? なんの薬です?」
知らないのか! リュート様が私を抱きしめて、部屋の中に連れて行く。
部屋の中は甘い匂いが充満していた。この匂いをもっと嗅ぎたい。身体中が熱く、うずいた。とうに正気はない。自分がどんな表情をしているのかも、わからない。
あるのは熱い体だけ。
「あぁん、リュート様助けて、体が熱い、ふわぁ。あなた、から漂うこの香りが好き。あなたが物凄く欲しい」
ただ、リュート様が欲しくて求めた。
「くっ、リリア嬢に……効くといいけど。今、薬を飲ませるよ」
リュート様は何かを口に含むと、水と一緒に私に飲ませた。
ゴクリと冷たい水が喉を通る。それすら感じてしまい、彼を求めてしまう。
「んっ、もっとしてぇ」
「リリア……はぁ、この薬が効けばいいが……リリア、この香りはやはり君は僕の番なんだな。君の匂いがたまらない。早めに薬を飲んでおいて良かった。リリアのこの姿は堪らない、君を抱いて、抱き潰してしまう」
リュート様の熱い愛の告白と、たくましい胸に抱きしめられた。
「はぁ、この香り好き、好き……あっ……ん」
いいだけ彼に擦り寄り、噛み噛みして、薬が効いてきたのか私は体の力が抜けて、眠りに落ちていった。
「リリア、ゆっくりおやすみ」
リュート様の優しい言葉に深い眠りに落ちた。
心配で扉越しに話しかけても、彼は大丈夫だとしか言わなかった。
そして一人で学園に行けば。
「リリア嬢! 貴様のせいで俺は留学させられ、ララーナ嬢は学園を退学させられてしまう」
テラスで昼食の後、友人と別れた瞬間にレオーン王子に捕まり、訳のわからない事を言われた。
「それはあなた達が招いた事で、私のせいではありませんわ」
「うるさい! 貴様のせいだ」
まったく、あなたは何を言っているの?
「話にならないですわ。ご機嫌よう」
これ以上話を聞いても、しても疲れるとレーオン王子に背を向けた。
何を言っても振り返らず屋敷に戻り、メイドのカーリーにリュート様の様子を聞いた。
「リュート様の様子はどう?」
やはり今朝から部屋から出て来ていないらしく、朝からなにも食べていない聞き、昼食を持ち彼の部屋を訪れた。
「リュート様、食事を持ってきたの」
「リリアさんか……入り口に置いて、おいてくれる?」
それ以外の会話はない。寂しい、いつもの様に側で話をしたい。
また後で食器を片付けるついでに、見にこようと、食事を置いて彼の部屋から離れた。
今日のお菓子は失敗してしまい、丸こげ寸前のバタークッキーが出来上がった。
「これではリュート様にあげれないわね」
夕飯を持って行くついでに、食器を下げに行くと昼食はされたみたいだった。ホッとして、食器を下げようと彼の部屋に近付いた。
「くっ、はぁ……」
リュート様の部屋から辛そうな声、思わず扉を叩いた。
「リュート様、大丈夫ですか? お医者をお呼びしますか?」
「いいや、平気です。リリア嬢、明日には治るから……今日はこのまま、そっとしておいて欲しい」
「……わかった、明日には治るのね」
ホッとして、部屋から離れようとしたとき。
甘く、体を痺れさすような香りを感じた。
その香りを嗅いだ途端に、ぞくりと体の中がじわり熱くなる。
急激に息が上がり、汗が噴き出して、おへその下あたりがうずく。
足に力が入らす、その場にぺたりと座ってしまった。
「あ、ああぁっ……な、なに?」
か細く鳴いた私の声に、リュート様がいち早く彼が気付いた。
「どうしたの、リリア嬢?」
「はぁ、はぁ……な、なんでもありません、、わ。気にしないでリュート様」
息の上がった、この姿を見られたくない。でも、リュート様の部屋から香る、この香りから逃れられない。
「はぁ、はぁ……ふっ……んんっ」
ガチャッと扉が開き、中からは濃く甘い顔を共にリュート様が現れた。
彼は扉の側で息が上がり、立てない私を見て驚いているようだ。
リュート様が近付けば、近づくほど甘い匂いに酔い痺れる。
「甘い……この香り、あっ、ひゃぁん」
「まさか、リリア嬢⁉︎ 君が僕のこの匂いで? 薬は飲んでる?」
く、す、り?
「薬とは? なんの薬です?」
知らないのか! リュート様が私を抱きしめて、部屋の中に連れて行く。
部屋の中は甘い匂いが充満していた。この匂いをもっと嗅ぎたい。身体中が熱く、うずいた。とうに正気はない。自分がどんな表情をしているのかも、わからない。
あるのは熱い体だけ。
「あぁん、リュート様助けて、体が熱い、ふわぁ。あなた、から漂うこの香りが好き。あなたが物凄く欲しい」
ただ、リュート様が欲しくて求めた。
「くっ、リリア嬢に……効くといいけど。今、薬を飲ませるよ」
リュート様は何かを口に含むと、水と一緒に私に飲ませた。
ゴクリと冷たい水が喉を通る。それすら感じてしまい、彼を求めてしまう。
「んっ、もっとしてぇ」
「リリア……はぁ、この薬が効けばいいが……リリア、この香りはやはり君は僕の番なんだな。君の匂いがたまらない。早めに薬を飲んでおいて良かった。リリアのこの姿は堪らない、君を抱いて、抱き潰してしまう」
リュート様の熱い愛の告白と、たくましい胸に抱きしめられた。
「はぁ、この香り好き、好き……あっ……ん」
いいだけ彼に擦り寄り、噛み噛みして、薬が効いてきたのか私は体の力が抜けて、眠りに落ちていった。
「リリア、ゆっくりおやすみ」
リュート様の優しい言葉に深い眠りに落ちた。
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