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住んでいた――サンチェ大森林からつれてこれた俺は、ファンタジーにでてくるようなヨーロッパ風の建物が並ぶ、どこかの王都にきている。
俺達は数人の騎士たちに囲まれ、街中を歩いていた。
(おお、スゲェ――これが異世界ファンタジーの王都かぁ。ん? 空に島が浮いてる……ハァ、面白い)
異世界ファンタジーの世界に浮かれる俺と、他の場所から連れてこられたみんなは俺と同じ黒い首輪をつけ、服と髪がボロボロで、中には怯えて泣いている子もいた。
ここに連れてこられたのは、エルフ三人、獣人三人か、竜人一人か……
――この子達も俺と同じで、ひどい目にあったみたいだな。
そして――亜人は言語が違い、人の言葉が分からないと思っているらしく、王都の住民、騎士達は俺たちをこきおろした。
「何あのボロ雑巾のような連中は?」
「見ろよ、あの長い耳エルフだ、獣人もいるぞ!」
「亜人とは汚い連中だ」
「あの長い耳を見ろよ」
「こんな奴らに、私達は守られなくてはならないのか!」
とか、まぁ、言いたい放題だ。
――クッソ、お前らの言葉は全部わかってんだ! と、言いたいがここは我慢した。
そんな、騎士達の中で一番ガタイのいい男は周りを注意する。
「お前ら、亜人達が人の言葉が分からないからと言って、いい加減に口を慎め! 市民ども! これからコイツらに助けてもらうのに、なんて言い草だ! って……そこのエルフの坊主、お前はまたか!」
「こっちに行くんだろ?(亜人語)」
「違う、待ちやがれ!」
迷子札の俺があちこち行くもんだから、終いには、そのガタイのいい男のゴツゴツした手に繋がれる。
「エルフの坊主、逃さんぞ!」
――ウゲッ、男の手はいらん!
「……すみません。どこにも行かないから、その手を離してください」
「ん? なんだお前――人間の言葉が話せるのか! …………あ――、すまなかったな坊主」
「別に、気にしていない」
「そうか? それならいいが。……えっと、捕まえたコッチが言うのもなんだが、女の子を助けてカッコよかったぞ」
――周りの言葉で、傷付いたとでも思ったのか?
――俺を褒めるか、オッサン。
――俺はどんなときも、イケメンでカッコ良い!
「フン、女の子は守らないと、それにあの子には色々と世話になったからな」
「エルフの坊主、お前いい男じゃないか」
「うわぁ! 頭を撫でるなぁ!」
「ハハハッ、お前、面白いな」
――ますます、オッサンに気に入られたのか……オッサンが手を離してくれない。
「そうだ、エルフの坊主は無詠唱で魔法を使ったよな、あれはどうやったんだ?」
「どうやったって、頭の中で水を思い浮かべて、だしただけだ!」
「うはっ! 説明が全く分からんが! 魔力があると、そんなこともできるんだな――ガハハッ!」
――魔力か。
まったり、ほのぼのと、イケメンエルフ生活を満喫していたからか。ファンタジー世界によくある機能が使用できるか、実験するのを忘れていたよ。
魔法は一応使える。あと、薬草、ポーション、アイテムボックスとかもあるんだよな。……アイテムボックスは俺にも使えるのかな――多分、使えるな。
――シシシ、魔法が使えるようになったら、こんな所から逃げてやる。
「なあ、坊主」
「ん?」
オッサンは俺の首にかかる札が気になったようで。
「それでお前が首から下げてる。その札になんて書いてあるんだ?」
迷子札を指差しした。
「ひ、秘密だ!」
と言ってやると、周りの亜人の子達はクスクス笑った。
同じエルフ、獣人と竜人だから、この札の文字読めるよな。
「ちょっ、お前ら笑うなぁ!」
俺の迷子札で少しだけ、まわりが和んだのは確かだ。
俺達は数人の騎士たちに囲まれ、街中を歩いていた。
(おお、スゲェ――これが異世界ファンタジーの王都かぁ。ん? 空に島が浮いてる……ハァ、面白い)
異世界ファンタジーの世界に浮かれる俺と、他の場所から連れてこられたみんなは俺と同じ黒い首輪をつけ、服と髪がボロボロで、中には怯えて泣いている子もいた。
ここに連れてこられたのは、エルフ三人、獣人三人か、竜人一人か……
――この子達も俺と同じで、ひどい目にあったみたいだな。
そして――亜人は言語が違い、人の言葉が分からないと思っているらしく、王都の住民、騎士達は俺たちをこきおろした。
「何あのボロ雑巾のような連中は?」
「見ろよ、あの長い耳エルフだ、獣人もいるぞ!」
「亜人とは汚い連中だ」
「あの長い耳を見ろよ」
「こんな奴らに、私達は守られなくてはならないのか!」
とか、まぁ、言いたい放題だ。
――クッソ、お前らの言葉は全部わかってんだ! と、言いたいがここは我慢した。
そんな、騎士達の中で一番ガタイのいい男は周りを注意する。
「お前ら、亜人達が人の言葉が分からないからと言って、いい加減に口を慎め! 市民ども! これからコイツらに助けてもらうのに、なんて言い草だ! って……そこのエルフの坊主、お前はまたか!」
「こっちに行くんだろ?(亜人語)」
「違う、待ちやがれ!」
迷子札の俺があちこち行くもんだから、終いには、そのガタイのいい男のゴツゴツした手に繋がれる。
「エルフの坊主、逃さんぞ!」
――ウゲッ、男の手はいらん!
「……すみません。どこにも行かないから、その手を離してください」
「ん? なんだお前――人間の言葉が話せるのか! …………あ――、すまなかったな坊主」
「別に、気にしていない」
「そうか? それならいいが。……えっと、捕まえたコッチが言うのもなんだが、女の子を助けてカッコよかったぞ」
――周りの言葉で、傷付いたとでも思ったのか?
――俺を褒めるか、オッサン。
――俺はどんなときも、イケメンでカッコ良い!
「フン、女の子は守らないと、それにあの子には色々と世話になったからな」
「エルフの坊主、お前いい男じゃないか」
「うわぁ! 頭を撫でるなぁ!」
「ハハハッ、お前、面白いな」
――ますます、オッサンに気に入られたのか……オッサンが手を離してくれない。
「そうだ、エルフの坊主は無詠唱で魔法を使ったよな、あれはどうやったんだ?」
「どうやったって、頭の中で水を思い浮かべて、だしただけだ!」
「うはっ! 説明が全く分からんが! 魔力があると、そんなこともできるんだな――ガハハッ!」
――魔力か。
まったり、ほのぼのと、イケメンエルフ生活を満喫していたからか。ファンタジー世界によくある機能が使用できるか、実験するのを忘れていたよ。
魔法は一応使える。あと、薬草、ポーション、アイテムボックスとかもあるんだよな。……アイテムボックスは俺にも使えるのかな――多分、使えるな。
――シシシ、魔法が使えるようになったら、こんな所から逃げてやる。
「なあ、坊主」
「ん?」
オッサンは俺の首にかかる札が気になったようで。
「それでお前が首から下げてる。その札になんて書いてあるんだ?」
迷子札を指差しした。
「ひ、秘密だ!」
と言ってやると、周りの亜人の子達はクスクス笑った。
同じエルフ、獣人と竜人だから、この札の文字読めるよな。
「ちょっ、お前ら笑うなぁ!」
俺の迷子札で少しだけ、まわりが和んだのは確かだ。
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