三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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 ――王都の東端。
 さびれた建物のなかにある、大学の講義室のような場所に連れてこられた。

「好きなところに座って待っていてくれ、くれぐれも逃げ出そうとするなよ」

 と、俺たちを連れてきた騎士は周りに立つ。
 しばらく待つと黒いローブを着た男性がやってきて、黒板のようなものに亜人の言葉で『よろしく』と書き――そのまま亜人言葉で自己紹介した。

「私の名前はサンだよろしく」
 
 被っていたローブを取るとシルバーの髪とグリー色の瞳。ローブの男は俺と同じエルフだった――そして、首に同じ首輪がついていた。

「いまからこの国、ベルサリム国の話をする」

 それだけ言うと、サンは淡々と黒板を使い語る。

 ――そんな、サンの姿を見ていて、俺は嫌な思考が浮かんだ。

 亜人の中でも長寿とされるエルフ。
 人に捕まれば死ぬまで何百年、何千年と、ここで人間に使われるのか?
 
 ――俺はぜってぇ、嫌だな。

 一通り説明が終わると騎士に、施設の一人部屋に案内された。俺は部屋に入り、さっそくベッドに寝転び、習ったこの国のことを考えた。


 俺がいたのはロールラン大陸――西の果のサンチェの森。
 その同じ大陸にある勇者の国と呼ばれる、ベルサリムに連れてこられた。

 大昔、サンロール海を挟み魔王国――サタナ大陸があった。

 魔王は数百年前――大陸全土を支配しようと企んだが、勇者パーティーによって討伐された。いちやく英雄となった勇者ロックは、ベルサリム国の第一王女と結ばれて時期の国王となる。

 代々勇者の血を引く者が生まれる王都ベルサリム。
それに対し、魔王がいたキリジル国はものけのから――魔王討伐ですべてが終わればいいのだが、魔王の恨み、思念、がベルサリムの国を攻撃してくるのだとか。

 ――ベルサリム? キリジル? 

 なぜ今回、サンチェの森に住むエルフ、獣人たち、亜人達が襲われたのかと言うと。ベルサリムの国王が二十四歳の若さで崩御したのだ。そして、第一王子はまだニ歳だと言う。彼が勇者の力が目覚める歳は成人――十六歳。その間、国を守るものが欲しいとのこと。
 
 ちょっと待て、亜人に力を借りたいのなら、話し合いでこいよ!

(いきなり騎士が押し寄せて、森を焼き、俺達の住処をなくした。ここが勇者の国だとか知らないけど、まるで扱いが奴隷だな……ファンタジー、小説のような展開だ)

 ――クソッ、酷い目にあったが、エルフのみんなは無事だし、いいっか。

 明日から三年間は学園に通い、魔法などの訓練を受けてもらい。優秀な者が王都の上に浮く、空森島でこの国を守っていただきます。

『逃げとうとしても、その勇者印の首輪があなた達を逃しません』……か。

 この首輪には勇者の力が込められているのか……
 これを外さないと逃げれない――力がない俺では、いま外すのは無理だな。

 まあいい、学園で魔法をしっかり習うか。
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