三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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十一

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 エルフのお兄さん行きましょうと、身なりの良い天使は、小さな手で俺の手を握った。俺に弟がいたらこんな感じなのか。

 ――昔もいまも兄弟はいないから、感動するな。

「ごめんなさい。ボクが皆さんに会いといと、わがままを言ったんです」

「そうなんだ、べつに謝らなかくていいと思うよ。城になんて滅多に来れないから、色々とみれて面白いし!」

「ほんとうですか? そう言ってくれると嬉しいです!」

 笑った顔が可愛いなぁ。……この可愛い天使の案内のおかげで、俺は王の間に迷わず着いた。

 扉の前でオッサン騎士団長、副団長、みんなとサン先生……天使の側近二人が待っていた。オッサンと副団長は天使に気気が付き騎士の挨拶をする。

「ルオ王子、お付きの人に話は聞きました」
「若きこの国の太陽。ルオ殿下」

「まだ子供のボクにギム団長とリュークス副団長は、頭を下げなくていいよ」

 天使は微笑みオッサンと副団長の肩に手を乗せた。


 ーーなんだろう? 尊い。


 その横で俺は、はじめての場所に置いて行ったサン先生を見ている。先生は悪いと思っているらしく、いつもの覇気がない。

 スースーッとそばに行き。

「サン先生、酷いな……置いていくなんて」

「ごめん、この城では嫌な思い出しかなくてね。メイドに知らない場所に連れて行かれたとか、令嬢の奴隷になりそうだとか……怖い」

 先生の話マジで怖いな! 
 俺も天使に会わなければ……同じ目か。

「しゃーないなぁ、俺のとっておきの魔法ーーここにいる人以外に、サン先生の姿が見えなくなる魔法をかけてあげよう。……本当は人が嫌だと怖がる仲間がいたらと思って魔法を覚えたんだ。みんなは平気そうだし、ニシシ」

 と先生に向けて言ったが「はい!」「オレも!」と、エンを抜かした仲間がみんなは次々と手を上げた。平気そうに見えてみんなは人が怖かったらしい。

(よかった。人の言葉を分からずしといて……)

 俺はサン先生とみんなにその魔法をかけた。



 その様子を見ていた天使は、俺達に胸に手を当て頭を下げる。

「君たちに怖い思いをさせたね。次回よぶときには馬車を用意させるよ……本日は来てくれてありがとう。ボクはまだ子供だから君達に偉いことは言えない。ほんの気持ち、みんなで食事をしたいと思ったんだ」

 天使の指示で騎士が扉が開けられた。その扉の向こう側に食事が準備されていた。一人一人名前が書かれたプレートと、俺達エルフの前の料理におどろかされる。


 ーーサラダ、サラダ、果物? 飲み物は水?


(エルフは森の精霊と呼ばれて、自分達で狩もするし、畑も作る。食事も人とほぼ変わらない。……まあサラダは嫌いじゃないが肉も食いたいな)

 俺が騎士団長の肉を凝視していたからか、他のエルフが料理に困惑していたのかわからないが、天使が焦る。

「エルフはお肉を食べるの?」

 その問いに気落ち気味のサン先生ではなく、オッサンが答えた。

「ルオ王子、エルフもみんなと同じ食事をとります。お心遣いはありがたいですが……みんなど同じ食事にしていただきたい」

 テーブルの王座に座り、オッサンの話を聞いた天使は頷き、天使は口に手を当て考える素ぶりを見せボソッと呟いた言葉。はじめて会ったときも思ったが、五歳の子供とは違い、天使は大人びている。

「そうなのか。昔ーー漫画と小説でエルフは菜食主義だと、書かれていたからそう思っていたけど。実際のエルフは違うのか……悪いことしてしまったな」

 え、漫画、小説? 天使は俺と同じ転生者かと眺めていた。次に見せた困った表情で眉を人差し指でかく仕草が、フッと前世の友とかぶった。

 ちょっ! 今、アイツを思い出したぞ……でも、まさかなぁ。

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