三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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十六

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「ん! …………んん? くっさぁ!」

 あまりの臭さに目が覚めると魔女の膝枕ではなく、俺は作業台に寝かされていた――三つ巴の争いは終わっていて、他のみんなは説明を聞いているみたい。

「サン先生?」

「あ、ローリス君、目が覚めのか……」

 臭い作業台に一人放置かと思ったが、近くにサン先生がいた……気まずそうに話しだした先生の話では、これから講義の時間以外は先生に魔法を習う。そして、五年後――俺が成人となる十五になったら、いま空森島にいる人達と交代して空森島に行くらしい。

 ――俺の魔力だと一人で王都を守れるのだとか。

「これから、よろしくね」
「ああ、よろしく。サン先生!」

「…………っ」

(先生……そんなにオドオドしなくてもいいんじゃないか? 俺としては空森島は楽しそうだからいい。とは、言ってやらないけど)

「小僧、こっちに来い」

 目が覚めた俺にオッサンが説明してくれる。獣人組みはオッサン担当、俺以外のエルフは魔女、エンは副団長で、俺はエン先生か……それぞれ力別に分けられた。


 ――五年後、空森島かぁ、楽しみだな。



 そしてはじまった講義以外の魔法訓練――みんなは三年後、獣騎士、衛生兵、薬師、竜人隊になる為の試験があり、俺も魔導師になる試験を受けるらしいのだが。そんな俺に方向音痴の他に最大な欠点があった。魔法が的に当たらない――一応当たるのだけど、狙った的に思い通りにあたらない。

 中央の的を狙ったはずが両端の的にあたる……それにはサン先生も苦笑いしたけど……

(ノーコン。コントロールまで……悪いとは)

「ローリス君は魔法のコントロールは悪いですが、結界魔法は完璧なので、そちらを強化いたしましょう。次回から薬草の育て方、回復薬、回復魔法も教えますね」

「薬草? 回復薬?」

「少し前に魔女ニーチェが言っていましたポーションです。材料の育て方とポーションの作り方を教えます」

 なんでも空森島には俺が住む家、温室と畑があり、俺が好きなように使っていいらしい。一人暮らしも長いから料理のレパートリーもある。暇な時には料理をするのも楽しそうだ。

 まあ、魔法は魔力量が多いらしいから――二年後の試験までにコントロールが定まらなければ。数撃ちゃ当たる作戦だな、魔導師になる為の試験に受かるにはそれしか方法がない。後は薬草の知識、オリジナル魔法も生成しなくては。

 ――ん? 来るな。

 俺は黒々しい魔力を感じて空を見上げる。魔法を習い前よりもはっきり見える。空森島にいる魔導師達は王都に結界を張り、いくつも飛んでくる魔弾を撃退している。そして今――いくつもの光が魔王城に向けて飛んでいく。

 あの時は見えなかったが。空森島にいる魔導師達は王都を守りながら、攻撃もしていたのだ。――五年後、俺はあれを一人でこなすのか。それだけの魔法量はあると魔女診断でもサン先生も言うけど、俺はそんなに器用じゃないぞ。

 楽しみではあるが、少し不安も芽生えた。
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