三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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十七

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 俺は必死に施設内を転移しまくっている。それはなぜかというと――ナイスバディの魔女が追ってくる。

「ローリス君、逃げないでぇ!」

 ――うおっ、さすが魔女。俺専用の転移魔法まで使いこなしてるぅ。

 はじめは施設内の調合室の中を走り回った。必死に逃げる俺をサン先生と仲間のエルフは笑って見ていたけど――ヒデェ、助けろよぉ! そして俺はかなり魔女先生に気に入られたようだ。

(俺はわからないが、相当品物がいいポーションができたと、先生二人はいっていたな)

「やっぱり、才能があるローリスの子種が欲しいわ。私とあなたが結ばれれば、稀にみない賢者、魔法使いが生まれる!」

 ――女性にこんなに好かれるのは、初めてで嬉しいけど。魔女先生はすぐに抱きつくから困る! あの胸は魔性だ!


 そんなに凄いポーションになのかぁ? 
 ん? あれ、魔女先生の他に二人見えるけどって、あのお風呂場であった施設の職員! 何々追っかけっこ? あの子捕まえるの? お風呂でも覗いた? とか言っていないで、助けてぇ!

 ――お風呂を覗いたのは、一度だけです!

 サン先生の案で『ポーションを作ろう!』という、魔女の実技ありの講義に、参加させてもらっただけなのにぃ! ……体力の限界、足がつった。

 ポフッ、魔女の胸に捕まった俺。

「ローリス君、捕まえたぁ!」

「はい、捕まりました。が、待ってください……俺は五年後、空森島に勇者が成人するまで、行くことになっています。もし、もしですよ。俺に好きな人ができなかったら……魔女先生の気持ちが変わらなかったら考えます!」

 その言葉に魔女先生は微笑み。

「それほんとう? じゃ、約束ねぇ」

 チュッと頬にチュッとキスをした……キ、き、キス!! それすら、慣れていない俺は鼻血をだして倒れた。

「ローリス君?」

「少年は慣れていないのかにゃ?」
「告白といい、純朴ね」

 ――微笑んだ魔女先生は可愛かった。



 魔法の訓練が進んだけど、相変わらずのノーコンの俺。
 今日はサン先生と空森島に行くため、朝からウキウキの俺と。仕事だから仕方がないと、行きたくないのか……先生はため息ばかりつく。

「ローリス君、空森島にいる魔導師のみなさんは一ヶ月に一度の休みで、王都に降りているか家で寝ていまので。静かにサッと見て、サッと帰ってきましょうね」

 ――ほんとうに、行きたくないんだな。

 サン先生に迷子防止の為に、手を引かれながら王都の中を歩き。冒険者ギルドの受付嬢に挨拶して、裏庭にある転移魔法の魔法陣で空森島まで移動する。

(オッサンくらいガタイがいい冒険者と、受付嬢、可愛かったな)

 俺がギルドに興味を持ったとわかったのか、サン先生は冒険者ギルドの説明は、今度してくれると言った。



 ――これが空森島!

 はじめての空森島は、一言で言うなら空に浮かぶ大きな森。

 この森の中には見たことがない、異世界の動物達もみえる。――しかし、空森島に長居をしたくないのか。サン先生は空森島に着いたとたん、俺の手を握り辺りの景色を楽しむ事なく森の中を進み。開けた場所がある森の中央まで連れて来られた。

 サン先生は建物が見える、付近で足を止めて。

 「ここが魔導師達が住む家です。この時間だと、寝ている方もいらっしゃると思うので、静かに見学いたしましょう」

 と、言った。

(ここが五年後俺が住む家……か)

 いつ襲ってくるかわからない魔王の怨念。
 それから王都を守る魔導師達が住む家は…………ログハウス風のボロボロの家だった。

 ――なんだ、この廃墟は!

 
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