三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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空森島

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 荷馬車が見えなくなるまでみていた。そこにサン先生がきて許可がおりたから、書庫にはいれると伝えた。

「ローリス君、エン君、気になりますか?」

 サン先生の言葉にうなずいた。

「あの子たちは国々をたらい回しにならず……この国で最低限の生活になりますが、保障されますので安心してください」

 先生は眉をひそめながら教えてくれた。そうか――ここから逃げることはできないけど、衣食住が保障される。幼い子たちばかりの鉄格子のなかにいた、真っ白な猫耳の女性もか……

(一瞬だけしかみえなかったけど。スゲェ、綺麗なひとだった)

 この国にいればもう一度あえるかな? ――このあと、サン先生に話したのが間違いだった……と後で気付くのだった。



 
「さあ、時間がありません。いきましょう」

 オレンジ色のレンガ造りの外観。その中は木造作りで、びっしり書物がはいった本棚が上下に二段、いや三段もある! ――上にいくには横の階段を登るのか……。俺は異世界の書庫に圧倒されている。

(テンションあがるぅ! みてるだけでも楽しいなぁ) 

 だけと。

「この書物の数の多さはエグい……読みたい本を探すだけで日が暮れる」

「ああ、くれるな」

 エンも、この本の多さに圧倒されてるようだ。

「それは大丈夫ですよ。私はここにある全ての本を把握していますし。中央の地球儀に触れて読みたい書物をつたえれば、光が差して本の場所を教えてくれます」

「え!」

(音声認識? パソコンみたいなものか……?)

 サン先生は時間があると来ているらしく、どの本が見たいかを言えばすぐに教えてくれた――マジに全ての書物を覚えているのか? いつから通ってるとか、先生の歳が"なんさい"か聞かないかと……すごい。

 めったに入れない書庫。俺は野菜とハーブ、薬草の種類と育て方。調合、質のよいポーションの作り方が載る魔導書を探した。魔王の怨念攻撃がない日は暇な空森島だから、なにか趣味を持とうとも思った。

 三食とどけてくれる食事で肉は確保した。あとは野菜が足りないからすぐに食べれるレタス、キャベツなどの葉物野菜を増やしたい。もし何かあったときのために腹痛、頭痛、風邪薬もあった方がいいし。

 ポーションもいえば貰えるけど「ここは異世界だ、自分で作れるのなら作りたい」と、初めて作ったものはあまり回復量が多くない。何本も飲まずに済めば、もっと効率良く魔法が使えるはずだと考えた。 

 ――まあ、一番は俺のノーコンが治ればいいのだけど!

 サン先生とパソコンに頼り、かなりの本を集めていたら、読んでいる時間がなくなった。どの書物も面白そうで読みたいが五時まであと三十分か……一冊読めるか読めない微妙な時間。

「うーん、サン先生に一ヶ月後――降りたときに、また連れてきてもらうかな」

 諦めて本を返そうとしたけど、それを先生が止めた。

「ローリス君、エン君、本を持ってこちらに来てください」

 そう言われてついていくと、先生はカードを取り出して奥の部屋を開けた。なかにはいると灯がつき、部屋の真ん中に大きさはテーブルくらいの平らな大理石の台があった。その台の上には赤い魔法陣が書かれている。

 ――なんだこの台?

 エンと眺めていると、先生は俺の手から本を一冊取り、台に置いた。

「ローリス君、エン君。書物を台の左側に置き、このように魔法陣に触れてください。そうすると魔法陣が光ります。魔法陣の光が消えれば反対側に本が複製されています。複製された本は二週間たつと消えます」
 
 と、複製された本を手に取り、みせてくれた。
 
(ひぇええ――! ……魔法のコピー機か?)
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