三十歳、アレだと魔法使いになれるはずが、異世界転生したら"イケメンエルフ"になりました。

にのまえ

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空森島

十六

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 うーん、どうしよっ……ヌヌがここで働く。
 いま、空森島に彼女の家が建てられているのだが。完全に男としてみられていないのか、それとも害がないと思われたのか。

 ――いちおう俺も男なんだよなぁ。そりゃ、無理に襲うとかはしないけどさ。

 彼女がいるとサーチ魔法で魔王の攻撃がわかりやすい、ポーションの数も減る。そうなれば量産できてギルドにおろせる。

 それに。ヌヌの事情もサン先生から聞いた、彼女は別れた妹を探したい。だからあの時――妹のためにと言ったのだろう。空森島で国のために働けば、妹を探すと言われたのだとか。

 彼女にとって苦渋の決断だろうな――だって、男と一ヵ月もここにいるんだ。美味いもん作って癒そう、それしか俺にはできないし。

 それなのに……まだ俺シャツ着てる。

「ローリス君、畑の手伝いきたよ」
「おお、サンキュー」

 尻尾穴が空いたシャツだが――まさか、ワンピースとか持っていないとか? いや、空森島にくればいくらか支給してくれるし、給料を貰えて、生活用品は国持ちだ。

 ――聞いたほうがいいのか、余計なお世話か……わからん。

「どうしたの?」
「ん? 今日の昼なに食べようか考えてたんだ」

「お昼! なに作るの?」
 
 お、ヌヌが嬉しそうだ。昨日は朝はピザパン、昼はキノコスパ、夜はハンバーグだったな。彼女も俺に引けをとらないくらいに食べるから、作っていて楽しい。

「玉ねぎとジャガイモのオムレツ、なんちゃってお好み焼き……煮込みうどんとか?」

「どれも捨てがたい! 煮込みうどんにする!」

「じゃーそれで決まりなっ!」

 トマト、ベーコン、塩コショウ、コンソメ、チーズで作る洋風煮込みうどんを四人前作ったが。二人でペロッと完食した。ちなみに付け合わせのパンも。

 後片付け中。

「はぁ、美味しかった、ローリス君がつくる料理って、全部おいしいから太っちゃう」

 と笑う彼女。あれ、俺は彼女の胃袋掴んだのか?

 

「ローリスが作る飯はうまい!」

 夕飯はエンも呼んで三人でとった。作ったのは野菜たっぷりのビーフシチューだ。パンを焼き、大鍋に作ったが……からっぽだ。いまはエール片手に漬け込んだ鶏肉をアテに焼いて食べている。

「そうだ、昼間のうどんが残ってる、焼きうどんも食うか?」

 食べると言うので、作って大皿にだしたが食べきった。

「腹いっぱい!」
「お腹いっぱい」

「俺も、さてと、露天風呂の用意してくる」

 先に、ヌヌにはいってもらい俺とエンは後片付け。あがったら交代して、俺とエンは露天風呂に向かった。

「フゥ、風呂は最高!」
「ローリス、またしばらく王都を離れ」

「はぁ? 二、三日に帰ってきたばかりだろう?」

 近ごろモンスターが増えたと、エンが所属する竜騎士部隊、獣人部隊は遠征に出ることが多くなった。それは、勇者がいないからだといわれている。

 勇者の力を受け継ぐ国王が早く亡くなった。
 
 本来なら――勇者がいるだけでモンスターは減り、魔王からの怨念攻撃も抑えられるが。残された勇者の血を引く王子はまだ十歳――勇者の力が発動する成人まで、あと五年は待たなくてはならないのだ。

「エン……俺が作ったポーションを待っていけ、数はあまりないが役に立つだろう」

「いいのか? お前だって必要だろう?」

「俺はヌヌさんもいるし。また、作ればいい」

「そうか。ありがとう、ローリス」

「礼はいらん! 友のお前が怪我なく戻ってきてくるほうがいい」
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