魔力なし悪役令嬢の"婚約破棄"後は、楽しい魔法と美味しいご飯があふれている。

にのまえ

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第二章 ストレーガ国までの帰路

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「ほんと、ニンニクが効いた名前の通りのガッツリ丼だな……生の卵を落とすとなお美味い」
 
「ガツンとニンニクがきて、いくらでも入るっ~ルーチェちゃん大盛りのおかわり!!」

「ベルーガ、食べ過ぎだ!」
「兄貴、ベルーガ、いくらでも食べれる」

 みんなに、スタミナ丼は大盛況。
 私も負けずと大盛りにして、スタミナ丼を食べている。薄切りの豚肉に染みたニンニクと醤油、ミリンとお酒……濃い味付けはご飯が進む。

「オレっち達はガッツリ丼食べれないけど、姉さんが選ぶ、お菓子美味い」
 
「その気持ちわかる。お嬢が選ぶ、お菓子はどれも好きな味だ」
 
「美味い菓子、もっと欲しい」

 私達に触発されたのか福ちゃん、ガット君、クレは山盛りのお菓子を全て平らげ。おかわりが欲しいとカゴを持ってやってきた。私はシエルさんに頼み、アイテムボックスからお菓子を取り出して渡すと。みんなは喜んでペロッとお菓子を食べてしまう。

(そろそろ、私の買いだめたお菓子、シエルさんと一緒に王都で買ったお菓子がなくなるはず。何処か街に寄って買う事ができればいいのだけど)

 でも、シエルさんの話では魔女だったかしら、石化の魔法が掛けれていると言っていた。ストレーガ国に住む国民、子犬ちゃんの両親とシエルさん、ラエルさんの両親は今、石化中になる。

 ――早く、国中を見て回って石化の魔法を解かなくては。


 あと片付けを終えて、シエルさんとラエルさんはアイテムボックスにコテージをしまい。今から、国中を回るために私達は福ちゃんの背に乗った。

「ウルラ、国境付近の辺境地から頼む」
「わかった、しっかり捕まってくれ」

 福ちゃんが羽を広げて飛び上がり、国境へと向かった。

 

 ♱♱♱

 

 空から眺めるストレーガ国は私が住んでいた、アンサンテ国より国土は広く、自然豊かな魔法大国だ。向かっている辺境地に着くまで、下に広がるのは青々と育つ小麦畑と穀物畑。

「兄貴、畑に人が働いている」
「なに? ……本当だ。辺境地近くに住む国民達は石化していないみたいだな」

 ここまで石化の魔法はきていないみたいで、国民達は草むしり、畑仕事に精を出している。また空を飛ぶ福ちゃんを見つけて手を振る者もいた。

「魔女の魔力を感じない……この辺りを収める辺境伯爵に話を聞けばわかるな、着く前に手紙を送ろう」

 シエルさんはアイテムボックスから紙を取り出し、辺境伯に向けて、羽ペンで手紙を書きはじめた。スラスラと、シエルさんの手が止まる事なく手紙を書き終え、封筒にしまった。次に手慣れた手つきで封筒を封蝋で止めると、魔法で手紙を一羽の小鳥に変えて飛ばした。

 手紙から変わった小鳥は小さな羽を羽ばたかせて、目的地に向かって飛んでいく。

「凄い、どうなっているの?」
 
「クク、ルー面白いだろ? 紙にあらかじめ魔法陣が仕込んであるんだ、宛先を書けばそこまで飛んで運んでくれる……だから、遠く離れていでも直ぐ手紙が送れる」

「えっ……」

(それって……ガリタ食堂の大将さん、女将さん、ニックと離れていても、直ぐ手紙が遅れるとシエルさんは言いたいんだ)

「ありがとう、シエルさん。落ち着いたら手紙を書くね」

「あぁ、俺もルーと正式に婚約したら手紙を書かないと」

 なにせ、ルーの大切な家族だからと、シエルさんは言った。
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