お気楽、極楽⁉︎ ポンコツ女神に巻き込まれた俺は、お詫びスキルで異世界を食べ歩く!

にのまえ

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足跡を追って

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 幸運スキルでかわからないが、見つけた足跡を俺は追った。その足跡が続く先で、おっさんが狩ったのだろう、血抜きが終わった豚に似た動物の死骸を見つけた。

 一応鑑定と。

[ブーブ。穏やかで、初級冒険でも狩れる弱い動物。味は豚に似ていて美味]

(豚に似ているのかぁ。定番の生姜焼きがてべたくのる。……しかし、おっちゃん。まるまるなブーブを3匹も、多いんじゃないか?)

 それよりおっさんを見つけないと。

 あたりを見回すと、ここで足跡は終わらず、奥に続いている。そして、ブーブを狩る為に戦った足跡とは別の、足跡を見つけた。

「どこか、滑ったような足跡?」

 足跡は森の最奥へと向かっていた。


 
 この足跡を追えば、おっさんが見つかるな。

 俺は足跡が続く、森の最奥へと進む。
 その途中で多くのおっさんの足跡と、おっさんが転んだのか、手の跡もあった。

 な、なんだアレは⁉︎

 手の跡の近くの茂みが、キラキラと光っている。俺は茂みに近付き、かき分けて、光の正体を確かめた。

「え? 血の付いた大型のナイフ⁉︎」

 この見つけたナイフは、何か硬いものを切ったのか、刃がガタガタに欠けていた。

(おっさんのナイフか?)

 こんなに刃がガタガタになる程、硬いものを切ったのか? 

 俺は拾ったナイフをカバンにしまい。
 まだ続くおっさんの足跡を追うと。少し開けた場所でおっさんの足跡の他に、木が倒れ、大木がえぐれるほどの、デカい爪痕を見つけた。
 
(何だ? この馬鹿でかい爪痕は!)

 魔物か? こんな魔物に殴られでもしたら、いくら体格のいいおっさんでも……もしものことを考え、足がすくむ。

 あの若い勇者2人なら、得体の知れない魔物でも戦えるかもしれないが。ただの巻き込まれた、おっさんの俺には無理だ。俺には戦闘スキルもない。

(……おっさん)

 クソッ俺だって、おっさんを助けに向かいたいが、体と足が震え進まない。

 どうする。
 どうする、俺!

 おっさんは俺の為に、危なくなったハランの森へ、ブーブの狩に出てくれた。
 
(……俺には女神に貰った幸運スキルがある。俺ならいける。どうにか、いけるはずだぁ!)



 
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