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〈第4章 冬、物語の意味を知るとき〉
第33話
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21
休みの日、家にいた僕は一人で『課題』の作業を熱中してやっていた。
それは、もうすぐ約束の三月が始まろうとしているのが理由だった。いずみたちの前でああは言ったものの、すぐには解決できる問題ではなかった。
相変わらず、僕はこれで本当にいいのかという言葉に惑わされたままだ。
「はあ……」
思わず、溜め息がついてしまう。こんなにも長い期間頭を悩ませた事はほとんどなかった。ああは言ったものの、僕はまだまだであるという事実がのしかかる。
結局は他人の手を借りたいと思ってしまう。
それが良くないというわけではないけれど、けれどあそこまで言い切って結局助けてもらうのはあまり良くない事だと僕は思った。
なら、僕は一人で『課題』を終わらせなければいけない。
そんな時、僕のスマホからブルルという振動音とともに通知音が鳴った。僕は作業を中断してスマホの画面を開く。そこからメッセージアプリの通知でその原因が、
『今、どういった感じなんだい?』
金住先輩からの連絡だという事に気づいた。
『今は金住先輩が出してきた『課題』をしています』
僕は金住先輩の連絡への返信をスマホのキーボードで打って入力し、送信した。
『そうか。頑張っているね』
『はい』
『ちなみにどれくらい作業をしてるんだい?』
『朝起きてから割とすぐに始めてます』
そうなのだ。今日は休みだったので、僕は朝起きて早速この『課題』の作業に取り組んでいた。もうすぐ昼ご飯の時間なので作業を中断して部屋を出て昼ご飯は食べておこうとは思っているのだけど。
『なに?』
すると、金住先輩からの返信が少し傾向が変わる。なんというか、少し殺気だったかのようなそんな雰囲気のものになっているような感じがした。
『でも、大丈夫ですよ。お昼は休みますので』
『いや、そうじゃない。朝から作業をしているのが問題なんだ』
言葉の意味があまりわからなかった。けれど、その後に送られてきた金住先輩のメッセージから意味を理解する。
『そこまで無理してやるものではない。しっかりやらないといけないけれど、それで自分の時間を捨ててやるのは勿体ない』
ああ、きっと金住先輩は僕の行動がまずいと判断して心配したんだ。
こういう時、僕はどう反応すればいいのかわからなかった。……しばらく経ってから、僕はやっとこの様に返信した。
『わかりました。しっかり休んでから『課題』を取り組みます』
すると、金住先輩はこう返してきた。
『素直に聞くのはよろしい。けれど、時々は素直に聞かなくてもいい』
「……わかりました」
ちょっと過剰な所はあるけれど、金住先輩はしっかりと僕に言い聞かせる様にこのメッセージを送ってきたんだな、ていうのがなんとなくわかった。
それなら、僕はしっかりと彼女を心配させないように頑張っていかないと。それは、いずみたちや母野先輩たちに対してもだ。
よく考えたら、あの春の日から僕は高校生活の中で色々な事があったと思う。
どれも、結構大変だったり気持ちが昂ったりといった事もあった。けれど、同時に少し嫌だと思う事も無かったとは思う。
けれど、改めて振り返ってみるとどれも大切な思い出になるんだろうなと思えた。思ったんだ。その最初のきっかけは間違いなく『課題』だった。とりあえず、部屋から出て親に元気な顔を見せる辺りから行こうかな、と僕は考えて部屋の扉を開ける。
22
『この物語の意味を知るとき、きっと僕は僕なりの物語の意味を知ったんだと思いました』
そんな文章から始まったその作文はじっくりと、その考えに至った理由を書き綴られていった。
『きっときっかけは春。彼女と出会った日でした』
部活歓迎会イベントで、金住先輩は僕に対して急に話しかけてきた事が全ての始まりだったように思う。
あの時、僕は未だに『意味』について悩んでいたのかもしれない。『価値観』や『物語』とか『感性』とかそういったものだったかもしれない。
『僕はしばらく悩んだ末に、友人に背中を押されて入部することを決めました』
そう、あの時僕が入部する理由になったのはいずみの言葉だった。
『そして、入部した日に部長……先輩からある事を持ち掛けられたのがこの文章を書くきっかけとなりました』
そして、入部してきた僕に金住先輩は『課題』を出してきたのだ。
『それから、しばらく悩む日々が続きました。夏になった頃、持ち掛けた当人が出ししてきた『小課題』をきっかけにそれが一気に解消されたと思いました』
確か、その『小課題』を出した日からしばらくしてまたいずみの励ましの言葉で悩みを解消したんだったと思う。
『そして、秋。僕は文化祭の準備を進めていく中で『課題』を出した当人が過去に体験した出来事を顧問の先生から聞きました』
そして、その後文化祭当日に僕はある答えに辿り着いたんだ。それは、
『きっと物語の意味は自分で見つけるものなんだと僕はその時に思ったのです。それは春、夏、秋、冬とこの一年を過ごしていく中でどんどん膨らんでいった答えでした』
きっと僕はもう既に物語の意味を知っているのかもしれない。だけど、僕はこれからも探し出し続ける。これがスタートで、これがゴールなのかもしれないけれど。
『だから僕はこの物語の意味を知るとき、自分の人生がまた新たに始まったかもしれないと思いました』
これで、この作文は終わりを告げた。
これをじっくりと読んでいた彼女は、その手を止める。どうやら、読み終わった様だった。
「金住先輩。どう、でしたか?」
僕は彼女にその答えを求める。すると、彼女はこう答えた。
「……君がこんな文章考えるだなんて、って思ったね」
「……なんですか、それ」
ちょっと変な回答だ。答えになっているかどうかすら微妙な答えをした彼女は笑いながらこう答える。
「けど、これは本当に君が心から書いていたかったんだ、という思いは伝わった」
「……という事は、つまり?」
こうして、彼女はこう答えた。
「――課題はこれで終わりだ。おめでとう」
僕はしばらく、この言葉が聞こえていたと思う。課題が終わった。それは、とてもとても長い日々が終わったかのように思う。
心の中が虚無になってきたように思った。少しずつ、空洞が大きくなっていくような感じで心の中の何かがどんどん漏れ出ていく。けれど、それと同時に込み上げてくるものがあった。
――嬉しい。嬉しかった。
きっと彼女にそう言ってくれた事がとても嬉しかったんだ。漏れ出ていって心の中はどんどん別のものに満たされていく。
「……そういえば、もうすぐ4月になるんだね」
「……そう、ですね」
つまり、これから僕は二年生に。そして、金住先輩は三年生になる。彼女からしたら高校生活は最後の一年となったのだ。
「また、ここでの日々が始まるんですね」
「そうだね……今年はどんなのがやってくるのか今から楽しみだ」
「また僕みたいな人を見つけてくるんですか?」
そう、僕は聞いた。
「さあ。それはどうだろうね?」
そうして、ニヤリとした顔を見せる。とても意味深だ。
「なんですか――それ」
「さあ?」
そうして、僕たちは他愛もないそんな会話を重ねていった。けれど、その一瞬がなんだか愛おしいと思ってしまった。きっと来年にはこんな事は絶対言っていないけれど、今言っておいておこう。
「金住先輩」
「どうしたんだい?」
「来年もまた、よろしくお願いします――」
――こうして、僕の最初の高校一年の話はこれで終わった。
でも、僕の物語はまだ続いていく。
ー完ー
休みの日、家にいた僕は一人で『課題』の作業を熱中してやっていた。
それは、もうすぐ約束の三月が始まろうとしているのが理由だった。いずみたちの前でああは言ったものの、すぐには解決できる問題ではなかった。
相変わらず、僕はこれで本当にいいのかという言葉に惑わされたままだ。
「はあ……」
思わず、溜め息がついてしまう。こんなにも長い期間頭を悩ませた事はほとんどなかった。ああは言ったものの、僕はまだまだであるという事実がのしかかる。
結局は他人の手を借りたいと思ってしまう。
それが良くないというわけではないけれど、けれどあそこまで言い切って結局助けてもらうのはあまり良くない事だと僕は思った。
なら、僕は一人で『課題』を終わらせなければいけない。
そんな時、僕のスマホからブルルという振動音とともに通知音が鳴った。僕は作業を中断してスマホの画面を開く。そこからメッセージアプリの通知でその原因が、
『今、どういった感じなんだい?』
金住先輩からの連絡だという事に気づいた。
『今は金住先輩が出してきた『課題』をしています』
僕は金住先輩の連絡への返信をスマホのキーボードで打って入力し、送信した。
『そうか。頑張っているね』
『はい』
『ちなみにどれくらい作業をしてるんだい?』
『朝起きてから割とすぐに始めてます』
そうなのだ。今日は休みだったので、僕は朝起きて早速この『課題』の作業に取り組んでいた。もうすぐ昼ご飯の時間なので作業を中断して部屋を出て昼ご飯は食べておこうとは思っているのだけど。
『なに?』
すると、金住先輩からの返信が少し傾向が変わる。なんというか、少し殺気だったかのようなそんな雰囲気のものになっているような感じがした。
『でも、大丈夫ですよ。お昼は休みますので』
『いや、そうじゃない。朝から作業をしているのが問題なんだ』
言葉の意味があまりわからなかった。けれど、その後に送られてきた金住先輩のメッセージから意味を理解する。
『そこまで無理してやるものではない。しっかりやらないといけないけれど、それで自分の時間を捨ててやるのは勿体ない』
ああ、きっと金住先輩は僕の行動がまずいと判断して心配したんだ。
こういう時、僕はどう反応すればいいのかわからなかった。……しばらく経ってから、僕はやっとこの様に返信した。
『わかりました。しっかり休んでから『課題』を取り組みます』
すると、金住先輩はこう返してきた。
『素直に聞くのはよろしい。けれど、時々は素直に聞かなくてもいい』
「……わかりました」
ちょっと過剰な所はあるけれど、金住先輩はしっかりと僕に言い聞かせる様にこのメッセージを送ってきたんだな、ていうのがなんとなくわかった。
それなら、僕はしっかりと彼女を心配させないように頑張っていかないと。それは、いずみたちや母野先輩たちに対してもだ。
よく考えたら、あの春の日から僕は高校生活の中で色々な事があったと思う。
どれも、結構大変だったり気持ちが昂ったりといった事もあった。けれど、同時に少し嫌だと思う事も無かったとは思う。
けれど、改めて振り返ってみるとどれも大切な思い出になるんだろうなと思えた。思ったんだ。その最初のきっかけは間違いなく『課題』だった。とりあえず、部屋から出て親に元気な顔を見せる辺りから行こうかな、と僕は考えて部屋の扉を開ける。
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『この物語の意味を知るとき、きっと僕は僕なりの物語の意味を知ったんだと思いました』
そんな文章から始まったその作文はじっくりと、その考えに至った理由を書き綴られていった。
『きっときっかけは春。彼女と出会った日でした』
部活歓迎会イベントで、金住先輩は僕に対して急に話しかけてきた事が全ての始まりだったように思う。
あの時、僕は未だに『意味』について悩んでいたのかもしれない。『価値観』や『物語』とか『感性』とかそういったものだったかもしれない。
『僕はしばらく悩んだ末に、友人に背中を押されて入部することを決めました』
そう、あの時僕が入部する理由になったのはいずみの言葉だった。
『そして、入部した日に部長……先輩からある事を持ち掛けられたのがこの文章を書くきっかけとなりました』
そして、入部してきた僕に金住先輩は『課題』を出してきたのだ。
『それから、しばらく悩む日々が続きました。夏になった頃、持ち掛けた当人が出ししてきた『小課題』をきっかけにそれが一気に解消されたと思いました』
確か、その『小課題』を出した日からしばらくしてまたいずみの励ましの言葉で悩みを解消したんだったと思う。
『そして、秋。僕は文化祭の準備を進めていく中で『課題』を出した当人が過去に体験した出来事を顧問の先生から聞きました』
そして、その後文化祭当日に僕はある答えに辿り着いたんだ。それは、
『きっと物語の意味は自分で見つけるものなんだと僕はその時に思ったのです。それは春、夏、秋、冬とこの一年を過ごしていく中でどんどん膨らんでいった答えでした』
きっと僕はもう既に物語の意味を知っているのかもしれない。だけど、僕はこれからも探し出し続ける。これがスタートで、これがゴールなのかもしれないけれど。
『だから僕はこの物語の意味を知るとき、自分の人生がまた新たに始まったかもしれないと思いました』
これで、この作文は終わりを告げた。
これをじっくりと読んでいた彼女は、その手を止める。どうやら、読み終わった様だった。
「金住先輩。どう、でしたか?」
僕は彼女にその答えを求める。すると、彼女はこう答えた。
「……君がこんな文章考えるだなんて、って思ったね」
「……なんですか、それ」
ちょっと変な回答だ。答えになっているかどうかすら微妙な答えをした彼女は笑いながらこう答える。
「けど、これは本当に君が心から書いていたかったんだ、という思いは伝わった」
「……という事は、つまり?」
こうして、彼女はこう答えた。
「――課題はこれで終わりだ。おめでとう」
僕はしばらく、この言葉が聞こえていたと思う。課題が終わった。それは、とてもとても長い日々が終わったかのように思う。
心の中が虚無になってきたように思った。少しずつ、空洞が大きくなっていくような感じで心の中の何かがどんどん漏れ出ていく。けれど、それと同時に込み上げてくるものがあった。
――嬉しい。嬉しかった。
きっと彼女にそう言ってくれた事がとても嬉しかったんだ。漏れ出ていって心の中はどんどん別のものに満たされていく。
「……そういえば、もうすぐ4月になるんだね」
「……そう、ですね」
つまり、これから僕は二年生に。そして、金住先輩は三年生になる。彼女からしたら高校生活は最後の一年となったのだ。
「また、ここでの日々が始まるんですね」
「そうだね……今年はどんなのがやってくるのか今から楽しみだ」
「また僕みたいな人を見つけてくるんですか?」
そう、僕は聞いた。
「さあ。それはどうだろうね?」
そうして、ニヤリとした顔を見せる。とても意味深だ。
「なんですか――それ」
「さあ?」
そうして、僕たちは他愛もないそんな会話を重ねていった。けれど、その一瞬がなんだか愛おしいと思ってしまった。きっと来年にはこんな事は絶対言っていないけれど、今言っておいておこう。
「金住先輩」
「どうしたんだい?」
「来年もまた、よろしくお願いします――」
――こうして、僕の最初の高校一年の話はこれで終わった。
でも、僕の物語はまだ続いていく。
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