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月歌(ツキウタ)

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男泡姫、推しに出逢う

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◆◆◆◆

男泡姫をやったいる。

ノンケだけど推しの為には身を粉にして働かねばならない。俺の推しは売れない作家さん。初めて出版した書籍はそこそこ売れたが次で転んだ。確かに一作目に比べて凡作ではあった。だが、次の作品は処女作を上回る作品を作ってくれるはず!

その為には売れていない推しの書籍を買い占めて、売上実数を上げるしかないのだ。お陰で俺の部屋は推しの書籍で満載だ。普及活動にも勤しんでいるが、何にしても金がいる。

大学に通いながらスキマ時間にバイトを入れて、夜は男の泡姫として活動中だ。泡風呂の後はセックスを求められるが、ちん◯が小さくて短い奴だけにオッケーしている。セックスコースは追加料金取ってるけどね。

たまにバカでかいブツを持ったやつが「詐欺だ!」とかいって迫ってくるが、風俗法では泡風呂は自由恋愛って建前で売春が成立してんだから黙れの一言だ。まあ、短小でも尻は痛い。だが、これも推し活の為。先生が売れるのを支える内縁の妻として身を粉にして働いている。最高な妻だろ。

会ったことないけど、俺の夫認定してるから。ふふふ。書籍の文体を想像するだけで勃起できる。純文学なのに、なんであんなに文章がエロいんだ。

しかし、芥川賞が鬼門だった。あの賞取ると売れないってホントマジだな。直木賞は元々実績ある人が受賞するからいいけど。あま、芥川賞受賞ではねて大人気作家になる人も多いし‥やはり才能か‥。

待て待て。それじゃあ先生が才能ないみたいになる。それはちがう!きっと、人気作家にしてみせる!

◇◇◇

「っんが!?」
「ど、どうしたの?あの?」

「何でもないです。ご指名ありがとうございます。お部屋の準備ができましたのでどうぞ」

「その、取材がメインだから緊張しないで欲しい。そのセックスの強要とかはしないから。」

「あ、いえ。せ、セックスはあの、あの‥駄目、恥ずかしい!」

推しがキターーー!
男泡姫の取材とか誰得だ!俺得だ!
推しが、推しが、エッチな椅子に座って下けら洗浄を望むかも。ひぃ~!

「あの、取材がいやなら別の子を指名するけど?」

「その必要はございません!男泡姫のテクニックをすべてお見せします!頑張ります!」

「そう、ありがとう」

推しが笑った。
昇天していいですか?


◆◆◆◆◆
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