[離婚宣告]平凡オメガは結婚式当日にアルファから離婚されたのに反撃できません

月歌(ツキウタ)

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指輪の行方

◆◆◆◆◆


海に指輪を捨てるような馬鹿な真似はしていない。だが、更に馬鹿な事に、僕は未だにがっつり指輪を嵌めている。

こんな事を知られたら恥ずかしすぎる。未練たらたらとか思われて、正樹にマウントとられたらたまらん。

「海には捨ててないよ。宝石に罪はないからね。い、家にあるから。質屋に売りに行く時間がなくて、その・・うおっ!」

突然、雄一にスマホを取り上げられた。そのまま雄一が電話に出る。

「指輪は返す」
『誰だお前は?』

「直人の男だ。指輪は送る。住所を教えろ。おい、聞いているのか?」

『部外者は黙ってろ。直人と話させろ!』
「切るぞ」

雄一は勝手に電話を切ってしまった。電源の切られたスマホを雄一に返された。僕は呆然としたまま、雄一に尋ねていた。

「『直人の男』とか、普通言う?」

「腹が立って相手を煽ってた。つうか、気になって仕方ないから、その指輪は外せよ。正樹の事はさっさと忘れろ」

「忘れられないよ・・そう簡単には」
「直人」

雄一が僕を抱き寄せてくれた。いつの間にか僕は泣き出していて、恥ずかしくて雄一の胸に顔を埋めた。

「俺が正樹に指輪を返すから、直人は奴に直接会ったりするな。正樹からまた連絡が来たら、俺が対応する。だから、辛いだろうが指輪を外して俺に渡してくれ、直人」

「・・うん、分かった」

僕は決心して指輪を外そうとした。だが、外れなかった。ゆ、指が浮腫んでいる。いや、太ったのかな?ここ最近、やけ酒にやけ食いしていたから。

「直人?」
「指輪が外れなくて」
「え?」
「・・太ったみたいで」
「そうか・・」

「いま、疑わなかった?別に正樹に未練があって、指輪を外さない訳じゃないからね?本当に太ってしまって。ほら、見てよ。この太い指を!」

僕は雄一に左手の薬指を見せた。雄一はそっと指先に触れて心配そうに呟く。

「これ外さないと不味くないか?指に食い込んでいるような・・」

「最近のストレスが半端なくてさぁ。やけ酒にやけ食いに走ってたから。でも、正樹に指輪を返せない理由が太ったからだとか、知られたくない。ダイエットして、指輪が外れてから正樹に突き返してやる!そして、慰謝料をがっつりとる!」

そう宣言したものの、運命の番の花木静の借金返済に奔走しているようだが、僕の慰謝料にまで手がまわるだろうか?不安だ。

「なんだか、すごくストレスがたまってきた。雄一は先に帰ってくれる?僕は風俗店で抜いてくる。実家じゃ抜きにくいから」

「はあ!?」
「抜いてくるから先に帰ってて、雄一」

「冗談だろ!風俗街にオメガを一人で行かせられるかよ。実家でシコシコしろよ」

「家族が心配して、度々部屋にやって来るのに・・シコシコできると思うのか?」

「うーむ」
「な、無理だろ?」
「仕方ない。俺も一緒に風俗店に行く」

「え、雄一も一緒にいくの?違法風俗店に行くつもりだけど、いいの?」

「違法風俗店!?」

「前に正樹に連れていってもらったんだ。マジックミラー越しに、アルファとオメガの生のセックスを見ながら、客はシコシコしてすっきりするわけ。僕はそこしか風俗店を知らないし、シコシコには最適だから行ってくる」

僕は酒に酔った足取りで、ふらふらとシコシコ店に向かって歩きだした。そんな僕の腕を雄一が掴む。

「直人、俺も行く」

なんか、雄一の目が据わってる。というより、雄一はかなり酔ってるみたいだ。



◆◆◆◆◆

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