婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々

月歌(ツキウタ)

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何回セックスした?

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◆◆◆◆◆

「プライベートな質問をお伺いしますがお許しください。‥‥暁月さまは元婚約者と何回セックスをされましたか?」

「あっ‥え?」

ちょっと待って!?これって婚活に必要な情報なのか?もしや「セク€§∆‰」なのか?俺は婚活アドバイザーにセクハラされてる?

「セクハラと受け取られるのは当然の事です。申し訳ございません、暁月さま」

不意に三日月さんに謝られた。頭を下げる婚活アドバイザーに戸惑いつつ尋ねた。

「もしかして、表情に出てましたか?」
「いえ、口に出されてました」

「え、本当ですか?」

「呟くように『セク€§∆‰』と仰っていました。もしや独り言が癖になっていますか?」

「あー、そうかもしれません。婚約破棄された後、独り言が増えたと家族に指摘されました。そっか、『セク€§∆‰』って呟いてましたか‥‥」

俺の言葉に婚活アドバイザーは真剣な表情を浮かべて、忠告してきた。

「暁月さま、独り言の癖はお見合いを始める前にぜひ直して頂きたいです。結婚相談所に登録されている方は、何かしらのコンプレックスを抱えていらっしゃる方が多いので、何気ない一言でその場の空気が突然に凍る事があります。よろしいでしょうか、暁月さま?」

なんだろ。すでに婚活に嫌気がさしてきたよ。勿論、三日月さんの責任じゃない。でも、『正論∆§‰』傾向にあるみたい。疲れる~。

「『正論∆§‰』で申し訳ないです」
「また呟いていましたか?」
「はい」
「これから改善します」
「よろしくお願いします」

三日月アドバイザーが咳払いをして場を改める。そして再び同じ質問をしてきた。

「プライベートな質問を重ね重ね申し訳けありません。暁月さまは元婚約者と何回セックスをされましたか?」

「うっ‥‥婚姻前に互いの相性を確認するために、一回だけセックスしました。厚生労働省は婚前セックスを推奨していますよね?」

三日月アドバイザーは優しく微笑み頷いた。そして、俺の問に応じる。

「はい。厚生労働省では、婚姻後のミスマッチを失くすために、婚前セックスを勧めています。それで、アルファ性とのセックスの際には、ネックチョーカーを着用されていましたか?」

「はい、着用していました。なので、うなじは噛まれていません」

ネックチョーカーはオメガのうなじを守るための道具だ。オメガはアルファに襲われた時に、せめて番われないようにとネックチョーカーを着ける。

これは義務ではないが多くのオメガがチョーカーを着けている。

「よろしければ、ネックチョーカーを外していただけますか?」

「えっ?」

「婚活の場では一度でも番われていると、婚姻相手として敬遠されます。また、エントリーシートに番の有無の情報を書き込まないと、見合いにたどり着けない場合も多いです。ご協力いただけますか、暁月さま」

三日月アドバイザーが、セクハラ発言を連発してくる。だが、ここで突っぱねては俺がヤリマンの淫乱野郎と思われるじゃないか。

「‥‥わかりました」

俺は唇を噛みしめながら、ネックチョーカーを外した。


◆◆◆◆◆



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