悪女の呟き/勝手に想像

悪女ルクレツィア・ボルジア

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我が兄、チェーザレ・ボルジア。
私は兄上を愛おしく想っているの。

父ロドリゴ・ボルジアはローマ教皇であったにも関わらず、チェーザレ兄上や私を生み出してしまったの。

カトリックの司祭は教義で結婚禁止なのに、その頂点の父上が禁忌を犯したのよ。

でも、私は嬉しい。
チェーザレ兄上に出逢えたのも、父上が禁忌を犯したから。
‥‥愛しい兄上。

ああ、でも私は別の方に嫁ぐ運命。

13歳の私はミラノ公国の貴族と結婚させられたの。でも、わずか1年で離婚。父上はその相手を暗殺しようとしたから、私は試みを暴いて夫に避難するように言ったのよ。

元夫はローマに逃げることに成功したみたい。良かったわ。

ん？
私は悪女って呼ばれてるけど、全然違うわよね？

イタリアきっての名門貴族ボルジア家の退廃ぶりから、そんな誤解が生まれたのね。悲しいわ。

元夫と別れて色々あって、私は父の部下のペドロ・カルデンと関係を持ったの。そして、私は妊娠したわ。でも、相手のカルデンは後日遺体となって発見されたの。

なぜこうなった？
謎だわ。

教皇庁が緘口令を敷いたので、私が出産したかどうかは話せないの。ヒ・ミ・ツよ。

産んだかは話せないけど、この時期に兄チェーザレの子供とする出生証明書と、父アレクサンデル6世の子供とする出生届の2種類が出されてるの。

だから、察してね。
兄上も父上も心配性だわ。

そうそう、アレクサンデル6世となった父は教皇庁とナポリ公国の関係強化のために、今度は国王の孫と私を結婚させたのよ！

私の自由意志はどこ！？

そして、この夫も結婚2年後に何者かによって暗殺されたの。夫との間に生まれた子供も12歳で夭折したわ。


この暗殺の実行犯なのだけど、なぜだかチェーザレ兄上が有力視されているの。兄妹で男女の関係にあったなんて噂もあって‥‥。

もしそうならちょっと嬉しいと想ってしまった私はやはり悪女かしら？




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