番が欲しいアイツと、実らない恋をした俺の話。

飛鷹

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sideノア

6.

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まだ朝靄がかかる時間。

俺は出立の準備を整えた。ギルドにはこれから赴き荷物を預かる。

荷物は小さな小包だった。その搬送にAランク以上指定のクエストだったから不思議だったけど、搬送先の途中にある難関を知って納得した。

3つ隣の街への途中に、魔物の出没ポイントがある。勿論複数の冒険者やパーティを組む冒険者に依頼すれば、話は早い。

だけど荷物がこれ1つなら、話は別だ。冒険者の人数が増える分だけコストがかかる。ぶっちゃけて言えば、依頼人が払う費用が高くなるんだよな。

それなら高ランクの冒険者に依頼した方が安上がりって話。

俺にとっては願ったり叶ったりのクエストだったから、直ぐに依頼を受けたさ。

預った荷物に、破損予防と盗難防止の魔法を掛けておく。生活魔法の一部だし、掛け続けても喰う魔力の量は微々たるモノ。

旅の途中は何があるか分かんないしな。

よし、と気合を入れる。

ルーカスと知り合ってから、ずっとこの街を拠点にしていたから旅は久し振りだ。

道中を思って、少しワクワクする。

どんなに気分が落ち込んでても旅に対して楽しみを見付けてしまう辺り、やっぱ俺は根っからの冒険者なんだろうな。

苦笑とも着かない笑いを浮かべ、俺は出立した。

搬送の荷物も小さいし身軽だから、目的地までは2週間もあれば着くだろう。

暫くは街道に沿って歩く。村と呼ぶには小さな集落に立ち寄り食料を調達すると、街道から逸れ山道に足を踏み入れた。

この獣道の様な山道を行く方が、断然早く辿り着く。

慣れた足取りでサクサク進む。途中襲ってくる魔物も小物程度で、さして煩わされる事なく順調に旅路は進んだ。

何か問題があるとしたら、夜ふとルーカスを思い出してしまって切なくなってしまうコト……くらいか。

たき火にぽいっと木を焚べて、パチパチと爆ぜる音を聞きながらアイツを想う。

見た目は、最初っから分かってたけどホントに整ってて。妙な色気?フェロモンって言うの?があって、向ける視線だとか何気ない仕草に、ヤバいくらいにドキドキしてた。
でもそれ以上に……。何気ない優しさだとか、気遣いだとか。ルーカスの真摯な姿を見るのが………好きだった。


そう、本当に好きだったんだ……。


その夜は結局一睡もできなかった。


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