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第11話 アンコウと別れと
しおりを挟む店を出た俺達はオミと予定の場所で落ち合う、彼女も服を買って着替えた様だ。
進化前のローブ姿から、ボディコンになっていたオミだったが、今は現在のサイズに合った以前のローブ姿に戻っている。
左右に二本の三つ編みヘアから、中央で一本にして纏まった三つ編みヘアとなり、ワンピースタイプのローブを着たオミは、さながら清楚系お嬢様だ。
但し、相変わらず隠し切れてない二つの秘密兵器がローブの胸辺りを立体的に形造っている!!
「こちらです~、アンコウ様!後は、雑貨ですかね」
「おう、お待たせ。」
「それなら、大き目の店舗が近くにあったはずです」
「アンコウちゃん、おかいものまだあるの?」
またユウメの案内で次の店へと移動する
アンリも、もう少しだけ先になった別れに声が幾分か明るくなっている。
雑貨屋でこれまた洗面具の類一式を買って貰う俺
良かった、ちゃんと歯ブラシの形をしている。森のドラゴンだった俺には歯ブラシなんて上等な物はなかった!
出来るのは、うがい位だった俺にはうれしい限りだ!・・今俺、口臭大丈夫か!?
雑貨屋らしく、何に使うかわからない品々も見て回りながらうろうろしてると、アンリがじっと展示品をみていた
土産物コーナーの様なその一角は、民芸品らしい大小様々な物が置いてあった。
アンリが見ていたのは・・・角笛だった、俺の角を何分の1かにして加工した様な形だ。
「・・・欲しいのか?」
「・・・うんっ!」
そういえばアンリには何も選別を渡していなかった・・・大して高くもなさそうな角笛をオミの元に持っていく。
オミからは換金したお金を渡されようとしたが、貨幣価値が分からない。そのまま財布番をお願いする事にした
他にも持ち運ぶ為の収納具等と一緒に支払いをして貰う
マジックバックかと思ったら、違った。
高価なマジックバックは、専門の魔法店にでも行かない限り置いてないそうだ。
全財産はたけば、買えない事はないが無理して買う物でもないらしい。残念
店を出る時にオマケでつけて貰った専用のストラップで肩に下げれる様になった角笛を、両手で持ち楽しそうに吹き鳴らすアンリ
気に入ってくれたようで何よりだ!
だが粗方の用事は終わってしまった・・・後は、孤児院へと向かうのみだ・・・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
都市の中でも、外れの僻地にある小高い山の上にその孤児院はあった。
周りに建物はない、大分辺鄙な所にポツンと立っている。
大丈夫か?と思ったが、入り口に常駐している門番もいるようだ。
大きな宗教だけあって、信者も多く独自の防衛機構を持っているらしい
ユウメが門番に話をつけると通行の許可がでた、俺達はそのまま施設の中へと入って応接室の様な所へと通された。
「お待たせしました、孤児院への入所を御希望だそうで」
「はい、この子をお願いしたいのですが・・・」
修道服姿のシスターとユウメのやり取りが始まる
話に入れない俺はアンリの手を握っている、アンリは俯いたまま左手で俺を、右手で角笛を掴んでいる。
「アヴェスタですか!?しばしお待ちいただけますか?」
慌てて、席を立つシスターが部屋から出て行った。
やはりアヴェスタを持っての入所なぞ例がないらしい、責任者の所にでも行ったのだろう。
5分もしない内に戻って来たシスターと・・・金糸の入った高そうな白いローブを着た男が入って来た
「初めまして、ここで司祭をやらせて頂いています*@?_と申します。アヴェスタをお持ちの女の子が入所を御希望だとか?」
「はい、実は・・・・」
一礼した司祭を名乗る男に、ユウメが先程と同じ説明を繰り返す。
「なるほど・・・それは・・・辛かったでしょうね、アンリ・・・ですが、これからは私達が家族です。ここには君位の子供が沢山います、何も心配する事はありませんよ・・・」
身なりの良い老紳士が、物腰柔らかく語る姿にはダンディズムすら感じる。
司祭を務めるだけあって人格者の様だ、語る口調はどこか人を安心させる。
「我が教団は、アヴェスタの解明・公開発表する事にも実績があります。どうかご心配はなされない様、必ずや事が済み次第彼女の元へと返します」
こちらの不安材料は全て無くしてくれた、後はアンリ次第だろう・・・
今まで、延ばし延ばしになっていたアンリとの別れだ・・・
俺からシスターへと渡されたアンリの手を離す・・・
悲しそうな顔だが涙は流さない・・・強い子だ、こっちが泣きそうだ。
抱きしめてやりたいが、余計に別れが辛くなる。やり場のない手を握って、親指を立てる
サムズアップでアンリに別れの言葉を言う
「アンリ!また様子を見に来る!それまでいい子にしてるんだぞ!」
「・・・うんっ!まってるね!アンコウちゃん!」
アンリも真似をして、サムズアップで答える・・・やべぇマジで泣きそう
涙腺が緩んでくる俺は無理矢理笑う!これで今生の別れじゃない、ユウメの叔母の治療が済み次第ここにはまた来る予定だ!
俺達はアンリと別れた・・・アンリがいなくなった後、ユウメは泣いて、オミは寂しそうだった。
孤児院を出た俺達は、また市街地へと戻って来た。
すっかり日も落ちてきている、俺達は宿屋へと入った。
3人部屋はないから4人部屋でいいかと受付に言われたが、ツインとシングルの二部屋に別れる。
俺が遠慮したのだ、一体どういう風に俺達は見られたのだろうか///
勿論、俺がシングル・ユウメとオミでツインだ。
宿屋で夕食を済ませた俺達は、少し離れてはいるが同じ階にある部屋に別れた。
意外にも、部屋には水道が通っていた、蛇口を捻れば水も出る。さすがにお湯は出ないようだが有り難い!
俺は転生後、初となる歯磨きと洗顔でサッパリして身体を備え付けの布で拭いていく・・・。おおぅ・・・やっぱり大分汚れていたようだ・・・・
窓を開けてすっかり暗くなった空に流れる夜風に当たると、丁度孤児院の方角の小山が見える。
周りを見ると、ポツポツと酒場等の灯りはあるがほぼ真っ暗だ。この部屋もランプの灯りがあるだけだ、電気はないみたいだ。
やはりまだこの世界の文明レベルが分からん。
まぁどの程度だからどうなのかと詳しくもない俺にはファンタジーの知識があるだけで、実際どの時代の文明レベルだと判断つく訳ないのだが・・・
なんて事を考えている内に、ウトウトと睡魔がやってきた。そういえば徹夜してたんだった
明日は、ユウメの住む街へと移動だ!寝るとしよう!
『―――・・・ゃん・・・アンコウちゃん!』
ん?なんだ?
夢かと思ったがハッキリと俺を呼んでいる・・・どの位寝ていたかは分からないが俺は目を覚ます!
『―――アンコウちゃんたすけてっ!』
間違いない夢じゃない!俺は飛び起きて、ユウメ達の部屋へ向かいドアを叩く!
「ユウメさん!オミちゃん!起きてるか!?」
数瞬の後、ドアが開かれる・・・
「あ、あ、あ、アンコウ殿!こんな時間にどうしたんだ!?イキナリ来られてもこちらにも準備というものが///」
「・・・アンコウ様・・・さすがに、初めてで二人まとめてと言うのはオーク以下ですので私はアンコウ様の部屋へと移動してますね。終わったらいらして下さい」
ちげーよッ!!てか、そっちの方はいいんかいッ!?チョロイなオマエラ!?オミちゃんとか今日出会ったばっかでしょ!!
普段なら土下座してでもお願いしたい美女二人に真剣な表情で伝える
「すまないが一緒に来てくれ!アンリが呼んでいる!!」
何故とは聞かない、すぐ二人は部屋に戻り装備を整えて出て来てくれた!
本当に二人共、イイ女だ!帰ったら本当に土下座してお願いしようかな・・・?
それもこれもアンリの無事が確認されてからだ!杞憂であって欲しいが・・・・
絶対に無事でいてくれよアンリ!フラグじゃねーし、そんな旗があったらブッ飛ばしてやらぁ!!
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早速のお気に入り・ブクマありがとうございます!
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