“絶対悪”の暗黒龍

alunam

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第39話 黒髪・黒目の吸血鬼とイケメン吸血鬼と

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 「……と、いう訳なのだ。このまま対策が遅れ時間が経てば経つほど黙認している形になり、相手の主義・主張に正当性を与えてしまう。かと言って我々強硬派の貴族4名が私兵を出したとて、大小あるが平均一人3000づつの合計1万2000だ……議会で承認され連合国軍を動かせない事には兵力の不利は如何ともし難いのだよ」

 「それで戦術級の協力が欲しいのは分かった、けど相手にも兵力の他に所持している戦力があるのでは?」

 議会の場、アカデミーの大会議室を出た俺達は公爵の学術都市内の別宅に案内されている
お互い腹を割って話したいからと、この場で口調は気にするなと言われた。俺もお貴族様相手の丁寧語なんか知らない、有り難く甘えさせて貰う 

 「ああ、伯爵には右腕とも言える人物……戦術級の槍士がいる。彼が率いる精鋭部隊は万の敵にも相当すると言われているよ……」

 「相手は宣言したのみで、向こうから仕掛けて来た訳じゃないんだろう?国の決定を待たずにこちらから仕掛ける理由は大丈夫なのか?」

 「私ともう一人、隣接する領地を持つ貴族には大義名分としての自領土防衛がある。議会の連中から何か言われたとて、上手く言いくるめるだけの手札はあるさ」

 「成る程、それで現状動かせる兵力は1万2000全部動員出来るのか?」

 「……残念ながら答えはノーだ、もう一人の隣接する領地の持ち主は独立賛成派だ。もし彼まで独立に加担してしまったらと考えると動けない人物も出てくる……動かせるのは我が私兵3000に辺境伯爵候の3000の計6000が現状、動員最大数だよ……」

 6千 VS 2万 ……戦力比1:3以上、戦略目的の第一目標である相手よりも多い兵力の確保は破綻と……

 「それに俺達から戦術級ゴールドクラスが二人加入したとしても仮想戦力比が覆る訳じゃない、落としどころはどこに持っていくんだ?」

 「我々も彼の伯爵も貴族だ、一度矛を抜いた以上は収めるのにもそれ相応の理由がいる。一度剣を交え、勝った方が負けた方に対して有利な条件を言えるのは兵家の常だ。戦いもせずに交渉に入る等、相手に恐れをなして逃げ出したと取られても仕方のない行為だからね」


 公爵の構想としては兵3000で出陣した場合、相手が3倍~5倍の最大で1万5000の兵力を持ち出してくる事を予想しているみたいだ。こちらが少数に相手が大多数で挑むのは、臆病者に見られるが相手も負ける訳にはいかないので、本音と建て前のせめぎ合いがこの数字の様である、お貴族様ってのは難儀なもんだ
 そして、代表者の一騎打ち等の条件になった場合……相手には戦術級槍士がいるが、公爵には戦術級に相当して独断で動かせる人物がいない。そこに現れたユウメの存在に個人のプライドを捨てて俺達にこうして頭を下げて来た様なのである
 
 実際こうしてユウメを差し置いて俺が話を進めている、夫とは言え得体の知れない相手にもタメ口許す辺り懐はデカイと思う
 家の隣でテロが起きて対策が遅々として進まない時にも、見ず知らずの幼女を気に掛けたり、人の嫁さんナンパして戦術級剣士に声を掛けてくる辺りこの公爵は意外と大物なのかもな
 むしろ俺が小物なんだな……嫁さん目の前でナンパされた位で戦争を決意する辺り……イヤイヤ、男としては譲れないだろ!……人として小物だったとしても……
 
 「って事は、なるべく少ない人数で相手と代表者を倒して交渉を有利な状況に持っていくって事だな」

 「理想はな……だが相手はこの国で一番肥沃な土地を持ち、養える兵力は最大規模の伯爵が相手だ。持久戦でもこちらに分がない上に、相手には難攻不落の要塞とも言える城がある……これ幸いで、勢い勇んで雷妖精殿に出会えた神のきまぐれに縋って見たものの、断られたとて文句の言えない事だ」

 元からの兵力動員数で最大だった上に、ここ数年の豊作で出来た資金で兵を集め、連合国軍からも自国兵を引き揚げさせた伯爵軍
 人・物・金が集まったならしがらみから離れるのも分からんじゃない……

 「OK分かった!俺達に精鋭500と予備兵力でさらに500貸してくれ、後準備して欲しい物が少々……上手く行けば2週間で伯爵を交渉の席に着かせる。駄目なら城ごと相手を消し飛ばすけど、そっちで上手くやってくれよ?」

 「兵数1000で2万に挑むだと!?駄目なら城を消し飛ばす!?確かに、そこの赤毛のお嬢さんも戦術級ゴールドなのは見せて貰った。だがそれだとて仮定兵力3000だぞ?正気か!?」

 事情を知らない公爵と先生が俺を狂人でも見るような目を向けてくる、まぁそうだよね

 「勝てない迄も、負けない方法なら爺様に教えて貰ってね!特に、プライドだなんだで全力出さずに余裕かましてくる奴等へのやり用なんざ幾らでもあるさ」

 そう言う俺もドラゴンになって城ごとブッ飛ばすが最終手段な辺り人の事は言えないのだが、それはそれ、これはこれって事で!

 「成功した暁には、そこに居られるドワーフ先生が申請してくれている研究要請に最大限の便宜を取り計らってくれ。摂政の地位にいる人物なら大丈夫だろ?」

 「勿論、それ位ならどうとでもなるが……そんな事で戦術級有する伯爵軍2万に挑むというのか!?」

 「……こっちにも事情があってね、娘の安全と平和な未来を守る為なら父親が無理するのは当然って事で。それに強い嫁さんと家族の助けがあるんだ!やってやるぜッ!」

 
 本当は俺一人で危険に晒される分にはいいんだが、下手にドラゴンである事がバレて関係者である皆に迷惑が及ぶのは頂けない。
 さすがに非戦闘員で、俺の正体も知らない先生を連れてはいけないしな
そして今は、権力者とお近づきになるチャンスでもある。上手く友誼を結べれば、それが今後の抑止力にもなる
 味方のお代官様に献上出来そうな菓子は持ってないけど、敵の代官を成敗出来る武力ならある!
 上手い事、越後屋になって国の後ろ盾を得れるなら、お父さん張り切って暴れん坊しちゃうぞ~ 


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 23時にも投稿します、只今せっせと校了作業中です
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