46 / 87
第44話 子爵級デーモンと
しおりを挟むいやがった!
既に学術都市は離れ、別のどっかの領地に入った俺
3人の元議員達、こいつ等も男爵級デーモンになっていやがる……中年のオッサン3人組なら走るだけで倒れてしまいそうな距離を、長距離走とは思えない速度で走っているが俺の方が速い!
距離100メートルに近づく、右手に持った銃剣に左手を添える……地属性チャージドショットでアヴェスタ持ちの反応目掛けて撃ちこむ!
命中!アヴェスタ諸共撃ち抜くが地面に落ちたアヴェスタが再生していく……アーマードピアッシング弾となった地属性のチャージドショットなら、デーモンの鳩尾に風穴を開けてやった!……が、普通にこっちを振り返って来やがる
「DOKO……マデモオって来るとはシツコイ。だがジカンは稼げた……」
上半身に大穴が開いているのに、どこから声が出てるのかは分からないが語りかけてくるデーモン
なんだ?カタコトの言葉が段々とクリアに聞こえていく、兵士達の様に爛々と狂気の陰を宿していた眼からは知性の光を取り戻している
「逃げるのは終わりだ、己の蛮勇を呪いながら死ね。人間!」
開いていた孔が急速に筋肉の膨張で塞がる!だが変化はまだ止まらない!膨れ上がる筋肉が緑に変色していき、議員の身体を甲羅状の装甲が覆っていく!
残りの二人も身体の各所が膨張していき、それぞれ独自の変化を遂げていく……
それに伴い、気配察知の反応が上昇していく……ドラゴンの時のユウメ相手の様に黙って見ている義理はない、オッサン達の筋肉の膨張で服が破れていく様など願い下げである
再度、地属性チャージ……アーマードピアッシング!シュート!
「カァッ!!」
30メートル迄近づいた俺の近距離からのチャージドヘッドショットは、甲羅の鎧を纏ったデーモンの持った左手の盾に弾かれた
右手には鋼の戦斧を持っている、全身が緑の重装騎士だが頭部だけがライオンである……亀の甲羅からライオンの首が生えているのは中々にシュールだ……
変体が終わるまでに一匹位処理出来るかと思ったが駄目だった、一匹は半人半猪……ミノタウロスの頭が猪バージョンの筋骨隆々の大男で手には大型ハンマーを持っている
もう一匹は、鳥型。元司祭を思い出すがコイツは頭と下半身が鷹、上半身は人間で両手にそれぞれ短剣を握っている
感じるプレッシャーが兵士デーモン達の倍以上になっている……種族名が子爵級悪魔人間!?
口ぶりから時間と共に浸食が進んで、パワーアップしていくのか?だが、元司祭はもっと長時間逃げ回っていた。またすぐ、さらにパワーアップするとは考えにくい……叩くなら今だが
「シャァッ!!」
「うお!?」
鷹型のデーモンが一気に詰め寄ってダガーを走らせて来る!速い!?
軽く頬を切られた……赤い一筋の線が左頬を伝う
そこにタカデーモンの死角からライオンデーモンの戦斧が襲い掛かる!
燃焼弾と貫通弾、2種類の弾幕で牽制するが鎧に弾かれ効いていない……重装甲に物を言わせて突っ込んでくる!
「貰ったぁッ!!」
「やるかよッ!?」
セレクタボタンを両方、光に押し込みダブルクロスショット!一発なら回復弾の一撃は、ぶつかり合いその場で閃光を発生させる!
「くぅ!?」
怯んだ!鎧が駄目ならライオンの頭部だ!
「おらぁ!!」
俺の右上段回し蹴りで、2メートルを超えた位置にあるライオンの首目掛けて蹴り抜く!そのまま左後方にブッ飛ばしてやったが……か、硬ええーーー!
今俺の履いているブーツは、俺の角でつま先や踵を覆った特製品だから良かったのかもしれない、普通の靴で蹴ってたら足の方を痛めていた。硬い物で固い物を蹴飛ばした衝撃で脚まで痺れる……って、上から反応!?
すかさずそのまま俺も後方に飛び退く!降って来る大型ハンマーと巨体!
朦々と立ち込める土煙を巻き上げ地面に小規模のクレーターを作ったイノシシデーモン……流石に、あれを人間状態で喰らったら拙いよな……
今の俺なら人間時でも1対1だったら勝てると思うが3体相手は勝ち目が無いな……子爵級デーモンになってまだ時間が浅いからか元司祭程の脅威も感じないのだが、ちょっと悔しい
でもそんな余裕かまして負けましたじゃダサイ所の話じゃないからな、さっさとケリをつけさせて貰うぜ!お前らの蛮勇を呪いながら死ね、デーモン共!
「シャァッ!!」
「またかよッ!」
そう何度も同じ手でやられるかってんだ!タカデーモンのダガーを身体を捻って避けて、その勢いを活かして足刀蹴りでライオンデーモンに向かって蹴り飛ばす!
同じく上空にイノシシデーモンの反応、ワンパターンだっての!
俺はハンマーを振り下ろしてくるイノシシデーモンよりも高く跳躍して、そのまま一回転して踵からイノシシデーモンの脳天に落ちていく。あびせ蹴りである!
タカとライオンがぶつかっている所にイノシシを降らせる俺!
そのまま銃剣をガンベルトに収め、俺の人化の術を解く鍵……胸の黒い鱗を剥が
「ブモオォォーーーーーー!!」
……そうとするが、イノシシデーモンが雄たけびと共に放った口からの気功破が俺を襲う!
「なんとおォォッ!!」
気功破に向かってドラゴン角で覆われている部分で蹴り返す俺!
ダメージはドラゴン角のソール部分が防いでくれるが、衝撃までは殺しきれない!盛大に上空に打ち上げられた所に、体勢を立て直したタカデーモンがジャンプして追撃して来た……やっべ!?
……が、襲い掛かって来ていたタカデーモンが急に横からの衝撃で跳ね飛ばされた!胴体部分には矢が刺さっている……
地面に着地した俺は、助けてくれた救いの射手の声を聞く
「遅くなりました!親方様!」
「この反応……フォールアウトが進んでいます、皆さん注意を!」
「アンリちゃん、巻き込まれない様に離れた位置で結界を!大丈夫、今のアンリちゃんなら上位結界を使えるわ!」
「はいっ!エルナちゃん、オミちゃん、ユウメちゃん!アンコウちゃんを助けてあげて!」
ヒーローのピンチに颯爽と駆けつけてくるウチのヒロイン達の声を!……うん、逆だよね……俺、今超ダサイと自分で思ってる……
でも、ここからは立場逆転だ!今度はこっちが数の暴力でやらせて貰うぜ!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
173
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる