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第49話 再び5人PTで旅立ちと
しおりを挟む事件の後始末に俺は関わっていないので、特段言える事はない
今後、侯爵領は一度現国王の元に戻され一時預かりの形になり、摂政で実姉でもある公爵が管轄する事になり忙しさが倍増している
事情聴取には当然協力している、わざわざ公爵本人が来る案件でもないと思うが息抜きにも協力しろと言われてはやぶさかではない
俺も銃の応急修理が終わって、スキル上げという名の町を眺める作業を続ける行燈生活でやる事も特にないからな
ただ公爵の恰好が今は非常に女性らしい……これが良くない……俺にとって非常によろしくない……
公爵のタキシードスーツ姿は変わっていないのだが、全体的に身体のラインにピタッとしたスーツになってドレスシャツのデザインが女性用の華やかな色と見た目になっている
下もスカートに変わって、水色の髪を後ろで束ねている姿はOLルックで非常に俺の琴線を刺激するスタイルである
180センチの長身を支える脚線美が膝下まである長さのスカートに隠れている、見えない太股が俺のシュレディンガーの探究心を刺激して止まない
果たしてあの中はニーソなのか、貴族だったらガーターベルトだったりするのか……猫が生きているか死んでいるのかも重要だが、それ以上に神秘の謎が詰まっている
腰はくびれ、胸は大きすぎず小さすぎず……詳しくないから正確に判断出来ないけどスーパーモデルってのはこういったスタイルの人達の事を言うのであろう
中性的な美形の顔立ちもメイクしているなら、どこからどう見ても美女にしか見えない……最初からこの恰好で現れてくれたら勘違いする事はなかったのにな!
「明日旅立つのか……寂しくなるな、別れの場には行けないがまた会える日を楽しみにしているよ」
「世話になったな!さっさと問題片付けて報告にまた来るさ、解析出来たら恩の字位の目標だけどな」
「楽しみにしているよ。個人的にはオーバーテクノロジーなぞに頼っていては身を亡ぼすと思うが、国として益になるのは間違いない事だ。」
「何が出てくるかは解析してからの判断だ、貴女と先生なら間違う事もないだろうからな。そこは信頼してるぞ親友」
「任せてくれ我が友よ、危険な力であっても分け合えば平等だ。危険であればある程、抑止力になるのは皮肉だがね」
「お互いに刃物を握って、反対の手で握手をしているのが国として一番平和な状態ってか。やっぱ向いてないわ俺に王族なんざ」
「それが言えるなら、向いてなくともこなす事は可能だと思うのだがね……どうかな?『勝てないなら負けないといい』を参考に私からは勝負を挑まず、君から仕掛けてくる様……ユウメ殿達の意見を参考にコーディネイトしてみたのだが?」
「ウチの嫁さん達、何敵に塩送ってるんですかねぇ!?」
あの時の助け船は何だったのか……あれかな、国家権力にも屈しない腕に自信のある彼女達なら、女としても実力で負けない自信もあるとか?
三人とも正々堂々戦って勝つ事を善しとする気概だから、相手にも平等であろうとかか?
考えすぎか……得体の知れない恐怖程恐ろしいものはないな……
「どうかな?余り淑女らしい事は知らないが、少しでも心動いてくれていると嬉しいんだが?」
「いつの間にかナチュラルに壁ドンしてるお前と、されてる俺に何があったとざわついてる最中だよ!」
そう、いつも通り窓から街を眺めて振り返ったら美女から壁ドンされてた。何を言ってるかわからねーと思うが以下略
「血を吸わせて貰う時に、こうするとレディ達から喜んでもらえてね。是非、君と婚姻した暁にはユウメ殿、オミ殿、エルナ殿にも献血にご協力願いたい。さすがに娘になるアンリ殿からは自重するがね」
「嫁に嫁が寝取られるピンチとな!?そんな百合百合しい光景とか大好ぶゲフンゲフン……貴族の退廃的な風習に物申す!」
「……と、言うと思ってやはり君から血を頂こうと思ってね。殿方とするなんて初めてで上手く出来るか分からないが、任せてくれ。痛みは一瞬だ……」
「おかしくね!?立ち位置逆じゃね!?」
壁ドンが手から肘になり、距離がさらに近づく……近い近い近い!
こういう場合あれだよね、何やかんやで乱入者が来て、うやむやになって台無しになるパターンだよね!大丈夫、俺は転生前に沢山ラノベ読んでたから知ってる!俺は詳しいんだ!
はよ!助け、はよう!!カムヒアッ!………アーーーッ♂
天は自ら助くる者を助く 聖書の言葉である……ちゃうねん……これはな、献血やねん……
負けを待って無駄死に 平安時代の偉大なるケンゴーにして哲学者ミヤモトマサシの言葉である
インガオホー、アブハチトラズ!
翌日、学術都市を出発する日……見送りに先生とにいさんが来てくれた
にいさんはまだ支店に用事があるので、俺達が先に出発する算段だ。わざわざ商隊の馬車まで一台貸して貰っている
「すまないね、まだこっちは仕事があってね。君達なら心配要らないけど気を付けてね」
「はい、兄さんもどうかお体にお気をつけて下さい。今度、皆で私達の姪を見せて貰いにお邪魔させて頂きますね」
「めいってなーに?」
「お嬢様の従妹……妹になる方ですよ!」
「おーっ!!」
にいさんとユウメの別れの挨拶に、アンリがエルナの説明を受けてご満悦だ
そしてこちらでは、オミと先生との別れだ。この二人は、なんだかんだで馬が合った様だ。研究期間中は二人で色々調べてくれていたし
「私自身が解析スキルを覚えるのは悪手の様ですので、またその他で協力できる事があったら何なりとお申し付け下さいね」
「本当にオミさんの助けは偉大でした、一人でも更なる解明が出来る様に努力しますから応援して下さいね!」
実年齢は逆だが、お姉さんに見えるオミと妹に見える先生の抱擁が交わされる。やはり見るならこういった緩い百合に限る
アヴェスタを完全解明出来なかったのは残念だが、この二人ならいいコンビだ。俺も助力出来る様になっておかないとな!
結局あれから、国の要人が行方不明になったり亡くなった事にして事件は様々なケースに分けられ公表された
学術都市中には色々な噂や陰謀説が流れていった……が、そんな暗い噂は明るいニュースに全て払拭された!
あのナイスガイ達、ハゲマッチョ族の二人の研究が実を結んだ様だ!
研究クラン「カミハズットモ」の名は偉大な発明を完成させた機関として、後世に刻まれていく事になる偉業だろう
彼等のお蔭で厄介事から途中抜けする形になる俺も振り向かず次へと進める!さすがだぜ!ナイスガイズ!!ありがとう!ハゲマッチョガイズ!!
次の目的地は……
「本当にいいんだな、エルナ?」
「はい、親方様がお困りの時に私の感情など些細な事です。それに、長命種であるエルフなら最高位解析スキルを持つ人物がいるかもしれません……」
エルフ種……特に、上位種や純血種であるハイエルフやエルフが住む場所『古代都市』
他国と関わりを持たず、独立したエルフ達の国……そして、エルナの里を滅ぼした勢力
ここならエルナが言った様に最高位解析スキル持ちや、神秘の木材……世界樹や千年霊木が手に入る可能性があるかもしれないとの事だ
俺が銃の素材にいい物はないか聞いた結果だが、彼女も自分の里を滅ぼした連中の場所へ行くのに忸怩たる想いがあるのは俺でも分かる
「分かった、すまない……けど、心配するな!俺達がついている、何かあっても絶対に守るから安心していてくれ!」
「勿論ですっ!本当はお嬢様の為にももっと早く私から言うべき事だったのでしょうが、研究者の方々に私が言い出して良い事かどうか迷ってしまいまして……未熟な限りです……」
「反省は必要ですが、気に病む事はありませんよエルナ。専門家の分野に素人が口出しするのに気後れしていたのは私も同じです、そしてプロフェッショナルであるべき戦闘でも未熟でした。悔いている間があったら修練あるのみです」
「そうですよ、ユウメさんもエルナも気にする必要なんてありません!今回は私の巫女の知識が役に立っただけの事、これが料理になったら今度は私が蚊帳の外ですからね……私も嗜みとしての調理位は修行するべきですよね……」
強くなる事に貪欲な三人は、常に己に厳しい様である……この環境じゃなかったら俺は多分、能力に胡坐をかいてダラダラしてたと思う
実際、暗黒龍の生活がそうだったし……
彼女達なら守らなくても十分強いと思うんだけど、それはそれ。男としての責務位は果たさないとな
今回の国の庇護下に入るってのもやはり、アヴェスタで魔族が生まれる以上は危険だ。誰がいつ魔族に変わるか分からない状況にいるのは国の力でも防げなかった
原因と対策が分かった御陰で防げた部分もあったが、国としてのしがらみが原因で起こった事件があったのもまた事実だ
やはり国って奴はより大きな幸福を目指す必要がある以上、少数を切り捨てる決断が必要になる。そんなの凡人の俺に選べるはずがない
そういった事は大義の為に非情になれる人間がやるべきだ、王様や為政者なんて事は俺からほど遠い言葉だわ
いい王様がいい父親であるとは限らない様に、人間向き不向きがあるのは当然だよな。それを覆す様なご都合主義のチート能力が俺にあれば話が別だけど、そんな便利な物があるなら今こうして苦労してないだろうしな。マジで俺の持ってる能力の説明書が欲しいわ
あるのかないのか分からない、だったら世界を小さくするべきだ、自分が守れるサイズに小さく。大きくするにはアヴェスタが邪魔過ぎる、魔族が作っただけあってやはりこれは呪いのアイテムだ
国なんてデカイ単位で動いていると必ずそういったしがらみから危険が出てくる、村の中で暮らしてるだけで大姉さんや爺様や婆様、にいさんとも知り合った
その他の村人全員を助ける事なんて出来ない、だけど何かを得るために何かを犠牲にする様な……誰かを助ける為に、誰かを犠牲にする様な真似はしたくない
娘と嫁と家族以外の事を考えないで済むのなら、守りたいものだけを守るだけでいられるのなら……俺は凡人でいい
でもアンリは違う、彼女の世界を邪魔するアヴェスタは俺がぶち壊す!鳥かごに閉じ込められたお姫様を救い出すのは騎士の役目だ
俺の小さな世界を壊してくれたアンリにしてやりたい事だけは成し遂げたい、まだ凡人故に出来ていないが諦めるにはまだ早い
往生際が悪いのも凡人の特権だしな!
まぁそれもこれから一週間かけて、まずは一度家へと戻る旅からだ!
古代都市はエルナと出会った森のさらに奥、秘境と呼べる場所に位置する
色々と準備もあるので、久方ぶりの帰宅だ
「さ~て、それじゃ家に帰るとしますか!」
「おうち♪おうち♪おうちにかえるう~♪」
俺が知るこの世界の中で一番の常識人である先生とにいさん、二人と別れて馬車が動き出す
期待していた新婚旅行の旅は、どっちも最終目標まで至らずだが進展はあった。またゆっくりと馬車に揺られながら次に進もう
ご機嫌なアンリがはしゃいで落ちない様にしっかりと支える
この役目だけは例え、100万の臣下に傅かれ100万の部下が出来ようと譲れない。お父さんの特権だ!
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お気に入り登録ありがとうございます
これにて第3部完です
第4部開始は31日にニンジャスレイヤーの物理書籍最新刊「ケオスの狂騒曲」が出ますので2・3日空くと思います
よろしければご意見・ご感想・アドバイス・お気に入り登録お願いしたします!
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