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第53話 空の旅とアウトドアと
しおりを挟むエルナの案内で森の道なき道を行く俺達
古代都市近くのエルナの故郷から一週間かけて、叔父に連れられて逃げ延びて来たそうなのだ
その叔父はエルナを逃がす為に残党狩り……奴隷狩りとも言える追っ手達からエルナを逃がす為に犠牲になったと語る時のエルナの言葉は震えていた
少ない食料で食い繋いだエルナだがやがて底を突き、漸く森から抜け出した所で魔物に襲われた村人……に偽装したオーク達の罠に掛かっていた所を俺達に助けられたのが出会いの始まりだった
今から向かう古代都市はそんな場所……独立国家として立地からも他国と一切交流をせずに独自の発展を遂げる国、ハイエルフの女王が治める国、弱肉強食がより顕著になった国でもある
「部族間の戦は森の民の常、我々が滅んだのは弱かっただけの事……里で一番の若輩である私は叔父のお蔭で逃げる事が出来、皆さまに出会う事が出来ました。親方様がご心配される事ではありません」
それでも渋っていた俺に『私がお二人に出来る事があるなら、私は喜んでやります』と俺とアンリに言われては断る事は出来ない……戦争に負けて奴隷となった故郷の仲間に会う事にもなるだろうに……
確かに、嫌な事から目を背けていたら進む事は出来ない……エルナが身をもって教えてくれている。だったら俺は少しでもアヴェスタの解析の可能性があるなら進まなくちゃいけない!
強行軍で1週間、通常行軍で10日の距離……鬱蒼と茂った森の中では馬車も通らない
……ので、俺達はある程度森の深い所まで行ったら俺がドラゴン化して飛んで移動する事にした。途中、野獣や魔獣に襲われるので脅威じゃないけど面倒くさいのもあるしな
「そろそろいいか……じゃあ、そこの木陰で変身してくる!……エルナ?覗いたらいやよん」
「そ、そ、そ、その様な無礼を働く気など滅相も御座いません!//////」
「もう!あんまりエルナをからかっちゃ駄目よ」
「ん~ユウメだったら覗いてもいいよ?」
「の、覗く訳ないでしょ!//////」
「覗くとか覗かないとか、アンリちゃんの教育上よろしくない事は慎むべきです!アンコウ様」
「???」
アホなやり取りしてたらユウメとオミから怒られました、オミに耳を塞がれているアンリは分かっていないようだ
エルナの緊張を解そうとしたんだけど、ドン滑りしたみたいですな……ごめんなさい//////
逃げる様に木の陰に隠れて靴を脱いで、全裸になりガンベルトのマジックバックに収納。ついでにホルスターの銃も念の為にマジックバックの中に入れておく
そしてドラゴン化、手に持ったガンベルトは小指に巻けばピンキーリングのサイズだ。これで落とす事は無い
「それじゃお待たせ皆、背中に乗ってくれ……ああ、いいや俺に任せてくれ」
ドラゴン化して思った、身体の器用さが確実にアップしている……部分進化のお蔭だろうか?力の加減と動かし方が以前と段違いだ
まずはアンリから、ドラゴンだと一番器用な尻尾で彼女の小さな胴を包んで背中へと運ぶ。柔軟性も上がったからかな、尻尾の可動域も上がってるわ。やっぱ柔軟性は大事だ!
持ち上げた時にアンリが凄い喜ぶもんだから、高い高いで4メートル位の高さまで持ち上げてみたらキャッキャと笑っている。出会った時ではとてもじゃないが怖くて出来なかった事が出来ている……進歩してるな俺も!
アンリならエリアルダッシュのジェットコースター感は好きかもしれないな
「ユウメも高い高いする?」
「う……ちょっと興味があるけど腰回りがバレるから自分で乗るね//////」
ユウメの跳躍力は7メートルの俺の頭上を越えるからな、背中位なら一っ跳びだ。もうバレバレだから気にしなくていいのに!女の気にするポイントが非モテの俺には分からんね!
「私は高い所が苦手ですし、私もウエストは……自分で乗ります!//////」
別にウエストサイズ測ってるんじゃないんやで……そんなセクハラしてるみたいじゃないですか//////
意図してやったんじゃない、喜んでもらえると思ったんや!
オミもぴょんと乗って来る。気にする様な体重じゃないのにな
「私も親方様のお手を煩わせる訳には……ちょっと楽しそうだとは思いましたが//////」
なら楽しんでくれたまえ!って事で、尻尾でやさしく包んで高い高いしといた。喜んでくれて何よりだ、素直が一番である!
飛び始めたら早いものだ、永遠と続く森を眼下に、背中の彼女達に害にならない微弱な電磁波で出せる速度で進んで行く
日が落ちる寸前まで飛んだら、遠方に巨大な木が立っているのが見える……あれが古代都市の象徴『世界樹』
世界樹が見えたら半分の距離だとエルナが言うので、5日分の距離を1日まで短縮出来た様だ。もう一日飛べば到着だが、ドラゴンの姿で乗り込む訳にはいかないので近くで降りて徒歩でプラス1日の予定になった
ある程度広い場所に着陸して夜営の準備だ、まずは獣除けにドラゴンのまま周辺の樹木達に触れて臭いを付けておく。野生の獣達やモンスターなら、これで近づいて来ない
次にテントを張って、灯りを点ける。バックパック式のマジックバックなら家一軒入れても余裕があるが、アウトドアにはアウトドアの良さがある
インドア派の俺でも大自然に囲まれた環境は嫌いじゃないので、気になるような反応も周囲にはない。キャンプ生活を楽しむ事にする
と言っても祭りで作っていた屋台、火魔石完備のキッチンや水魔石の水道もあるので薪を拾ったり水を汲んだりはしない
テントの中にも5人で並んで寝ても余裕のあるキングサイズベッドを置いてある……どこがアウトドアだよ!?って思われそうだが、食事と睡眠は長距離行軍の大事だ
つくづくマジックバックは兵站の常を覆してくれる、本当に現代っ子のキャンプだ……楽しいから文句ないけど!
違った環境で、皆で作ったご飯を食べるのはまた格別だね!
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