“絶対悪”の暗黒龍

alunam

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第55話 湖畔のダンジョンと恐るべし罠と

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 酒場の店主に場所を聞いて向かったのが昼の終わり
移動には古代都市にも冒険者ギルドがあって、そこから移動ゲートを通ってすぐだから時間はどれに行っても変わらないのは有り難い

 不人気なのは湖畔のダンジョンと呼ばれる、徒歩で移動するなら5時間は更に森の奥深くに行くことになる湖近くのダンジョン
 何でわざわざ不人気を選んだかって言うと、人気が無い故に悩みの種でもある方で50層まで行ける証明した方が有難味が出て申請も早く通るんじゃないかと相談して決めたからだ

 結果的には、それが功を奏した。このダンジョン、ボス部屋まで一直線なのである
 それでなんで不人気なの?ってのには勿論、理由がある。真っすぐ行くと罠だらけだから!
 なので、脇道から迂回して行く必要があるんだけど……そうすると、モンスターが多いは曲がりくねってやたら歩かされるはで単純に面倒くさいのである

 1層の罠なんてのは、すでに見えてる落とし穴で飛び越えて行けばボス部屋まで一直線だったのでやろうと思えばサクッと終わったんだよね
 大体皆そうするみたいで、そうなると……ええ、1層脇道の通路にはモンスターハウスかよ!っていう数のダンジョンモンスターがひしめき合っていた……
 真面目に行こうとすると大量の雑魚の上に長距離歩いて迂回させられるとかストレス溜まるから無視したが早いよな……そら溢れて来る訳だ

 他人事に思えないから1層は掃除しといたけど、俺達もいつ通るかも分からない申請待ちの手続きを早く開始する必要があるので……2層目からは飛び越えて行った、気分はマリ○だったよ。亀の敵はいないけど!

 
 5層から落とし穴間の距離が開いてSAS○KEになって、10層からは矢とか槍が飛んで来て風雲!た○し城になって、20層からは着地点の地面が上下に隆起し出してマ○オに戻るっていう……
 個人的にはすっごい楽しめたよ!チートボディだからアンリを抱きながらでも余裕だし、他の皆は勿論余裕でついて来るし、罠の類は気配察知と解析スキルで全部分かるから危険は無いしで
 
 結局1層以外は一直線で進んだから早いのなんのって、初日は開始時間も遅かったけど20層まで進める事が出来て終了
 ドロップ的には不人気ダンジョン共通なのか初期層なのもあって目ぼしい物は出なかった……やっぱり出てくるアイテムがショボいってだけで不人気になる理由には十分だよな
 真っすぐ進むとボス戦の稼ぎしか無くなるから、迂回も必要になるけど、そうすると面倒な訳で……ある意味良く出来たダンジョンなんだろうか?


 


 古代都市に戻るとすっかり夜になっていて、再び夕食に酒場へと戻ると大盛況だった……活気があって賑わってるし、食堂としても利用されてるのか家族連れの姿も見られるので、アンリのいる俺達でも浮いてない
 九州の居酒屋って感じだな……酒の種類が豊富なファミレス扱いだわ
 


 「おお、早速また来てくれたのかい!どうだった?やっぱり地下ダンジョンにでも行ってきたのかい?」

 「いや、行ったのは湖畔のダンジョンだよ。不人気な所に行った方が空いてるのもあるしな」

 教えて貰ったダンジョンは3つだが、実質は2択だった
 1つは俺達が行った一番不人気の湖畔のダンジョン、1つは店主の言う人気な世界樹の地下にあるダンジョン、最後にセカイジュ・スゴイタカイ・ダンジョン……もとい、世界樹の頂上にある天空ダンジョン
 つまり世界樹ってのは2つのダンジョンが重なって出来た超巨大ダンジョンになるそうだ、前にも言ったがモンスターは狩られれば脅威だが、狩れれば美味しい

 美味しい狩場は強者に抑えられ、弱者は不味い狩場に追いやられる……それが現状でもある様だ……好んで不味い場所に行く俺達は物好きの類だそうだ
 その格差社会がダンジョンにも適用されているからか、天空ダンジョンは特権階級の独占状態……一説によると統治者であるハイエルフの女王がダンジョンマスターで、数千年前からその庇護を受けたエルフ達は繁栄を約束されて来たらしい
 そんな不可侵な領域でもあるので、下手に実力者達に討伐される様な危険は侵せない理由から入門管理されて俺達は入れない

 同じく地下ダンジョンの方も、遥か昔にハイエルフの女王が作ったらしいのだが、今は天空ダンジョンに移り住んで一般開放されている
 当然こっちも入る事は可能だが、討伐は厳禁で都市の生活基盤を無くす行為をしようものなら…そんな奴等に明日は無い様で……面倒臭い話である……

 どちらかと言えばダンジョンを管理して乱獲しない様に見張っているグループまでいる始末だそうだ、そんな暇あるなら湖畔のダンジョンの討伐してろよって感じだが

 「そりゃ有り難いな、俺達にとっちゃ湖畔のダンジョンに行ってくれる冒険者グループは神様だ。サービスさせて貰うぜ、お得意様でもあるしな!」

 「頻繁に溢れてるなら討伐隊みたいなのは出ないのか?さすがに都市まで来るには距離があるが、周辺集落の住民もいるだろう?」

 「上はそんな事、気にも留めちゃいないさ……自分達の身を自分達で守れないなら死ぬだけだ。ボランティアする暇があるなら、少しでも稼いで自分を強くする……ここはそういう場所さ……」 

 そらまた戦国時代の乱世か、マッポーめいた世界だ事で……
強い奴は利権を享受して、弱い奴は不味い所で危険に晒される世知辛い世界でもある。少しでも差を詰める為に、こぞって許される最大限の効率を目指す事を攻める資格は誰にもないしな……
 命がけで不味いダンジョンに行くよりも、自然豊かな森の中なら他に稼ぐ方法は幾らでもあるしで……ただ中流クラスの奴等から稼ぐ手段の選択肢が増えるって差みたいだけど、やはりそれでも抗争は起きてしまうもんなのは平和ボケしていた俺が言える事じゃないか
 他人が楽して稼いでるのを見て我慢出来るかと聞かれれば、グチの一つも言いたくなる元・社畜だしな

 
 まぁそれがルールだってんなら従う事にしよう。守る必要は無いが、面倒臭くない様に波風立たせない為に作るのがルールだ。力があるからって、一々突っ張ってたら別の厄介事を抱え込むのは目に見えている……何にでも反抗する様なガキみたいな年齢でもないしな、今日の1層は完全に自己満足のボランティア精神だったけど

幸い湖畔のダンジョンは討伐対象の意見が多くそのルールの範囲外だし、進む分には一本道で効率がいい。明日さっさと50層まで終わらせるとしよう

 「1層のモンスターは処理したが、余計なお世話だったみたいだな。気休めにしかならん行為だしな」

 「んなこたぁないさ!少ないが感謝の気持ちに一杯奢らせて貰うぜ、これなんかオススメだ!」

 俺・ユウメ・オミには酒、エルナとアンリにはジュースが振る舞われた 
 おお、確かにこりゃ旨いっすな~……明日も一層処理位なら、やって進もうかなーって我ながらチョロすぎるな……
 





 そして次の日の朝、再び湖畔のダンジョン21層から開始した俺達
 アスレチックアトラクション感覚でじゃんじゃん踏破していく……変化が起きたのは30層、普通の一本道になった

 普通って言っても、そこかしこに罠がある。落とし穴が無くなった代わりに、踏んだら針が出て来たり、毒霧が吹き出て来たりと罠らしい罠の気配が道中にびっしり配置されている
 迂回ルートを見ると、モンスターがびっしり配置されている……ので、面倒臭いから進化して装甲纏った俺が全部罠を潰しながら真っすぐ進みました。針も毒も利かないしね

 力があるなら決められたルートなんか無視して進めるのだ!……いや、別に反抗してる訳じゃないよ。ルールの穴を突くのが賢い大人のやり方で言い訳云々……
 俺が道を拓いて、女性陣4人でボス撃破を繰り返す。ボスまで俺がやると、やる事が無いと不満を買っちゃうからね。ボス戦は進化して正座待機ってか!
 戦わない変身ヒーローェェ……


 階層が上がる度にトラップの罠が、石化ガスだったり、天井から巨大な落石が降ってきたりと凶悪さを増していったけど、正直俺にはどれも五十歩百歩なので気にせず進む
 ……ただ進んで行くだけの作業なんだけど分かって貰えるかな?マッピングジャンキーの悲しい習性って言うか、マップ埋めって言うか……

 一番近いのは、そう!包装シートのプチプチを一個づつ潰していくあの感じ!通り道の罠を潰すだけでいいんだけど、全部潰したくなるあの感じ
 そんな所に罠貼っても誰も引っかからないよ!っていう所にあるのまで潰したくなるのは本当に罠だったね……一部の人にしか効かない罠だけど俺には超有効!あの罠は何だったのかしっかり解析すれば分かったけど、ボス部屋すぐ入ったから気になるわ~
 遊んでる場合じゃないので我慢したけど、すっごい背中がムズムズする感じは分かる人には分かって貰えるはず……全く何て恐ろしい罠だ!

 そんなストレスの溜まる道(俺だけ)を進みつつも踏破速度は驚異的で、時間にして多分3時頃には50層到達出来たので終了
 段々珍しい物が出て来だしたけど、ドロップ品の数々はアイテムと言うよりも食材だった。湖畔のダンジョンと言うだけあって水性生物の食材……淡水・海水関係なく魚介類が一杯取れた
 大丈夫かよと思ったけど新鮮その物みたいで、エルナが凄い喜んでたので今日は海鮮パーティだな

 宿でも酒場でも食事は出来るけど、エルナの作るご飯が一番である。もう俺達の家庭の味になってるしね! 



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