“絶対悪”の暗黒龍

alunam

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第56話 ダンジョンハックと 前

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 道行く人達の視線を感じる、好奇の視線だったり余所者を見る目線だったりだ
 閉鎖した田舎にある独特の空気を感じる……人間種である俺・ユウメ・アンリは古代都市では希少種だ。レアリティではなくマイノリティの意味でだが…… 
 ここは世界樹外周部……オミとエルナは宿の厨房を借りて夕食の準備中だ

 聞いていた世界樹内部への許可証を発行する場所まで行くと、そこは丸で関所の様な場所だった。江戸時代か戦国時代かよく分からんな……
 申請する場所はお役所独特の空気が流れていたが、手続き自体はすんなり終わった。この閉鎖空間である古代都市でも戦術級ゴールドの看板は有効だったからだ
 冒険者ギルドはあるので、それもそうだろうが実力証明に大変役に立った。50層の記録もひょっとしたら必要なかったかもな……まぁそうなると、エルナまではともかく俺とアンリに許可証が下りない訳で……

 オミとエルナから預かった冒険者カードも一緒に提出して、5人全員が湖畔のダンジョン50層踏破の記録を提出すると簡単な審査で1週間後に発行される事になった
 なんせゴールド2とシルバー1っていうカードが並べられた時の受付の態度の変わりっぷりといったら……いかにもお役所だったよ、これは日本も異世界も変わらないね
 こういう時に便利だよね、分かりやすい権威の目安は……俺にはどうしようもないけどな、チキショーメ!



 後は、少し酒場に寄って情報収集してみたが最高位解析スキル持ちに関してはやはり国の秘密
 霊木関連に関しては、最近ダークエルフの集落との大規模な戦闘があったので出物が品薄らしい……どうやらエルナの里の事の様だ、エルナに聞かれなくて良かった。またエルナの所為では無い責任を、うちの可愛い頑固者が感じる事が無くて

 それに世界樹内部の道具屋になら売られている様なので一週間待つだけで、俺の問題はクリアだ
 後はどうやってセントラルに最高位解析スキル持ちの所在を聞くかだが、こればっかりは中に入らないと分からないみたいだしな
 
 すんなり行ったが一週間すっぽりと空いてしまった……やる事が無くなったが千年生きるエルフ達が1週間待ってくれと言うなら従うしかないだろう。お役所としてもそれが最速らしいから仕方ない




 「って事で、スムーズに済んだけど一週間どうする?進展は内部に行かないと進まない以上、保留ばっかりだしな」

 海鮮サラダに海鮮スープ、他シーフードのフルコースが並んだ豪華なテーブルを囲んで会話する。余った食材を宿に提供したら喜んで個室を貸してくれた

 「では、このままダンジョントライを続けるのはどう?一週間じっとしているのは身体が鈍るから」

 「私も賛成です、裁縫でもいいですが皆さんと一緒に行動したいですし」

 「私も行ける場所が限られていますし、修練出来てお嬢様の御傍に居れるダンジョン希望であります」

 「みんなといっしょがいい!」

 「OK全員一致なら、俺から言う事は無いな……一週間もあったら全階層突破ダンジョンハックもするかもな?」

 ダンジョンハック……冒険者が目指す栄光の一つ
踏破者には栄誉とは別に、そのダンジョン固有のアーティファクトと加護が与えられる
 実力者だからと言って簡単に成し得ないのは、ここみたいに生活の基盤になっていたりして滅多に討滅できないケースもあるが……単純に制覇するのは一流冒険者でも難しいからだ

 その点、俺達には超一流の証……戦術級メンバーが3人いるし問題無いな。俺も実力は戦術級だからな実力は!進化の力なら作戦級か戦略級かは知らないけどね、ブラックの人に会った事ないし

 
 「確かに湖畔のダンジョンなら感謝される事はあれ、恨まれる事はないでしょうね」

 「今は無き里とはいえ、湖畔のダンジョンは我々にも問題でした。せめて手向けに一矢報いたく思います……」

 「それじゃエルナが踏破者になるか?反対の人はいる?」

 「と、とんでも御座いません!皆様を差し置いて私が加護を得る等!!」

 エルナが得る等っておま……考えすぎか……
残念ながらメンバー全員にアーティファクトや加護が貰える訳じゃない、それで仲間割れが起きるのも制覇出来ない原因の一つだ
 クリアするとダンジョンコアが現れ、それに触れる事でその人だけが踏破者となりアーティファクトの所有者権限や加護を得る事になるらしい

 けど、ウチには関係ない様だ。誰も反対する者はいないし、反対してるのは当の本人だけっていう……

 「では、やはりお嬢様が得られるのが妥当かと……皆様に加護が必要とも思えませんし……特に、親方様には……」

 おう、何気に失礼だけど完全に同意だわ。まだ底の知れない能力が一杯あるのに、これ以上増やされたら敵わんしな!

 「え?なにかもらえるの?」

 「ん~踏破しないと分からないけど、多分良い物が貰えるはずよ!」

 「おー、なにかな?なにかな?」

 「アンリちゃんに似合うアーティファクトだったら良いですね~、それに似合う衣装を作るのが楽しみです!」

 全員で加護やアーティファクトの話題で盛り上がる。捕らぬ狸の皮算用だけど、こういう時が一番楽しいよね!でもその時は、すぐ来る事になった……


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