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チュートリアル(入学前)
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一頻り入浴作業を終えて、ゆったり広々とした湯船に浸かり人心地ついた所で改めて思う……
足ながっ!腰ほそっ!胸おっきー!
自分の身体の感想を自分で言うのは滑稽だけど、抜群のプロポーションですねこれは!
これで前世で言うところの、高校入学を控えた15歳の女の子だってんだから……いやはや、昔の私の立つ瀬がありません。
浴槽から出て、浴室内に備え付けられた鏡の前に立つと、其処にはブルネットの深い鮮やかなダークブラウンの髪をした絶世の美女が映っていた。
豊かな長髪、8頭身の小顔、つり目気味だが大きくて切れ長の目、髪色と同じ瞳は黒真珠の様に潤んで輝きを放っている。
鼻立ちはスッとして高く、桜色の唇が少女と美女の曖昧さを醸し出し、可憐とも妖艶ともつかない不思議な魅力となっている。
これから更に成長して、18歳になる頃には9頭身になってもっと美人になるんだから将来薔薇色ですわ。18歳で死ぬんですけどね!ほりーしっと!
死因は勿論、ヘレスティアに倒されるからです。
平凡な少女ヘレスティアが、名門校テスタメントで様々な出会いをし、やがて復活する魔王に仲間と共に立ち向かい、見事撃破してヒーローと結ばれハッピーエンド。これが乙女ゲーム「ヘレスティア」の大まかな流れ。
その中でワタクシことマリアルイゼの役目は、テスタメントに途中入学するヘレスティアを虐めて、ヒーロー達との仲を邪魔して、魔王復活と共に聖女に選ばれるヘレスティアに嫉妬して、逆恨みからの闇堕ちで魔族側の手先になり、聖女ヘレスティアとその仲間に倒される。
虐められていたとはいえ同級生のワタクシを倒す事で、心優しいだけの少女から罪を背負っても正しくあろうとする真の聖女へと覚醒し、ついでに一番好感度の高い攻略対象とのルートが確定する……パワーアップイベントの為の舞台装置といった所だ。
ストーリー自体は心優しいヘレスティアなので、悪の手先になったマリアルイゼを必死で説得するが、操作しているプレイヤーとしては一刻も早く倒させろ!といったイベントでもある。
だってスッゴい嫌な奴だからね、マリアルイゼ……
流石は公式から「マリアルイゼの良いところは見た目と中の人の演技、それ以外は最低最悪だと思われるように頑張りました!」と言われるだけの事はあるのです。
それまでに稼いだ嫌感度の恨み骨髄で、ラスボスの魔王倒すよりもスッキリすると評判な位なんで……
そんなワタクシこと私が生き延びねばならない道はやはり険しい。
ヘレスティアと戦わなければ生き延びる事が出来るかもしれないが、そうするとヘレスティアが真の聖女へと覚醒せず、魔王を倒せなかったら人類滅んでバッドエンド。
じゃあ人類の為に犠牲になるのかと聞かれたら冗談じゃない。高貴なる者の矜持なんか生憎と、ワタクシはともかく私は持ち合わせておりません!精一杯、生き汚く生き延びてみせますとも!
「お嬢様、お時間になりました。」
うむ、お風呂でサッパリした所で決意も新たにジャストタイミングですわ。決意するばかりで具体的な解決策が全然思いつきませんが……
足ながっ!腰ほそっ!胸おっきー!
自分の身体の感想を自分で言うのは滑稽だけど、抜群のプロポーションですねこれは!
これで前世で言うところの、高校入学を控えた15歳の女の子だってんだから……いやはや、昔の私の立つ瀬がありません。
浴槽から出て、浴室内に備え付けられた鏡の前に立つと、其処にはブルネットの深い鮮やかなダークブラウンの髪をした絶世の美女が映っていた。
豊かな長髪、8頭身の小顔、つり目気味だが大きくて切れ長の目、髪色と同じ瞳は黒真珠の様に潤んで輝きを放っている。
鼻立ちはスッとして高く、桜色の唇が少女と美女の曖昧さを醸し出し、可憐とも妖艶ともつかない不思議な魅力となっている。
これから更に成長して、18歳になる頃には9頭身になってもっと美人になるんだから将来薔薇色ですわ。18歳で死ぬんですけどね!ほりーしっと!
死因は勿論、ヘレスティアに倒されるからです。
平凡な少女ヘレスティアが、名門校テスタメントで様々な出会いをし、やがて復活する魔王に仲間と共に立ち向かい、見事撃破してヒーローと結ばれハッピーエンド。これが乙女ゲーム「ヘレスティア」の大まかな流れ。
その中でワタクシことマリアルイゼの役目は、テスタメントに途中入学するヘレスティアを虐めて、ヒーロー達との仲を邪魔して、魔王復活と共に聖女に選ばれるヘレスティアに嫉妬して、逆恨みからの闇堕ちで魔族側の手先になり、聖女ヘレスティアとその仲間に倒される。
虐められていたとはいえ同級生のワタクシを倒す事で、心優しいだけの少女から罪を背負っても正しくあろうとする真の聖女へと覚醒し、ついでに一番好感度の高い攻略対象とのルートが確定する……パワーアップイベントの為の舞台装置といった所だ。
ストーリー自体は心優しいヘレスティアなので、悪の手先になったマリアルイゼを必死で説得するが、操作しているプレイヤーとしては一刻も早く倒させろ!といったイベントでもある。
だってスッゴい嫌な奴だからね、マリアルイゼ……
流石は公式から「マリアルイゼの良いところは見た目と中の人の演技、それ以外は最低最悪だと思われるように頑張りました!」と言われるだけの事はあるのです。
それまでに稼いだ嫌感度の恨み骨髄で、ラスボスの魔王倒すよりもスッキリすると評判な位なんで……
そんなワタクシこと私が生き延びねばならない道はやはり険しい。
ヘレスティアと戦わなければ生き延びる事が出来るかもしれないが、そうするとヘレスティアが真の聖女へと覚醒せず、魔王を倒せなかったら人類滅んでバッドエンド。
じゃあ人類の為に犠牲になるのかと聞かれたら冗談じゃない。高貴なる者の矜持なんか生憎と、ワタクシはともかく私は持ち合わせておりません!精一杯、生き汚く生き延びてみせますとも!
「お嬢様、お時間になりました。」
うむ、お風呂でサッパリした所で決意も新たにジャストタイミングですわ。決意するばかりで具体的な解決策が全然思いつきませんが……
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