パウー掌編集

さく

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雑多な未分類掌編共(単発完結シリーズ)

お題「クリーチャー」

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 フラスコの中で蠢く肉塊を見ながら、その男──錬金術師クレイは血走った目を見開き、クフクフと含んだ笑いを口の端から漏らしている。
 やがて、フラスコの中の蠢く肉塊が、ペースト状に広がり、茶褐色に変化していくとともに、クレイの表情は落胆の色が濃くなった。

「またか、また失敗したか」

 ホムンクルスの生成を手がけ一年。レシピはあるものの、どうしても上手くいかない。
 出来るモノといえば、ゲル状のモノであったり、菌糸の様なモノを伸ばしては朽ちていく異形のモノばかりであった。
 クレイが頭を掻いていると、実験室の片隅から少女のような声が響く。

「マスター。そろそろ食事が欲しい」

 その声にクレイはため息をつくと、小皿に蜂蜜をとり、細かく切ったパンをたっぷりと絡める。
 声の主のホムンクルスへの食事である。
 今は亡き、彼の師匠が最後に作ったクリーチャーだ。
 ピンセットでパンをつまんで彼女に与えると、嬉しそうに囓りついた。

「すまない」
「きにしないで。それよりマスターも食べないと」

 彼女は明るく笑う。
 クレイはパンを囓りながら、次のアプローチを考えていた。
 彼女の伴侶を作ることが、卒業課題なのだから。
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