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7人目
侵略
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わしよりも体格のいいシズクを<重力操作>で少しだけ軽くして、ようやく背負って歩き続ける。歩くだけでも一苦労な根が張り巡らされた地面を五分ほど歩いただろうか、という時、シズクは「うぅん……」と目を覚ました。
「んん……ここは?」
寝ぼけていて、まだ状況を理解出来てないのだろう。シズクが枯れた声で聞くその息が首に当たってこそばゆかった。
と、同時にわしは肩にかかっているシズクの腕に力が入っていないことに気付く。普通意識を取り戻せば、ある程度自分でも体勢を維持しようと力が無意識に入るものなんだが、それが無い。つまり、シズクがそれほど疲労しているということなんだろう。
「見ての通り、わしの背中の上じゃよ。リューロ達と二手に別れて逃げているんじゃ」
「逃げ……て? あっ、」
はじめは本当に心当たりがないようにただわしの言葉をなぞるシズクだったが、その行為によって逆に完全に思い出したらしい。シズクが勢いよく振り向いたせいで、一気にわしの上半身が後ろに倒れそうに引っ張られる。
「えっ、エレナは!? 逃げれたの!?」
「うむ、何か第三者の助けが入ってのぉ。恐らく、いや確実に帝国の助っ人と考えていいじゃろう」
<陽動>の声の主、姿こそ見えなかったものの、その体内魔素パターンに覚えがあったのだ。ユリウスとの交渉の際に居た側近の一人、確かミレイという名だった彼女のものだった。
それを説明すると、シズクは安心したように張っていた背を前にだれるように倒して、再び体重を預けてきた。
「そっか……良かったあ。ごめんね……まだ『世界図書』は短時間しか<上書き>出来ないし、それでももう指一本動かせないや」
「いや、あれがなければ、ミレイが来る前にわしら全員一刀両断されていたじゃろう。助かっ……って、また寝たのか」
わしの顔の横、目を瞑って口からヨダレを垂らしているシズクの顔が揺れているのを見て、その完全に気を抜いている姿とさっきまで喋っていたのに爆速で寝てしまっていることに少し笑ってしまう。
が、<探知>に魔物が引っかかり、その笑みは自然と消える。
──前か、このまま歩いていてもぶつかるのぉ。
シズクが起きないよう<重力操作>で浮かして、出来るだけ背負っていた状態と同じ姿勢のまま少し横に居てもらう。
「<鑑定>……スカルリザードか」
前方の茂みにいるであろう、ソイツにわしは杖を向けた。
***
スカルリザードを倒した後、さらに数十分歩いた場所でわしは腰を下ろしていた。まだ動けないらしいシズクは地面に寝かせて、通信装置を起動する。真っ赤な点滅をしながら起動する通信装置、緊急連絡の合図だった。
ジーーー、という2秒ほど通信装置を起動させる時の独特な音が鳴った後、直ぐに虚空へユリウスが投影された。その表情はいつになく厳しいもので、ただでさえ緊急連絡でしていた嫌な予感が余計に増す。
「──リカ・ローグワイス、落ち着いて聞け」
なんの挨拶もなく、開口一番にユリウスはそう言う。わしはただそれに頷いた。
「今、まさに今現在、魔道国が襲撃されている。既に首都は陥落、研究所にあるお前のスペアはほとんどが破壊されている」
「なっ……」
首都が陥落、スペアが破壊。その言葉に一瞬で口の中が乾いていくのが自分でも分かった。
──いや、待て。
攻撃されたならば、部下から通信が来るはずなのにそれが来ていない。だから、それが本当かはまだ分からない。
わしは震える手で、最悪の事態を知ってしまう可能性があるならば確かめたくないと必死に叫ぶ頭を、無理やり理性で押さえつけて心臓部についた通信装置を起動させる。
ぴ、ぴ、ぴ、という接続音の後、無情な機械音声が「通信不可。通信不可。重篤なエラーが発生しています」とだけ知らせた。
──本当……か。
がくっと、膝の力が抜ける。が、聞かねばならぬことがあった。どこの誰が、魔道国を攻撃したのかということだ。
「どこじゃ? 教国か、共和国か、それともその連合軍か?」
「いや、教国でも共和国でもない。四覇聖『膨縮王』リュウイチ、たった一人だ」
「一人……だと? いや、まさか……いやいや、そんなはずは……!」
わし以下の魔力量を持つ発動者からの魔法全てを無効化する魔力結界。半径50キロ以内で感知された飛来攻撃を撃墜する全自動迎撃装置。悪意そのものを感知して入った人間を灰燼と化す連鎖爆破陣。そもそも国家の場所ごと偽っている幻覚術式。他国で問題アリと判断された荒くれ者を集めた魔法国防軍。最悪の場合に備えて国ごと高度5000メートルまで移動させる浮遊動力炉。わしのスペア200体が自律的に敵を排除するローグワイスシステム。
それら全てが、たった一人に破られた?
信じられるはずが無かった。
「リュウイチ……って、もしかして……」
寝ていると思っていたが、わしの声で起きたらしい。仰向けで目に片腕を重ねながら、シズクは口を開いた。
「……百年前に転生者殺しとして指名手配されていたあの『塗装屋』リュウイチ? だとしたら、可能かもしれない。奴は正真正銘の……今のエレナに並び立つほどのバケモノだ」
「『塗装屋』じゃと? 奴は捕まったはずじゃ……」
すっかり忘れていたその別名、一時は世界を恐怖のどん底に陥れたほどの凶悪犯罪者であるソイツの名をわしは百年ぶりに口に出す。
「その話は知らないが、奴の能力は膨張と収縮だ」
ユリウスはそう言った。
そして、それは、それこそがまさしく『塗装屋』の転生者特典と全く同じだった。
***
「一応、国外の誰も知らない場所に二体だけスペアを残しておる。最悪の場合ソレで帰ってくるからシズクよ、少々待っておれ」
「駄目、だって。死んじゃ……もっ……ない……から」
魔物が入ってこないように攻撃結界を張って、わしはシズクにそう言う。なにか引き止める言葉を紡ぎながら、必死に仰向けに寝ながらも腕を伸ばして服を掴もうとするシズクだったが、その手には力が入っていない。簡単に振り払えた。
「そう心配するでない」
わしは思ってもない気休めの言葉を吐いて、背を向ける。
そのまま自動爆破が及ばない場所まで離れて、わしは自殺をした。
「んん……ここは?」
寝ぼけていて、まだ状況を理解出来てないのだろう。シズクが枯れた声で聞くその息が首に当たってこそばゆかった。
と、同時にわしは肩にかかっているシズクの腕に力が入っていないことに気付く。普通意識を取り戻せば、ある程度自分でも体勢を維持しようと力が無意識に入るものなんだが、それが無い。つまり、シズクがそれほど疲労しているということなんだろう。
「見ての通り、わしの背中の上じゃよ。リューロ達と二手に別れて逃げているんじゃ」
「逃げ……て? あっ、」
はじめは本当に心当たりがないようにただわしの言葉をなぞるシズクだったが、その行為によって逆に完全に思い出したらしい。シズクが勢いよく振り向いたせいで、一気にわしの上半身が後ろに倒れそうに引っ張られる。
「えっ、エレナは!? 逃げれたの!?」
「うむ、何か第三者の助けが入ってのぉ。恐らく、いや確実に帝国の助っ人と考えていいじゃろう」
<陽動>の声の主、姿こそ見えなかったものの、その体内魔素パターンに覚えがあったのだ。ユリウスとの交渉の際に居た側近の一人、確かミレイという名だった彼女のものだった。
それを説明すると、シズクは安心したように張っていた背を前にだれるように倒して、再び体重を預けてきた。
「そっか……良かったあ。ごめんね……まだ『世界図書』は短時間しか<上書き>出来ないし、それでももう指一本動かせないや」
「いや、あれがなければ、ミレイが来る前にわしら全員一刀両断されていたじゃろう。助かっ……って、また寝たのか」
わしの顔の横、目を瞑って口からヨダレを垂らしているシズクの顔が揺れているのを見て、その完全に気を抜いている姿とさっきまで喋っていたのに爆速で寝てしまっていることに少し笑ってしまう。
が、<探知>に魔物が引っかかり、その笑みは自然と消える。
──前か、このまま歩いていてもぶつかるのぉ。
シズクが起きないよう<重力操作>で浮かして、出来るだけ背負っていた状態と同じ姿勢のまま少し横に居てもらう。
「<鑑定>……スカルリザードか」
前方の茂みにいるであろう、ソイツにわしは杖を向けた。
***
スカルリザードを倒した後、さらに数十分歩いた場所でわしは腰を下ろしていた。まだ動けないらしいシズクは地面に寝かせて、通信装置を起動する。真っ赤な点滅をしながら起動する通信装置、緊急連絡の合図だった。
ジーーー、という2秒ほど通信装置を起動させる時の独特な音が鳴った後、直ぐに虚空へユリウスが投影された。その表情はいつになく厳しいもので、ただでさえ緊急連絡でしていた嫌な予感が余計に増す。
「──リカ・ローグワイス、落ち着いて聞け」
なんの挨拶もなく、開口一番にユリウスはそう言う。わしはただそれに頷いた。
「今、まさに今現在、魔道国が襲撃されている。既に首都は陥落、研究所にあるお前のスペアはほとんどが破壊されている」
「なっ……」
首都が陥落、スペアが破壊。その言葉に一瞬で口の中が乾いていくのが自分でも分かった。
──いや、待て。
攻撃されたならば、部下から通信が来るはずなのにそれが来ていない。だから、それが本当かはまだ分からない。
わしは震える手で、最悪の事態を知ってしまう可能性があるならば確かめたくないと必死に叫ぶ頭を、無理やり理性で押さえつけて心臓部についた通信装置を起動させる。
ぴ、ぴ、ぴ、という接続音の後、無情な機械音声が「通信不可。通信不可。重篤なエラーが発生しています」とだけ知らせた。
──本当……か。
がくっと、膝の力が抜ける。が、聞かねばならぬことがあった。どこの誰が、魔道国を攻撃したのかということだ。
「どこじゃ? 教国か、共和国か、それともその連合軍か?」
「いや、教国でも共和国でもない。四覇聖『膨縮王』リュウイチ、たった一人だ」
「一人……だと? いや、まさか……いやいや、そんなはずは……!」
わし以下の魔力量を持つ発動者からの魔法全てを無効化する魔力結界。半径50キロ以内で感知された飛来攻撃を撃墜する全自動迎撃装置。悪意そのものを感知して入った人間を灰燼と化す連鎖爆破陣。そもそも国家の場所ごと偽っている幻覚術式。他国で問題アリと判断された荒くれ者を集めた魔法国防軍。最悪の場合に備えて国ごと高度5000メートルまで移動させる浮遊動力炉。わしのスペア200体が自律的に敵を排除するローグワイスシステム。
それら全てが、たった一人に破られた?
信じられるはずが無かった。
「リュウイチ……って、もしかして……」
寝ていると思っていたが、わしの声で起きたらしい。仰向けで目に片腕を重ねながら、シズクは口を開いた。
「……百年前に転生者殺しとして指名手配されていたあの『塗装屋』リュウイチ? だとしたら、可能かもしれない。奴は正真正銘の……今のエレナに並び立つほどのバケモノだ」
「『塗装屋』じゃと? 奴は捕まったはずじゃ……」
すっかり忘れていたその別名、一時は世界を恐怖のどん底に陥れたほどの凶悪犯罪者であるソイツの名をわしは百年ぶりに口に出す。
「その話は知らないが、奴の能力は膨張と収縮だ」
ユリウスはそう言った。
そして、それは、それこそがまさしく『塗装屋』の転生者特典と全く同じだった。
***
「一応、国外の誰も知らない場所に二体だけスペアを残しておる。最悪の場合ソレで帰ってくるからシズクよ、少々待っておれ」
「駄目、だって。死んじゃ……もっ……ない……から」
魔物が入ってこないように攻撃結界を張って、わしはシズクにそう言う。なにか引き止める言葉を紡ぎながら、必死に仰向けに寝ながらも腕を伸ばして服を掴もうとするシズクだったが、その手には力が入っていない。簡単に振り払えた。
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わしは思ってもない気休めの言葉を吐いて、背を向ける。
そのまま自動爆破が及ばない場所まで離れて、わしは自殺をした。
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