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1.はじめに
しおりを挟む『 私は悪役令嬢だ 』
そんな、異世界転移、又は転生をされ、自分が何だか『 悪役令嬢 』だと気付いた方はまずは、この悪役令嬢についての取扱説明書をご覧頂きたい。
まずは、落ち着いて聞いてもらいたい。
書き出し早々だが、悪役令嬢が主人公で登場する女子ゲーはまず、存在はしない。
何故なら、凡人の癖にあらゆる高嶺のイケメンにちょっかいを出し、チヤホヤ持て囃されながら高級逆ハーレム状態で最後、アレだけのイケメンから贅沢に本命を選び出すのが主人公、そう、それが『 ヒロイン 』なのだから。
悪役令嬢とは、爵位ある令嬢が先に王子との婚約を交わしているにも関わらず、今まで見向きもされなかった様な凡人の娘(ヒロイン)に寝取られ(え?)、骨抜きにした王子を操られ、挙げ句の果てに、根も葉もないヒロインいじめの噂を学園内全域の隅々までご丁寧に広められ、フィアンセを取られた精神的ダメージだけでは飽き足らず、両親の地位まで脅かす程のエゲツない暴挙に出るヒロインに、地味にいたぶられながらも悪役に貶められた令嬢として、ほぼほぼ3年間を乗り切り、やっとの思いで卒業式を迎えれば、選りに選ってその人生節目の日に婚約を申し込まれた王子その人に、婚約破棄の決め台詞を学園全生徒の前で吐き捨てられると言う陵辱プレイを踏まえたキャラ設定なのである。
貴女がどM…失礼、又はその世界へ瞬時にと順応出来る体質以外の方には、自分が『 悪役令嬢 』だと気付いたとしても、気付いていないフリをするか、シラを切る事を切にオススメしたい。
この悪役令嬢の取扱説明書は、私が実際に異世界で『 悪役令嬢 』を終えた経験を基にしたマニュアルでもあるのだ。そんな不意に異世界へ招かれ、悪役令嬢ライフを快適に過ごす為の予備知識として活用いただければ幸いである。
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