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弐話
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所々に豪華な金刺繍があしらわれた真紅のジュストコールの男はシルキーゴールドのプリンスショートヘアに瞳はパープルとスカーレットのオッドアイ。明らかに王族の気品と風格、そして、特有のオーラを併せて持っていた。ユウの居た世界の『人』とはまた異なる種族か、例えるなら精霊の様な存在感だった。彼はこちらに視線を向けると声のトーンを更に高揚させた。
「ほぉ! そちらが例の聖女様か?」
「はい、殿下。古より伝わります古代言語の召喚術式によって、異世界から参られた救世主様でございます」
「なるほど。聖女様のお召し物がこちらの洋服と似てはいるが、この世界とは別物と一目で分かる。正真正銘の神に仕えし聖女様なのだな!」
「相違ございません」
「そうか、」
紅いジュストコールの男は更にこちらに歩み寄る。後ろで蹲っていた女性はハッとした表情すると、何故か急に立ち上がって前に出る。
「この展開! 私、聖女として呼ばれたのよね? ええ! きっとそうだわ! ラノベのテンプレなら、今、こっちに来る人が第三王子かしら? すごいイケメン! あぁ、この方と将来、結ばれるのかしら? えっ! なんでこんな日に限って、おしゃれ着じゃないのよ! もー! あ、ちょっと、待って! 下着はどうだったかしら? 今日はたしか金曜日よね? なら大丈夫っ! さぁ、来るわ王子様! あぁ、緊張するぅー!」
紅いジュストコールの男は、『聖女』と呼ばれていた女性の横を呆気なく通り過ぎ、ユウの前で片膝を着くと敬意や服従、忠誠心を示す仕草で軽く会釈する。
「え? ちょっと?」
女性の肩透かしを食らった表情を横目に紅いジュストコールの男は、ユウに自分の身分を明かす。
「聖女様。私はこの国ヴァストリアの国王の子。三陸を統治する第三皇太子フレイス・ディヴァー・ロイズⅥ。私の事はフレイと呼び捨てで構わない。さて、この世界に半ば強引な手段でお呼びしてしまった事、心より深くお詫び致します。聖女様」
「俺は男だ」
「ほぉ! そちらが例の聖女様か?」
「はい、殿下。古より伝わります古代言語の召喚術式によって、異世界から参られた救世主様でございます」
「なるほど。聖女様のお召し物がこちらの洋服と似てはいるが、この世界とは別物と一目で分かる。正真正銘の神に仕えし聖女様なのだな!」
「相違ございません」
「そうか、」
紅いジュストコールの男は更にこちらに歩み寄る。後ろで蹲っていた女性はハッとした表情すると、何故か急に立ち上がって前に出る。
「この展開! 私、聖女として呼ばれたのよね? ええ! きっとそうだわ! ラノベのテンプレなら、今、こっちに来る人が第三王子かしら? すごいイケメン! あぁ、この方と将来、結ばれるのかしら? えっ! なんでこんな日に限って、おしゃれ着じゃないのよ! もー! あ、ちょっと、待って! 下着はどうだったかしら? 今日はたしか金曜日よね? なら大丈夫っ! さぁ、来るわ王子様! あぁ、緊張するぅー!」
紅いジュストコールの男は、『聖女』と呼ばれていた女性の横を呆気なく通り過ぎ、ユウの前で片膝を着くと敬意や服従、忠誠心を示す仕草で軽く会釈する。
「え? ちょっと?」
女性の肩透かしを食らった表情を横目に紅いジュストコールの男は、ユウに自分の身分を明かす。
「聖女様。私はこの国ヴァストリアの国王の子。三陸を統治する第三皇太子フレイス・ディヴァー・ロイズⅥ。私の事はフレイと呼び捨てで構わない。さて、この世界に半ば強引な手段でお呼びしてしまった事、心より深くお詫び致します。聖女様」
「俺は男だ」
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