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幕間-その1-
宿屋での一幕
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この話はアヴラムが奴隷市場でビートと契約を結んだあとのこと。
■■■
その日はもう遅いので、アヴラムとビートは宿屋に帰ることにした。
ビートも特に暴れることなく素直に着いてくるのでアヴラムは安心する。
獣人ということで宿泊が拒否されないか心配だが、ここの亭主なら恐らく大丈夫だろうということで、普通に二人で中に入る。
「おっちゃん、ただいま!」
「おう! おかえり!」
二日目だからということもあるが、ここの亭主は面倒見が良く、直ぐにアヴラムとそこそこ仲良くなった。
そのせいで思っている以上に馴れ馴れしくなられたのは困りものなのだが、ご飯が美味しいというのと、今さら他に移るのが面倒なので宿を代えたりはしないが......
■■■
カウンターにいる亭主の名前はプラトンと言い、昔は冒険者としてそこそこ名前が売れていたらしいがアヴラムは全く知らなかったので、『お前は本当に冒険者を目指してるのか? さてはもぐりだな』と言われたが知らないものは知らない。
「おうおう、早かったな。まだ日も暮れきってねぇぞ! そんなことでは聖騎士団なんて夢のまた夢だぞ!」
「いや、だから聖騎士団に入りたいと思ってないから......」
「まぁそれは置いといて、一人追加したいんだけど部屋を追加か大きくしてもらえるか?」
「おっ! もう女でも連れてきたのか? やるなぁ!」
「ホント俺のことをどういう風に見てるんだよ......」
「泊まるのはこいつだこいつ!」
アヴラムはカウンターの下を指差す。
ビートは背が低いのでプラトンの目に入っていなかった様だ。
「ほう、獣人か!」
「何か問題があるのか?」
「いやいや、うちは問題はねぇけどな。お前さんがまさかそっち系だったとわ......」
『うちは』、ということは他では駄目な所が有るのかもしれない。
しかし、それを聞くよりまずは否定をしなくてわ。
「ちげぇよ! しかもビートは男だぞ!」
「まぁまぁ、照れなくてもいいから。それでベッドのサイズはキングサイズか?」
「いや、二つ用意しろよ......」
ビートが良く分かっていないのに、絶妙なタイミングで話に割り込んでくる。
「オレはベッドがナくてもいいぞ、だからヒトつでもいい」
地べたで寝るのに慣れてるからいらないという意味なのだろうが、プラトンからしたらそうは聞こえない。
「ほら、そっちの子もそういってるぞ!」
「そろそろ冗談はやめにしてくれ......」
「ビートも遠慮は要らないからな、仲間に地べたに寝させられないから」
「でもオレはドレイだ。フツウはジべたにネるぞ?」
「だから俺は、ビートをそんな扱いしないし、遠慮なんてしなくていいから!」
「......ワかった」
「話はまとまったか? ならキングベッド一つだな?」
「シングル二つだ!」
■■■
部屋を移って中を見てみると、シングルベッドがくっ付けて置いてあったので、選ぶ宿屋を間違えたかなと真剣に悩むアヴラムだった。
■■■
その日はもう遅いので、アヴラムとビートは宿屋に帰ることにした。
ビートも特に暴れることなく素直に着いてくるのでアヴラムは安心する。
獣人ということで宿泊が拒否されないか心配だが、ここの亭主なら恐らく大丈夫だろうということで、普通に二人で中に入る。
「おっちゃん、ただいま!」
「おう! おかえり!」
二日目だからということもあるが、ここの亭主は面倒見が良く、直ぐにアヴラムとそこそこ仲良くなった。
そのせいで思っている以上に馴れ馴れしくなられたのは困りものなのだが、ご飯が美味しいというのと、今さら他に移るのが面倒なので宿を代えたりはしないが......
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カウンターにいる亭主の名前はプラトンと言い、昔は冒険者としてそこそこ名前が売れていたらしいがアヴラムは全く知らなかったので、『お前は本当に冒険者を目指してるのか? さてはもぐりだな』と言われたが知らないものは知らない。
「おうおう、早かったな。まだ日も暮れきってねぇぞ! そんなことでは聖騎士団なんて夢のまた夢だぞ!」
「いや、だから聖騎士団に入りたいと思ってないから......」
「まぁそれは置いといて、一人追加したいんだけど部屋を追加か大きくしてもらえるか?」
「おっ! もう女でも連れてきたのか? やるなぁ!」
「ホント俺のことをどういう風に見てるんだよ......」
「泊まるのはこいつだこいつ!」
アヴラムはカウンターの下を指差す。
ビートは背が低いのでプラトンの目に入っていなかった様だ。
「ほう、獣人か!」
「何か問題があるのか?」
「いやいや、うちは問題はねぇけどな。お前さんがまさかそっち系だったとわ......」
『うちは』、ということは他では駄目な所が有るのかもしれない。
しかし、それを聞くよりまずは否定をしなくてわ。
「ちげぇよ! しかもビートは男だぞ!」
「まぁまぁ、照れなくてもいいから。それでベッドのサイズはキングサイズか?」
「いや、二つ用意しろよ......」
ビートが良く分かっていないのに、絶妙なタイミングで話に割り込んでくる。
「オレはベッドがナくてもいいぞ、だからヒトつでもいい」
地べたで寝るのに慣れてるからいらないという意味なのだろうが、プラトンからしたらそうは聞こえない。
「ほら、そっちの子もそういってるぞ!」
「そろそろ冗談はやめにしてくれ......」
「ビートも遠慮は要らないからな、仲間に地べたに寝させられないから」
「でもオレはドレイだ。フツウはジべたにネるぞ?」
「だから俺は、ビートをそんな扱いしないし、遠慮なんてしなくていいから!」
「......ワかった」
「話はまとまったか? ならキングベッド一つだな?」
「シングル二つだ!」
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