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第3章 龍人族
ヴラド城 その3
しおりを挟むデュラハンとの戦闘中にスカージレットの策略によってユウトが連れ去られてしまった一行は、連れ戻すためにヴラド城の攻略を進める。
大広間を抜けた後はさしたる強敵に遭遇することなく、まるで誘導されているかの如くすんなりとスカージレットがいる王の間の前にたどり着く。
■■■
これまでに見たどの扉よりも一際立派で、大きな扉の前にやって来た。
「みんな準備はいいか?」
皆が頷き準備が整ったので、扉を開けいよいよ突入する。
王の間の奥にある玉座に、ネームドであるスカージレットが座している。そしてその横には手下とおぼしき魔物、リリス、ワイトキング、デュラハンが立っている。
さらにその横には……
「ユウト!!」
声を掛けるも返事は無い。そしてユウトの目は虚ろであり、立ってはいるが意識があるかも定かではない。
「アヴラムさん、勇者様はもう……」
ロプトが首を横に振り否定するように、ユウトは既に、スカージレットの精神支配下にあるようだ。
ユウトを助け出す為には、スカージレットの支配から解放しなければいけない。すなわちスカージレットを殺すということだ。
万が一にもスカージレットを倒せないのであれば……
「話は終わったかな?」
スカージレットが静かな口調だが、威圧するように話し掛けてくる。
各々が臨戦態勢を整えつつ、会話に応じることにした。
「ああ、素直に倒されてユウトを解放してくれるとありがたいんだが」
「ハハハ! それを君たちが出来ると本気で思っているのかね?」
「もちろん。その為に我々はここに来たのですから」
「本当にそう思っているのであれば哀れなことだ」
「それはどういう……」
スカージレットに聞き返したその瞬間、ロプトの剣が後ろから自分に振られる。しかしそれも十分にありえると、ずっと警戒していたので、何とか反応し剣をねじ込み防ぐ。
「へぇー、これを防ぎますかアヴラムさん」
「お前のことは怪しいと思っていたし、最初から信用をしていなかったんでな。ずっと警戒させてもらってたんだよ」
以前であれば、心強い後輩が出て来たとしか思わなかったかもしれない。しかし今となっては、こうも都合良く教会の息が掛かった才能が、それもネームド討伐に挑めるだけの力を持って出て来るなど怪しいとしか思えない。
龍人の里でヴァン神教の成り立ちに対する疑念を抱いた以上、疑わざるをえないのだ。
教会側の裏側が、まさか魔物と繋がっているとまでは思わなかったが。
「やはりそうでしたか。常に隙を伺っていたのですが、あの勇者と違って全くチャンスがなかったですしね」
ロプトがユウトを指差す間にジリジリと移動し、イヴリースとフルグル、そして勇者一向のメンバーで囲う形にし、再度問う。
「ユウトを嵌めたのはお前の策略だったのか?」
「あんなもの策略でも無いですよ。まぁ、いい加減、邪魔になってきたので排除することにしたのは間違いないですが」
「……お前は一体何者だ? その神官、いや教会は魔王の手に落ちているのか?」
ロプトに尋ねたのだが、いつの間にかロプトの背後に移動した神官が叫ぶ。
「ここで死ぬ、お前たちにそれを教える必要などないわ! お前たちは我々の手のひらの上で踊らされていたんだよ!!」
今までとは違い、感情を剥き出しにした神官に勇者一向のメンバーは面を食らっている。
そして問いには、変わらぬ笑みを浮かべたままのロプトが答えてくれる。
「ああ、こいつですか? そうですね……仲間ですよ。今までご苦労様でした」
発言とは裏腹に、ロプトの剣が神官のお腹を貫く。
そしてゆっくりと抜かれる剣と同時に神官は膝から崩れ落ちる。
突然の出来事に神官も何が起こったのか良く分かっていない様子だ。
「ろ……ぷとさ……ま、な、何を?」
「だからご苦労様と言っただろう? 君はもう用済みだから、排除しただけだよ」
「そんな……どうか、どうか御慈悲を」
口から吐血しながらロプトにすがる神官だが、慈悲無く切り捨てられる。
「神官様!」
ガーゼットが駆け寄り、必死に治療を試みる。
聖騎士団に所属しているとはいえ、顔すらも見たことがなかった上、素性が分からなかったので一応警戒していたが、ガーゼットも魔物側についているらしい。
「ああ、そういえば貴方はそいつと契約を結んでいたのですね。もうそいつは死んだのですから、貴方も消えて良いですよ?」
「……」
「何か?」
「いえ……失礼しましたロキ様」
「その名を口にして良いと誰が言った?」
「お、お許しを!」
ガーゼットは膝を折り、頭を垂れる。しかしロプトは、ガーゼットを蹴り飛ばす。
「本当は同族に手を出したくは無いのですがね、無能は害悪ですよ」
自分達の近くまで跳ばされたガーゼットは、まだ息は有るものの、意識を失っている。
勇者一行の三人はそれを見てかなり動揺している。
「さぁ、邪魔物はいなくなった所ですし、ようやく戦えますね先輩」
「……その喋り方はもう止めろよ、どうせ名前も全て嘘なんだろ?」
「いえいえ、今はこれが素ですし、人としての僕はロプトですよ……ですが時間を掛けすぎたようですね」
「何を……なっ!?」
床一面が青白く光り、先ほどを上回る量のスカルワイトが現れ周囲を囲まれる。そしてその中にはスカルドラゴンまでいた。
ロプトを警戒して、ワイトキングに召喚を許す時間を与えてしまったのだ。
「先ほどのスカルワイトと同じと思うなよ小僧共!!」
カツカツカツと骨を合わせながら、王座の近くにいるワイトキングが叫び、スカルワイトの軍団が行進を開始する。
「おい、お前たち、早くこっちに来い!」
アイナ、トランファス、ベラドンナを呼び寄せる。
彼らが敵でない確信は無いが、自分の後釜に据えられたガーゼットとは違い、共にした時間の信頼はあり、素性が分かるので信じることにした。
「そんな……まさか……」
三人は味方だと思っていた人達が敵であったという、突然の出来事に戸惑い狼狽えている。
しかし今は躊躇っている時間は許されていない。
「お前ら、これを使え! 使い方は分かるな」
「え、ええ」
三人にラーカス商会で用意してもらった魔道具を渡す。
以前に自分が使った魔道具は、自分の魔力で制御するものだったが、今、渡した魔道具は内臓された魔石に貯められた魔力を使用するので使い手を選ばない代物だ。
強力な魔道具を用意して貰ったので、これでかなりの戦力向上が見込まれる。
「よし全員、戦闘開始!」
状況を考えると、ユウトを解放することは諦め、今すぐに撤退すべきなのだが、このスカル軍団をどうにかしてその隙を作り出さなくては、それすらも難しい。
自分とフルグルが剣で牽制し、ワイト軍団が近付けないようにする。そしてイブリースと残りの三人が主攻として魔道具で攻撃をするのだ。
勇者一行の三人も元Aランクの冒険者なだけあって、しっかりと状況さえ整えれば強さを発揮してくれる。
魔道具の威力は絶大で、スカル軍団は確実に数を減らしていく。
明らかに、これまで見たこともないほどの威力を持った魔道具なので、その値段が気になるところだが、今回は無償で提供してもらったので、使えるものは使って、この場を切り抜けなければいけない。
「貴様ら、何だそれは!」
ワイトキングが魔道具の魔法によって、次々に四散されるワイト軍団を見て叫ぶ。
「教える必要はあるのか? どうせロプトが知ってるんだろ」
魔物は知らなくても、ロプトは人間に溶け込んで生活しているのだから知っているに決まっている。
ワイト軍団が数を減らし、再び姿が見えるようになったロプトが答える。
「…………厄介な、例の商会の魔道具ですね。ですが、いつまでも使い続けられるものでは無いでしょう?」
「それはどうかな」
確かに魔石に蓄積された魔力が切れれば、自分達の魔力を消耗しなくてはならない。なのでいずれは尽きるのだ。
なので手持ちの魔道具が切れる前に決着を着けなくてはいけないが、ここを乗り切るには十分なストックがある。
「ワイトキング、どうやら量だけでは彼らを潰すには足らない用ですよ」
「カッカッカ! それはスカルドラゴンを倒してから言って貰いたい」
龍ほどの大きさはないので、飛竜や地竜の死体からなるスカルと思われるが、それでも確かに、普通のスカルワイトより遥かに手強い。
先ほどから何度か攻撃を放ってはいるものの、魔法耐性を備えているのか、相性の悪い属性魔法は四散してしまう。相性の良いものでも大したダメージは与えられないのだ。
「あれは俺たちがなんとかするから、援護してくれ!」
魔法が駄目であれば、フルグルと二人で倒せば良い。骨は固くても、節は剣が通らぬ程ではないのだ。
フルグルは骨と骨の間の節を狙うという、器用な事が出来ないらしいので、壁役に徹して貰う。
ドラゴンスカルの攻撃をフルグルが弾いた瞬間に、懐に潜り節を破壊していく。
一体を相手している間に、他のスカルドラゴンが近付けないよう、イヴリース達が頑張ってくれているので、安心して戦える。
そして一体、また一体とスカルドラゴンを倒していく。
「き、貴様ら調子に乗るなよ……」
配下を倒され怒るワイトキングが、自ら手を下そうと、こちらに一歩近付いたところで、スカージレットが手で制す。
「どうやら、君達の力を見誤ってたようだ。しかしそれも些細なこと。君達に我々は倒せない。大人しく私の支配下に落ちるなら殺さずにおいてやるがどうだ?」
確かに、既にこの戦いは勝つ為ではなく、どうやれば逃げ出すことが出来るかを考える戦いになっている。
今の状況で、ワイトキング、デュラハン、リリスを倒し、更に、得たいの知れないロプトとネームドであるスカージレットを倒すことは不可能に近い。
しかし魔物の手に落ちるなど死と同義であり、考えるまでもないのだが、答える前にロプトが話す。
「まぁまぁスカージレットさん、こいつらは僕の獲物なんだから譲ってくださいよ。さっきはその骨が先走ったから譲ったけど、次は許さないよ?」
「そうだったな…………では君に任せよう」
スカージレットの指示でワイトキングと、残ったワイト軍団は引き、これで再びロプトと向かい合う形になった。
状況が落ち着いたこの間に、なるべく時間を稼ぎ、逃げ出す準備を整えたい。
しかし恐怖に耐えきれなかったのか、勇者一向の一人が、ここぞとばかりに逃走をはかり、入ってきた扉に向かって走り出すと、残った二人も釣られて走り出す。
「待て! ここで離れたら!」
しかし、呼び掛け虚しく扉にたどり着いた彼らはそのまま逃走を図る。
スカージレットがそのまま逃走を許すはずが無く、ユウトとデュラハンが別の扉から追跡に出ていく。
助けたい気持ちはあるが、追いついた所で、彼らを助けることは難しいばかりか、背を討たれ易々と殺されてしまうだろう。
なので彼らの無事を祈りつつ、自分達も脱出するために時間を稼がなくてはいけない。
その様子を一緒に見ていたロプトが、仕切り直しとばかりに話しかけてくる。
「これでようやく戦えますね」
「……お前は一体、何者なんだ? ただの人間ではないのだろう?」
普通の魔物がネームドに口を出せるなど考えられない。ともすればロプトは同等かそれ以上の存在であることも考えられる。
「そうですね……アヴラムさんは龍人の真実を知っていますか?」
「ああ、つい最近だがな。龍人の里で教会の闇の歴史と共に教えてもらったよ」
「それは話が早い。では教会を興した人達がなぜ龍人を殺したか覚えていますか?」
「ああ、力を求めた人が、その源を奪おうとしたんだろ? だが失敗しスタンピートが起こった」
「そうなんですよ、龍人から奪い取ろうとしても駄目、そして龍から奪おうにも姿を消されてはどうしようもない。だがもっと簡単に同じようなものが、近くにあると気付きませんか?」
「……まさか……魔物の」
「その通り! 当時の人間達も魔物の持っている核、魔石を用いて同じことが出来ないか研究を進めたのですよ」
「ということはお前は、魔石が埋め込まれている、人間なのか?」
「話が早くて助かりますよ。ですが人間と同じ扱いはされたくないですね。我々は人間を超越した魔人なのですから」
魔物の力を得た人間であれば確かに、普通より遥かに強い力を持っているのだろう。
「それはガーゼットもそうなのか?」
「そんなゴミと一緒にはされたくは無いですね、私の魔石は……いえこれは貴方達に話す必要は無いことです」
どうやら魔石の質で強さも変わるみたいであり、神官と違ってロプトは特別な存在らしい。
「なら教会は魔物側についているのか? ならなぜ国を滅ぼさない?」
国を牛耳るほどの権力もあり、その力もあるのだから、人間の国を滅ぼすことなど難しくないはずだ。
「国を滅ぼせば人が絶滅するとでも? 幾ら一つの体制を壊そうが次の敵が生まれるのは人も魔物も同じ。であれば、最初から自分達でコントロールした方がいいでしょう?」
確かに魔物に支配され、調整された勇者であれば、魔王討伐など出来る筈もない。
魔物にとっては最大の敵である勇者がもはや敵で無いのだ、ならばその他の冒険者が驚異になる前に事前に狙い伐てば敵はいなくなる。
「ならなぜ俺は殺されなかったんだ?」
「…………イレギュラーの存在のせい、とだけ言っておきましょうかね」
「それはラーカス商会、いやハヤトさんのことか?」
「知っていましたか……あの男は我々の管理下では無い所で召喚され……まぁ、だが結局は我々の思い通りになり、貴方達はここで死ぬのですがね」
ラーカス商会のハヤトによって妨害されていたとしても、ここで邪魔になった自分達をここで殺してしまえば良いということだろう。むしろその為に仕組まれた討伐遠征だったのかもしれない。
自分達がここで死に絶え、ロプトが代理に納まる。そして新たに召喚された勇者もまた傀儡にする。その繰り返しで再び魔物の恐怖に支配される暗黒の時代が始まるのだ。
魔物側にとっては平和なのかもしれないが、それでは人間は常に魔物に命を握られているようなものである。
「そんなことを俺たちが、むざむざと許すとでも思っているのか?」
「例え貴方達の誰かが逃げ出せたとしても、教会と一冒険者の言葉、どちらを信じるかなど明白でしょう。まぁ、ここで死ぬのだから土台無理な話ですがね」
随分とロプトが饒舌に話してくれたおかげで、準備が整ったようでイヴリースが後ろから合図を送ってくる。
「だがそれは、やってみなければ分からないだろ?」
「何を…………まさか!」
ロプトが気付いてこちらに走りよってくるが、既に転移門は繋がっている。
「「「転移!!」」」
目の前が真っ白になり、予め設定された出口のラーカス商会の会長室に出る。それと同時に転移の魔道具は砕け散り、使い物にならなくなる。
完全に転移門が閉まりきる前にロプトの叫び声が聞こえたが、どうにか逃げ切ることが出来たようだ。
「助かった……の?」
「ああ、そうみたいだな」
万が一の時の為に、ハヤトが用意してくれた転移の魔道具のおかげで助かったのだ。
まだ世に出ていない、というより出すことが叶わないらしいが、それが幸いしロプトに悟られなかった。
ロプトからすれば、まさかあの場から瞬時に移動する方法があるなど、思ってもみなかったのだろう。
ロプトそして神官が、敵である可能性がある以上、事前に悟られないように皆に伝えていなかったので、勇者一向の3人が知らずに逃げ出してしまったことは残念だが、あの場ではどうすることも出来なかった。
しかし、このまま聖都市に身を置き続けることは出来ない。
敵がどこにいてもおかしくない、この場所に留まり続けるのは危険であり、教会側からしても真実を知った人間を野放しにしてくれるとは思えないからだ。
しばらくすると、魔道具が使われたことを察知したハヤトが部屋に入ってくる。
「まさか本当に使うことになるとは……まずは皆、無事かい?」
「ええ、僕たちは大丈夫なのですがユウト、いえ勇者とその一行は……」
無事を伝えたものの、繰り返された戦闘で剣や防具は随分と消耗されており、戦いの激しさを物語っている。
「そうか……彼らのことは残念だが君達が無事で何よりだよ」
「……ハヤトさんは教会の裏の顔を知っていたのですか?」
「……全てではないが、怪しいとは思うぐらいはね。だがそう言うということは君も核心に迫ることを知ったんだね?」
「ええ、実は……」
先ほどの戦いのなかで、ロプトから知り得た情報をハヤトと共有する。
ハヤトは頷き、時折、驚いているので全てを知っていた訳ではないのだろう。
「やはりそうか……だが納得がいったよ」
「教会は全て敵だと思った方が良いのでしょうか?」
「全てがそうではないんだけどね……でも警戒するには越したことはないよ」
「では国王様は大丈夫なのでしょうか? 既に手が回っているかも……」
「それは無いよ。魔物、いや魔人側にとっても国の体裁は保たなくてはいけないんだ。それならば王族という分りやすい操り人形は、活かしておいた方が都合が良いんだ」
完全に王を操ってしまうと、思想が偏り過ぎて国民からの疑念が生まれかねない。結局、実行する権力と力を握っている以上は、人の繁栄を考える王である方が都合が良いのだ。
「そうですか……なら私たちはこれからどうすれば良いのでしょうか?」
「とりあえず、勝手知ったるフェブラの街に身を隠して様子を見た方がいいだろうね。その後は教会に頼らず、本当に信頼の出来る仲間を見つけて魔王討伐を目指すべきだね」
「そうですよね……ならやはり一度、オベロン学園に向かうべきでしょうか?」
「確かにあそこは国、そして教会からの干渉も受けないからね。一応は知り合いがいるから連絡をしておくよ」
「ありがとうございます」
■■■
アヴラム達は体制を整えるためにも、教会から逃げるようにフェブラの街で身を隠すことになった。ビートとユキノとも合流し、デミスに匿って貰う。
後日、デミスが確認した所、ロプトは傀儡になったユウトと戻り、ネームド討伐を成し遂げたことになったそうだ。
そして勇者一行の仲間と神官はその戦いの中で死亡、アヴラム達はネームドとの戦いの中で敵前逃亡を図ったことにされたらしい。
アヴラムは反逆者として指名手配されることまであり得ると思っていたので、安堵する。
しかし何処に敵がいるか分からないので、今後は信頼の出来る仲間を見つけなくてはならない。
こうしてヴラド城から逃走してから数日が経過し、オベロン学園に向けて出発しようとした頃、ギルドを介して、王城への召喚通知が届くのであった。
◆◆◆
第3章[終]
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弥生 凛さん
ご指摘ありがとうございます。
一時期、ゴブリンとオークのどちらにしようか迷っていた時がありまして、修正出来ていなかった名残です。
ゴブリンが正しいので修正しましたm(__)m
ラムダさん
感想ありがとうございます。
確定させると自由度が無くなりそうだったので載せてなかったですが、再開させる時には登場人物の一覧と共に公開出来たらなと思います。